子供の首にしこりが・・・注意点は?

Q 16歳の子どもの首にしこりがあり、診察を受けたらリンパ節で良性だから心配ないと言われました。首の周りのリンパ節が腫れた場合、どのようなことに注意をしたらいいのでしょうか。
(41歳主婦=女性)

 

A 体に何らかの異常が起こった時にリンパ節がその細菌や異物を処理しようとして反応を起こします。扁桃炎が起こった時に扁桃部のリンパ節が腫れるのはこの現象に原因があります。ほとんどの場合、感染症が治まれば、リンパ節の腫れは徐々に引いていきます。風邪や扁桃炎などの感染症以外に結核や癌などでリンパ節が腫れる場合もあります。

一般的には急に腫れたリンパ節で2週間以内に萎縮してしまうものは良性のものです。1年以上もあるリンパ節で、大きさが直径1センチ以下でそのまま大きくならないものでしたら、ほとんど心配はありません。

癌の可能性は年齢とともに高まります。逆にリンパ節が徐々に大きくなったり、数が増えていったり、そのほかに全身症状(高熱が続く、寝汗をかく、理由もなく体重が減るなど)が起こっていたら要注意です。最も用心しなければならないのは結核、自己免疫疾患などの慢性疾患、それに癌です。癌の場合、リンパ腫、白血病、ほかの臓器からの転移などが考えられます。

首の周りのリンパ節が腫れている場合、鎖骨上部、脇の下、鼠径部のリンパ節が腫れているかをチェックしておかなければなりません。また、肝臓と脾臓の肥大がないかということも確認します。

癌の疑いが高いケース

●4週間以上続くリンパ節の腫れ
●年齢50歳以上
●6カ月間において体重が10%以上落ちた場合
●寝汗
●リンパ節の触感(硬く、周りの組織に癒着している様子)

検査

血液検査

●非定型のリンパ球が見られたら腺熱(Epstein-Barr virus)の診断に役立ちます。
●白血球数が多ければ何らかの感染症が起こっているかもしれません。あるいは白血球の中でもリンパ球の数が異常に上昇していれば慢性リンパ性白血病が疑われます。リンパ腫の場合は通常血液検査で診断することはできません。

映像検査

胸部レントゲンで肺結核、サルコイドーシス、ホジキンリンパ腫などの所見が見つかるかもしれません。また、胸部のCT、あるいは腹部のCTや超音波検査も必要となるかもしれません。

生研(Biopsy)

もし診断がはっきりとせず、癌や結核の疑いが高い場合は最終的には腫れているリンパ腫から細胞を採って組織検査をしなければなりません。細い針を患部に入れて組織を採る針生研(Fine needle aspiration biopsy、FNAB)は比較的簡単で負担の少ない検査法ですが、患部の的確な部分に針が入らないなど、偽陰性の結果が出ることもあります。リンパ節自体を取って細胞検査をする切除生研(Excision biopsy)の方が診断率が高まります。少数の細胞しか収獲できない針生研に比べ、この方法なら十分な細胞が取れ、リンパ節の中の細胞の構築も分かり、リンパ腫などの血液癌を診断するには大事な検査です。


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鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・ファミリー・クリニック

 

メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて29年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる

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