今からでも遅くない !この冬の風邪・インフルエンザ対策

かかったらどうする ? 予防するには ?

今からでも遅くない !
この冬の風邪・インフルエンザ対策

 冬の本格的な到来ととも に、風邪やインフルエンザ にかかる人が増えている。 特に今年は、年初の自然災 害によるストレスの影響 と、秋に気温が低めだった ことから、先月までのイン フルエンザ患者数が、例年 の同時期と比べて50%増 と大幅に増えているため、 オーストラリア医師会では 注意を呼びかけている。

 風邪とインフルエンザは、どちらもウ イルス感染で発症し、感染経路も同じ。 寒くなると患者が増え、症状も、鼻水が 出て、のどが腫れることもあるなど、混 同されやすいが、実は全く別の病気だ。

 インフルエンザはインフルエンザ・ウイ ルスで起こり、風邪はライノ・ウイルスや コロナ・ウイルスなど、さまざまなウイ ルスによって起こる。ウイルス感染なの で、細菌感染に効くといわれる抗生物質 は、細菌による感染症を併発していない限り効果はない。

 冬になると患者が増えるので、「寒い 所にいると風邪を引く」などと言われる が、どちらも寒さが直接の原因で発症す るのではなく、冬は、狭く換気の悪い屋 内に多くの人が集まっていることが多い ので、感染が広がりやすい、というのが 正しい。ただし、ウイルスは低温を好 み、増殖しやすいというのは事実だ。

▶風邪を引いたら

  風邪は、せき、鼻水、クシャミ、のど の腫れ、微熱などの不快な症状はあるも のの、基本的には水分を十分に取って ゆっくりと休養すれば、普通は1週間程度 で症状が軽くなる。

 市販の風邪薬は、風邪を治すのではな く、症状を和らげるものだと考えた方が いい。飲むと眠くなる成分が入っている ものもあるので、車を運転したり機械の 操作に携わる場合は、“non-drowsy”と明記 してあるものか、薬局のカウンターで薬 剤師に相談するといい。

  熱が出るのは体の自然な反応なので、 高熱が何日も続くのではない限り、熱自 体は心配なものではない。ただし、辛い時には解熱剤を服用するとよい。

▶インフルエンザの症状

  これに対してインフルエンザは、前ぶ れなく38〜40°Cという高熱が出て、筋肉 痛や関節痛、頭痛が起こり、激しい倦怠 感に襲われる。せきや鼻水が出ることも あるが、前述のような激しい症状が急に 現れた場合は、インフルエンザである可 能性が高い。

 インフルエンザの激しい症状は、普通 5日間ほど続く。その後、ほとんどの人 は自然に回復するが、激しい症状のある 人、妊娠中の人、子ども、持病で免疫力 が低い人は、医者や病院に行くことをお 勧めする。その際、オーストラリア医師 会では、公共の交通機関は避けるべきだ としている。また予約の際に、インフル エンザの症状があることを伝えることも 大切だ。

 医者から処方箋をもらった場合は、そ れを持って薬局に薬を買いに行く。その 場合、「ジェネリック(generic)の薬に するか ?」と質問されることがあるかもし れない。ジェネリックの薬というのは、 処方箋に指定されたブランドではないが、全く同じ成分の薬のことで、値段は 少し安くなっている。

▶感染・流行を防ぐには ?

  風邪やインフルエンザを予防するに は、以下の事柄に気を付けたい。

①免疫を高め、抵抗力をつける。

  日ごろから、栄養に気を付け、睡眠や 休息を十分に取る。
 
 喫煙も、百害あって一利無しなので、 やめる。
 
 免疫力増強に効くビタミンは、緑黄色野 菜やウナギ、レバーなどに多く含まれてい るビタミンAと、イチゴ、ミカン、トマト などに多く含まれているビタミンC。緑黄 色野菜は脂溶性なので、油を使って調理す ると体に取り込みやすい。

 また、タマネギやニンニク、ショウガ なども免疫力を高める効果がある。

②人ごみに行かない

  特に流行っている時は、人が多く集ま る所には必要がない限り出かけないよう にしたい。

 どうしても人ごみの中に行かなくては ならない場合は、マスクをかけて出かけ るのが効果的だが、オーストラリアには マスクをする習慣がないので、マスクを して外出するには勇気がいるかもしれな い。

 ただし2年ほど前、インフルエンザが流 行し死亡者が出た時は、数は少ないが、 オーストラリア人の中にもマスクをして いる人がいた。マスクは薬局で買える が、日本で買えるような高性能のものは ない。

  日本では、よく「うがいをするよう に」と言うが、外出中にウイルスがのど から既に体内に入ってしまっている可能 性があるからか、欧米やオーストラリア では、日本ほど実行されていない。

 しかし薬局に行けば、うがい薬を買う ことはできる。うがい薬は、濃縮タイプ で自分で薄めて使うものと、既に薄めて あり、そのまま使えるものとがある。う がいはのどに湿度を与えるという点で、 風邪やインフルエンザの予防に効果があ る、という人もいる。

③手を洗う

  QLD州の作成したリーフレットによる と、感染症の8割は手が感染経路になって いるといい、手を洗うことは風邪やイン フルエンザだけでなく、そのほかの病気 の予防にもなる。

  洗い方としては、流水と石けんを使 い、少なくとも20秒かけて洗おう。特に 食前や顔を触る前に実行したい。石けん や水がない所では、アルコール系の消毒 液で手を拭うことで細菌やウィルスを殺 すことができる。しかし、この方法は手 が泥などで汚れている場合にはあまり効 果的ではない。

 せきをする場合には、手ではなく腕で 口を覆うことで、手からウイルスが広が るのを防ぐことができるが、もし手で 覆った場合は、せきをした後すぐ手を洗 うこと。

 また鼻をかんだ後のティッシュはその 場ですぐ捨て、すぐに手を洗うことで、 ウイルスがほかの人に広がるのを防ぐ。

 机の表面や電話、コンピュータのキー ボード、ドアの取っ手を介してウイルス が広まることも多いため、拭き掃除用の 消毒液などを使って消毒することで、感染を予防できる。

④予防接種を受ける

 インフルエンザに関しては、予防接種 を受けることで、成人の発症を7割から 9割防ぐことができるとされている。ま た、発症したとしても重症化を防ぎ、高 齢者の場合は死亡を減らすことができる ため、オーストラリア医師会では、イン フルエンザの予防接種を薦めている。

  特にハイリスクの高齢者、肺や心臓に 疾患のある人、妊婦、小さな子どもには 効果的な予防法だ。接種はGPで受けるこ とができる。 予防接種に反応する人もいるので、ア レルギーのある人や常服薬のある人、免 疫疾患のある人は医師に伝えること。

監修 Dr. Robert Goldsmith サーファーズ・パラダイスの日本語医療センター (International Medical Centre) でディレクターを務める。 同センターは開業12年で、専門医や病院とも幅広いネット ワークがある。日本語を話すスタッフも常勤している。

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