小さな子どもにはフッ素を塗ってもらうと虫歯予防になると聞きました。

ハッと驚く歯のはなし

ハッと驚く歯のはなし

Vol.30
Q
2歳の子どもがいます。小さな子どもには歯医者さんでフッ素を塗ってもらうと虫歯予防になると聞 きました。塗ってもらった方がいいの でしょうか?

A
 フッ素は虫歯予防にとても効果があります。年齢を問わず有効に作用しますが、乳歯が生え始める生後6カ 月~1歳くらいから、永久歯が成育する 中学生くらいまでが最も効果を発揮す る時期といえます。そのため1歳、2歳の お子さんにフッ素塗布をと考えがちで すが、体に及ぼす危険性があることも忘 れてはなりません。
 体内に吸収されたフッ素の一部は歯 や骨に取り込まれますが、多くは尿として 排出されます。しかし、1度に大量に飲み 込 む と 、吐 き 気 、腹 痛 、下 痢 、心 不 整 脈 、 昏睡などの症状を伴う急性中毒を引き起 こすこともあります。また、顎骨の中で歯 が形成される時期に長期間継続して過 量のフッ素を摂取すると、班状歯(エナメ ル質形成不全)となることがあります。
 症状として、歯の色が極端に白くな る、歯の表面が窪んでザラザラする、歯 の形がいびつになるといったことが挙げられます。
 ほかに過量摂取による悪影響として は、骨硬化症(フッ素症)も挙げられま すが、これには骨が異常に突出する、関 節が痛む、運動機能に傷害を起こすと いった症状が伴います。
 塗布後、口の中に溜まった唾を吐き 出すことがうまくできなかったりうがい が上手にできなかったりする子どもたち は、フッ素を飲み込みやすくまた排出し にくいことから、フッ素の害を受ける可 能性が高くなります。
 以上のリスクを踏まえ、フッ素塗布に は高濃度のフッ素を使用することを考 慮した上で、本当に必要かどうかを医師 と検討する必要があります。
 歯が非常に弱っていて虫歯ができや すいとか、歯の質がもともと弱いという 場合などは、特別にフッ素の使用を勧 められることもあります。しかしフッ素 は、たいていの歯磨き粉、またオースト ラリア都市の水道水にも含まれていま す。大きな問題がない限りは正しい歯磨 きと水道水飲用による適度のフッ素摂 取、規則正しい食生活、歯科定期健診 によって虫歯を防ぐことが大切であると 考えてください。


ハッと驚く歯のはなし

イアン・マラトス
Dr. イアン・マラトス歯科医院

歯科医歴24年。多数の日本人患者の診察・治療経験を持つ。1年間の日本滞在経験もあり、日本語が堪能。日本の歯科事情はもちろんのこと、日本人社会のシステム、日本文化にも深い理解がある

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