ヒザのお皿が外れそう!(後編)

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第46回  ヒザのお皿が外れそう!(後編)

先月号に引き続き、今月号でも膝の違和感を解消するための運動方法をご紹介いたします。寒い季節ですが、お家の中で気軽に行えますので、ぜひ今日からやってみてください。

骨盤周辺の筋肉をほぐす!

骨盤周辺の股関節屈筋には、太ももの外側側面を通り膝のお皿に接続している大腿筋膜張筋/腸脛靱帯(TFL/ITB)があります。この筋肉と腱は、歩行時や着座時に収縮します。寒くなり動く量や頻度が低下すると、ここの硬直がさらに悪化します。TFL/ITBが硬直すると膝頭を外側に引っ張る力が強まるため痛みを生じさせます。そこでTFL/ITBの硬直をほぐすことにより、膝のお皿にかかる引っ張りを緩和させることができます。TFL/ITBをストレッチで効果的に伸ばすことは難しいのですが、ローラーを使うと、自分の体重で割と上手くほぐすことができます。ローラーの上に横になって乗り、特に痛みを感じる箇所を中心にほぐします。ローラーはスポーツ・ショップや大手小売店などで購入できます。

TFL/ITBをほぐそう!

1:ローラーを用意し、痛い足を下面にしてローラーが骨盤側面(ショート・パンツのポケット辺り)に当たるように横になる。

2:下側の肘を立て、上半身を起こす。

3:下側の足はまっすぐ伸ばし、反対側のヒザを曲げて下側の膝の前に置き、バランスを保つ。

4:患部をローラーに当て、上下に転がしたり、身体を前後に回転させて、痛みを感じる箇所を見付け、そこで30~60秒間維持する。痛みが強い時は、小刻みに動き痛みを散らしながらほぐす。30~60秒間経って、まだ痛みが残っていたとしても、その後はほかに痛みのある部位を探して、次の箇所をほぐす。

5:1~4を2~3カ所繰り返したら、今度はももの外側側面をヒザの方向に下りて行き、痛みのある場所を1~4の手順でほぐす。

先月7月号で紹介したVMOが弱くて痛みが出ているのか、今回ご紹介したTFL/ITBの硬直が原因なのかそれとも両方なのかはフィジオセラピストの診察を受けて診断してもらうことができます。適切な指示の下でこれらの運動法を行うことにより、効率的に、そして効果的に改善することができるでしょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

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