帯状疱疹の予防接種とは

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Q 以前に帯状疱疹(たいじょうほうしん)にかかったことがあるのですが、かなり長い期間痛みが続きました。帯状疱疹の予防接種があると聞いたのですが、このことについて教えてください。
(56歳会社員=男性)

A 帯状疱疹とは、水疱瘡(みずぼうそう)を起こすウイルスが原因で発症する特殊な発疹です。一般的に成人の95パーセントは大人になるまでに水疱瘡にかかりますが、気が付いていない時にかかっていたということもよくあります。

水疱瘡が原因でウイルスに感染すると、その後、知覚神経節にウイルスが潜伏することがあります。そして、何らかの刺激によりウイルスが再活性化し、知覚神経をたどって皮膚にウイルスによる症状が現れます。高年齢、疲労、または病気により体の免疫が低下している時に起こりやすいと言われていますが、はっきりとした理由がなくても帯状疱疹にかかることもあります。

帯状疱疹で起こる発疹は、水疱瘡の時の体全体に広がる発疹ではなく、ある特徴があります。知覚神経節に潜伏しているウイルスが、その神経の支配する皮膚知覚領域に現れる症状です。この皮膚知覚領域を皮節と言いますが、この皮節が体の左右両側に帯状に広がり、そこに発疹が出る症状から病名を帯状疱疹と呼びます。

帯状疱疹の痛みは軽ければ1~2週間で治まりますが、特に高齢者の場合はひどい痛みが数週間から数カ月も続くこともあります。痛みが3カ月以上続いた場合、その症状を帯状疱疹後神経痛と言います。

帯状疱疹ワクチンは60歳以上の人口で、帯状疱疹の発症率を約50パーセント減少させ、帯状疱疹後神経痛の発症率を66パーセント抑えることができるものです。2016年11月からオーストラリア政府は70歳以上の人を対象にこのワクチンを無料で一般開業医に配給しています。また、71~79歳の年齢層の人には、2021年10月31日までの5年間は無料でワクチンが提供されます。それ以後は、70歳の人だけが無料提供の対象と変更になります。なお、このワクチンは60歳以上からの接種が推奨されていますが、高価なワクチンです(約250ドル)。個人でも薬局で購入することができるので、必要の際は医師と相談して処方箋を書いてもらいましょう。また、以下にあるのは帯状疱疹のワクチン接種に関する基本情報です。

接種について
 このワクチンは弱毒化生ワクチンです。1回の皮下注射で、効果は最低5年から10年保たれます。インフルエンザや肺炎球菌ワクチンとの同時接種ができます。

禁忌(きんき)
 病気や治療(例えば抗癌剤投与や免疫抑制剤など)によって免疫減弱状態になっている人、ワクチンの成分に対して以前に全身性のアレルギー症状を起こしたことがある人はワクチンを接種できません。一方で、高血圧、糖尿病、関節炎、腎機能低下症などのよくある慢性疾患の人は接種可能です。また、ステロイドを服用している人もほとんどの場合は接種できます。

副作用
 一般的には安全なワクチンですが、接種部位の腫れ、赤み、かゆみや頭痛、倦怠感などが起こることもあります。

以前に帯状疱疹にかかった場合
 帯状疱疹にかかってから1年以内でしたら、発症後1年以降までは待つことをお勧めします。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

 

メルボルン大学医学部卒。Northbridge Family Clinicを6月18日で閉院し、Northbridge Medical Practiceで6月27日より診療中

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