胃が不調で病院に行ったら「好酸球性食道炎」と診断。治療法は?

何でも相談

Q 胃の調子が良くないので検査を受けたら、好酸球性食道炎と診断されました。聞いたことが無い病気なので心配です。どのような治療法があるのでしょうか。
(42歳会社員=男性)

A 好酸球性食道炎はどの年齢層にも起こり得ますが、子どもや30~40代の人に比較的多いのが特徴で、男性対女性比率は3対1です。免疫反応の異常から来る疾患で、アトピー性疾患(ぜんそく、アレルギー性鼻炎、湿疹、食物アレルギー)との関連も強いようです。

症状

嚥下(えんげ)障害、つかえ感がよく起こる症状です。また胸や上腹部の痛み、消化不良、治療不応性の胸焼けなどがあります。嚥下障害は危険信号で、状況によっては食道がんの疑いもあるので、なるべく早く専門医(消化器内科)による、内視鏡検査を受けましょう。

診断

内視鏡検査の所見と生検で、食道粘膜の上皮内に一定数の好酸球が見られるかどうかで診断します。

治療

治療の目的は症状を和らげ、組織学的変化の向上を図ると同時に、食道狭窄(きょうさく)や穿孔(せんこう)を避けることです。

<投薬>

● プロトン・パンプ阻害薬(Proton Pump Inhibitor, PPI)がまず試されます。PPIには多少の炎症を抑える効果があります。同時に胃食道逆流を併発していることも多くあるので、この場合PPIが役立ちます。8~12週間の服用後、食道の生検をして、好酸球数が減っていなければ診断はより正確です。

● 副腎皮質ホルモンが治療の主役です。局所投与または経口薬がありますが、局所投与の方が副腎皮質ホルモンの全身への影響を最小限にできます。通常ぜんそくに使用される吸入薬を使い、気管に吸い込むというよりも、飲み込む要領で行います。6~8週間後に再度食道粘膜の生検をして、その結果によりその後の治療が検討されます。

<食事療法>

● エレメンタル・ダイエット:アミノ酸、ビタミン、炭水化物と中性脂肪だけを数週間摂取し、アレルギーを起こしやすいタンパク質を極力避ける方法です。

● 6種除去ダイエット:牛乳、豆、小麦、卵、ナッツ類、魚介類の6種類の食べ物はアレルギー反応を起こす確率が高く、これらの摂取を避けることによって好酸球性食道炎の症状と組織病理学的所見の改善を図る方法です。

● 的を絞ったダイエット:アレルギー検査により反応があった食べ物を普段の食生活から除去する方法です。アレルギー検査の方法や結果の適切な解釈が重要となり、栄養士(Dietician)の指導を仰ぐことをお勧めします。

<食道拡張>

● 食道の狭窄がひどく、嚥下障害やつかえ感がある場合の治療です。内視鏡を食道に入れ、風船のような物で内側から食道を広げるようにして行いますが、食道粘膜の裂傷や穿孔が起こる危険もあります。またこの方法では狭くなった食道を広げるだけなので、根本的な問題に対処する投薬療法や食事療法などを継続する必要があります。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

 

メルボルン大学医学部卒。Northbridge Family Clinicを6月18日で閉院し、Northbridge Medical Practiceで6月27日より診療中

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