健康づくりに役立つ情報 「食育」

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健康生活応援団

オーストラリアでヘルシー・ライフ

 今回から3回にわたり、皆さんが健康について、今一度、考え直すきっかけになることを切に願い、生涯を通しての健康づくりに役立つ情報をお届けします。さて、日本では国民の健康づくりのために何が起こっていて、どのような方向性が示されているのでしょうか。今回は国策である「食育」を取り上げます。


日本における「食育」とは
 日本が開催国となった昨年の国際栄養士会議に参加した際に、「Shokuiku」という形で日本独自の食育の理念や取組を発表し、世界中の栄養士と栄養学者の間で大きな話題となりました。日本はこの「食育」の緊要性をどのように捉え、そしてなぜ今、「食育」なのでしょうか。
 食育基本法などの関連資料から抜粋すると、
 “近年、健全な食生活が失われつつあり、我が国の「食」をめぐる現状は危機的な状況にある。その背景には、栄養の偏りや食習慣の乱れに伴う肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などのさまざまな問題が生じている。心身の健康を培い、生涯にわたって生き生きと暮らすためには、何よりも「食」が重要である。
 「食育」は、国民1人ひとりがあらゆる世代にわたり、「食」に関する知識や適切な選択力を習得し、それを実践できる人間を育てることを目指す。
 推進に当たっては、単なる食生活の改善にとどまらず、「自然の恩恵や食に関する感謝の念と理解を深めること」や、「伝統ある優れた食文化の継承」などが求められる。今こそ、子どもたちをはじめ、すべての国民が主役となり、家庭、学校、保育所、地域等を中心に「国民運動」とした食育の推進に取り組んでいくことが課題である”

 と、このような概要になっており、日本型食生活や食育の推進を呼びかけています。
海外生活だからこそ意識したい 3つのポイント
 この施策では、重要な3つのことを私たちに投げかけていると私は感じています。
 まず、「伝統的な日本食への回帰を図ること」です。世界に誇る長寿食。それは、幾年をも経て育まれ、先人により受け継がれてきた「健やかに生きる知恵」と言えます。これをないがしろにしてきてはいないでしょうか。日本に住む人たちでさえ、国を挙げて“食の再構築”を試みています。日本を離れ暮らす人にとっては、食環境も大きく異なるため、「食」についてより敏感になり、もっと気を遣う必要があります。食材を取りそろえにくい場合もありますが、米を中心とした日本型の食事スタイルや食生活を送ることは可能です。
 次に、「知識を得て、適切な判断力を身に着けること」です。重要なことは、「自分の口に入れるものは、自分でしっかり把握する」ということ。その栄養により、心身ともに健康が左右されます。私自身、日本とオーストラリアで、今まで何千人もの方々の栄養指導をしてきましたが、その大半は「教えること」です。具体的には、どれほどの食事量が自分にちょうどいいのか、食材はどのように選べばいいのか、何が不足しがちなのかなど、自分にとっての必要な知識を高めてもらうことに多くの時間を費やしています。そして、お子さんのいる家庭は親がお手本です。家庭内での積み重ねが、子どもの将来の健康にも大きく関わります。
 最後に、「自分の健康は自分で守る。子どもの健康は親が守る」。ごく当たり前のことに聞こえますが、毎日、きちんと食事を作っていますか ? 忙しさのあまりテイクアウェイですませたり、つい外食をしていませんか ? そのような食事は塩分や脂質が多過ぎる傾向にあります。また一般的に、菓子や飲料など味の濃いものや甘さの強い食べ物の常習は、生活習慣病を招く要因になります。人任せにせず、今以上に「自分の食べるものは、なるべく自分で作ること」が大切です。
しっかり学んで「食育」の実践を
 私自身のカウンセリングは、個人、家庭の健康管理をする主婦の方を対象とし、さらに「食育」の面を強化しています。
 「しっかり学んで実践してもらう」という一栄養士を育てる姿勢で、支援していますので、日本における健康や栄養に関する文献、保健所や栄養士学会などの資料を知りたい方は、いつでもご連絡ください。さまざまな「食」に関する情報が氾濫する中、確かな情報を提供するとともに、「健康増進」の普及・啓発を展開していきたいと思います。
 皆さんの健康生活応援します !


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プロフィル 佐古しのぶ
日本で管理栄養士として病院や保育園に勤務後、渡豪。パーソナル・トレーナーの資格を取得し、伝統的日本食の紹介や栄養コンサルティングを展開。現在はシドニーの「Cook and Phillip Fitness Centre」に勤め、食事と運動の両面から健康作りのサポートを行う。
Web: www.cookandphillip.org.au
Email: shinobusako@gmail.com

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