悪化した水虫、オーストラリアではどのような治療法がありますか?

何でも相談

Q 爪水虫について相談です。妊娠していたため爪水虫の治療ができず、症状が悪化してしまいました。日本では飲み薬で治療を行うと聞きましたが、オーストラリアではどのような治療法がありますか。できれば塗り薬で治療をしたいです。また、医薬品の費用はメディケアでカバーされるのか費用面も気になります。
(30歳主婦=女性)

A 爪にできる「真菌症(Onychomycosis)」は根気よく治療をする必要があります。経口薬でも、塗り薬でも6週間から12週間にわたる治療が必要です。同症状は、「紅色白癬菌(こうしょくはくせんきん)(Trichophyton rubrum)」という真菌が原因で起こることが多く、足の皮膚にも感染している場合がほとんどです。カンジダ菌やその他の真菌による感染もあります。

診断

爪切りかはさみで爪の一部分を採取して顕微鏡検査と培養検査が必要です。顕微鏡検査の場合は、1~2日で結果が分かります。そして、真菌が確認されれば治療を始めることができます。もし、顕微鏡検査で真菌が認められても、そうでなくても培養検査に進みます。この検査の結果は6~8週間の時間が掛かります。また、確認された真菌の種類によって使われる薬品が変わることもあります。

鑑別診断

乾癬(かんせん)(Psoriasis)、扁平苔癬(へんぺいたいせん)(Lichen planus)、接触皮膚炎、爪床の腫瘍、外傷、黄色爪症候群(Yellow nail syndrome)なども爪の真菌症と似た外観の時もありますので爪の検査をして確認しておいた方が良いでしょう。また、内服薬によっては真菌が確認されていなければ薬品代が高額になります。

治療法

塗り薬を治療法として選択する場合、長期間、毎日薬を塗り続けなければいけない不便さがあり、しかも治療効果はあまり良くありません。オーストラリアでは「Loceryl (Amorolfine)」と「Rejuvenail (Ciclopirox)」という薬が代表的なものです。妊娠中の使用に関してはB(※)の分類に入ります。なお、授乳中の安全性に関してはデータが蓄積されていません。授乳中には使用しない方が良いようです。塗り薬に関しては医師の処方箋は必要ではありませんが、薬は高価であり、費用はメデイケアではカバーされません。プライベートの保険で幾らかカバーされるかもしれません。

※B:妊婦が服用した症例はまだ少数だがその中で胎児の奇形、あるいは有害作用は観察されていません。また、動物実験のデータでは有害なものと動物に関して影響もないものもあります。

経口薬は、最近開発された薬は治療効果が少し良いようですが、やはり3カ月程の服用が必要です。「Griseofulvin」「Lamisil (Terbinafine)」「Sporanox (Itraconazole)」などがオーストラリアで代表的な薬です。服用する場合は、いずれも医師の処方箋が必要になります。Griseofulvin以外は爪の検査をして真菌が確認されていなければ薬品代は高くなります。妊娠中の治療に関してはやはりBの分類に入ります。また、授乳中の服用は薦められていません。爪真菌症の内服薬は血液、肝機能、腎機能に影響する可能性があります。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・メディカル・プラクティス

メルボルン大学医学部卒業。Northbridge Family Clinicを昨年閉院し、現在Northbridge Medical Practiceで診療中

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