第21回 うつ病

気になる!女性のからだと健康 

気になる ! 女性のからだと健康

第21回 うつ病

 日本とは違う生活環境、ホスト・ファミリーや学校の先生・友人と英語でのコミュニケーションや勉強など、環境の変化やストレス要因から海外でうつ病を発症する患者さんは少なくありません。  憂うつ、悲しい、落ち込む、物事に関して興味がない、食欲がないあるいは増進する、眠れないあるいは常に眠ってしまう、疲労感、集中力の低下、死や自殺について考える、頭痛や頭重感、微熱、めまい、息苦しいなど精神的な症状から、胃痛、便秘など身体的症状までさまざまです。発症のメカニズムは脳内の神経伝達物質の機能不調だといわれています。
 初めから心療内科に行く必要はありません。まずGP(一般医)を受診しましょう。ドクターに症状を伝え、問診を受けた後、まれに鉄欠乏や甲状腺機能の異常がその原因となっていることもあるため、たいていは血液検査をします。その結果、血液検査で異常がなければうつ病の治療を相談していきます。
 うつ病の治療で大切なことは、心のストレスを取り除き、できるだけ自分を休養させてあげることです。ストレス要因が学校の勉強や仕事であれば、休学や休職を申請する。ホスト・ファミリーやシェア・メイトとのトラブルであれば別の住居を探す。英語環境での生活自体がストレスであれば日本に一時帰国する。など可能な限りストレス要因を取り除きましょう。ごく軽症のうつ病はそれだけでも状態が良くなることがあります。
 しかし、さらに症状が続くような比較的重度の場合は、ドクターから抗うつ剤の服用が薦められることがあります。抗うつ剤は毎日定期的に服用すると、開始して3〜4週間後から効果が出てくると言われます。効果が出てくると、気分の落ち込みがなくなって体調が良くなってきますが気分が良くなったからといってすぐに中止せず、いったん服用を開始したら最低6ヶ月は続けることをお薦めます。薬に中毒性はないので長期服用に関して心配は不要です。
 別の治療法として心理カウンセリングを受ける方法もあります。自分の心をさらけ出すことに慣れない日本人患者さんにとっては抵抗感がある人もいるようですが、日本人カウンセラーもVIC州にはいるので試してみる価値は大です。
 うつ病は“心の風邪”。5人に1人がかかっていると言われるほど身近な心の病気です。調子が悪いと思ったら、オーストラリアでの生活を楽しみ、実りあるものにするため1人で悩まず、ドクターに相談しましょう。


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●千綿真美(ちわた・まみ)
日本語医療センター

約10年間の日本での看護師勤務の後、渡豪。
日本語医療センター・メルボルンで医療通訳兼オフィス・マネジャーとして4年勤めた後、現在はパースをベースにメルボルン、パースの医療センターの総合経営マネジメントを務める

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