新しい子宮頸がんの検査法について

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Q 新しい子宮頸(しきゅうけい)がんの検査法について教えてください。
(30歳主婦=女性)

A 99.7パーセントの子宮頸がんはヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルスの感染によるものだということが分かっています。このウィルスには100種類以上の亜型がありますが、その中の約15種類には発がん性があります。特に、16型と18型が子宮頸がんとの関連性が最も高く、それに続いて6型と11型が、がんを起こしやすいようです。

オーストラリアでは2007年から全国的にヒト乳頭腫ウイルスワクチンの接種を実施した結果、子宮頸がん、並びに異常細胞の発見が極端に減少しています。

その結果、17年12月以降から子宮頸がんのスクリーニング方法が変わります。これまでは「パップスミア検査」と言って、子宮頸部からブラシのようなもので細胞を採取してガラスのスライドにこすりつけ、顕微鏡で子宮頸部の細胞の異常を見る検査でした。

17年からは子宮頸部から採取したサンプルは「シンプレップ」という検査用の液に入れ、ヒト乳頭腫ウイルス遺伝子型を見る検査と変わります。このサンプルから検出されたウイルスの型に基づいて子宮頸がんのリスクが分類され、その結果によってそれから先の詳しい検査方法が決められます。なお、このシンプレップのサンプルからはウイルスの検出だけではなく、細胞診をすることも可能ですが、リスクの高いウイルスが検出された時のみ細胞診を行います。

2017年以降のスクリーニングのスケジュール

従来の2年ごとの細胞診に基づいたパップスミア検査は、17年12月以降からは行われません。

そこで、ヒト乳頭腫ウイルスの予防接種を受けている受けていないにかかわらず、25歳から74歳までの女性は、5年ごとにスクリーニング検査の受診が勧められます。もちろん、原因不明の不正出血、閉経後の出血などの自覚症状のある人は医師の診察を受けることが大切です。

25歳以下で子宮頸がんになるリスクは低めですが、予防接種を受けておらず、リスクの高い性生活を送ってきた人は要注意です。

リスクの分類

スクリーニング検査の結果によって分類される子宮頸がんのリスクは、以下の通り主に3段階に分かれます。

◆低度リスク
 がん誘発リスクのあるウイルスが検出されなかった場合は自覚症状が無い限り、5年ごとの検診が必要です。

◆中度リスク
 がん誘発リスクの高い16型か18型のウイルスは検出されなくても、それ以外のリスクがあるウイルスが検出された場合、同じサンプルから細胞診が行われます。その結果、比較的軽度の細胞異常が認められた場合は1年後にスクリーニング検査をすることが勧められます。細胞診の結果、高度な異常があった場合はコルポスコピー(内視鏡による腟及び頸管の検査)を行います。

◆高度リスク
 ヒト乳頭腫ウイルス16型か18型が検出された場合は同じサンプルで細胞診も行いますが、同時にコルポスコピーにも進みます。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

 

メルボルン大学医学部卒。Northbridge Family Clinicを昨年閉院し、現在Northbridge Medical Practiceで診療中

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