オメガー3脂肪酸が体に良いからと薦められました

Q 友人からオメガー3脂肪酸が体に良いからと薦められました。この人はいくつものサプリメントを手当たり次第に摂っている人で、本当にすべて効果があるものなのかが疑われます。オメガー3脂肪酸にはどのような効果があるのでしょうか。
(35歳主婦=女性)

 

A オメガー3脂肪酸は人体が通常に機能するために必要な必須脂肪酸で、体外から摂取しなければなりません。ALA、DHA、EPAと3種類ありますが、ALAはDHAとEPAの前駆物質で、体内ではDHAとEPAという物質に変換します。ALAはアマニ(亜麻仁)などの植物類から摂れますが、DHAとEPAは魚類に含まれています。脂肪酸にはオメガー6脂肪酸という物質もあり、こちらは主に野菜類や肉類から摂れます。
 数百年前の人間の食事はオメガー3とオメガー6の比率が同等だったのに対し、近代の食事内容はオメガー6が圧倒的に多くなっているようです。この不均衝があることによってあらゆる健康問題に影響を及ぼしているのではないかと疑われています。一般的にオメガー3脂肪酸は体内の炎症を鎮める効果があると言われています。

オメガ−3脂肪酸の効果

・コレステロールと中性脂肪を下げ、循環器疾患のリスクを低める
・血圧を下げる(効果が出るのは摂取量が1日3,000ミリ・グラム以上なので医師の指導が必要)
・動脈硬化と血栓の発生を抑制
・不整脈の発生リスクを低める
・リューマチ性関節炎ー関節痛や朝の関節のこわばりを和らげる(症状を和らげるだけで病気の進行を抑制する効果は見られていない)
・骨粗鬆症の進行抑制(オメガー3脂肪酸を摂取した人の方が骨粗鬆症の進行度が遅めというデータあり)
・精神的疾患減退(調査結果では明らかな結論はでていないが、ウツ病、出産後のウツ、注意欠陥多動性障害、痴呆症などに対してのプラス効果がある可能性もあり。また、胎児の脳の発達にも欠かせない物質なので、妊婦が服用することは薦める)
・がん予防(大腸癌、乳がん、前立腺がんに関しては良い影響も見られる)

オメガ−3脂肪酸の多い食べ物

 *アンチョビー
 *鯖(サバ)
 *鰯(イワシ)
 *鰊(ニシン)
 *鮪(マグロ)
 *鱒(マス)
 *鮭(サケ)(野生の方が養魚よりも多い)
 *蝶鮫(チョウザメ)
 上記のような魚はオメガー3脂肪酸を多く含みますが、大きめの魚(サメやサバ、カジキなど)には水銀などの毒成分も多めに含まれています。妊婦さんや小さなお子さんはこのような魚は避けるべきです。食べ物からオメガー3脂肪酸を摂取する場合は週に2〜3回魚を食べることを薦めています。

ALAの多い食べ物

 *胡桃(クルミ)
 *アマニ油
 *カノーラ油
 *オリーブ油
 *大豆油

オメガー3脂肪酸サプリメント

 食べ物から摂取できない場合はオメガ−3脂肪酸のサプリメントがあります。通常1日1,000ミリ・グラム(DHAとEPAが混合で)が推奨されている量です。消化不良、ガス、膨満感、下痢などを起すこともあります。オメガ−3脂肪酸は出血のリスクを高めることもありますので、アスピリン、ウオーファリンなどの血液の凝固作用を低める薬を服用している人は用心して使わなければなりません。また、推奨されている摂取量よりも多く服用する場合は、必ず医師と前もって相談してください。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・ファミリー・クリニック

 

メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

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