ヒジを伸ばそう!

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第49回 ヒジを伸ばそう!

最近、最後にヒジを思いきりまっすぐに伸ばしたのはいつですか?携帯電話にキーボード、現代を生きる私たちは、いつも手のひらを下にし、ヒジを曲げながら過ごしていませんか。

ヒジの最も基本的な動作は、食べ物を口まで運ぶための屈伸運動です。そして手のひらは、本来上を向いているようにデザインされています。ヒジをまっすぐ伸ばした時を0度とし、指先が口元に届くように最大に曲げた角度が145〜150度といわれています。しかし、普段の生活ではこの関節の可動域を最大限に使っていることはほとんどありません。そのため、ヒジが固まってきて、年齢を重ねるにつれ曲がりづらくなり、また、ヒジをまっすぐに伸ばせなくなる人もいるのです。

パソコンや携帯電話を操作している時、ヒジはいつも曲がり、手のひらも下を向いています。そうなると、仰向けに寝ている時でさえ、ヒジを曲げて胸の辺りに手を置いて寝るのが心地良くなってきます。それは、普段からヒジをいつも曲げて過ごしているので、硬くなってきている関節と筋肉をまっすぐに伸ばすことで感じる違和感を緩めようとするためです。

自分で確認! テスト
1. 手のひらを前に向けてヒジを伸ばして身体の横に付ける
2. ヒジをまっすぐ伸ばしたまま、肩の高さまで両腕を上げる
3. ヒジがまっすぐに伸びているか確認する
4. 今度は手のひらを後ろに向けて、1〜3を行い、確認する

どうでしたか?手のひらを上にした時も下にした時も、ヒジはまっすぐに伸びていましたか?それとも曲がっていましたか?また、手のひらを下にしている時は特に何も感じないのに、手のひらを上に向けてヒジを伸ばしている時は、なんだかピリピリとストレッチが効いているように感じましたか?

ヒジがまっすぐに伸びないからといって、今すぐ日常生活に支障が出ることはあまりありません。しかし、今後ヒジの曲がりがますます進行し、伸ばそうとすると痛みが生じるようになることもあります。テニスやゴルフなど、特に上腕を使う運動をする方は、肩関節や首にも負担をかけています。意識してヒジを伸ばすストレッチを行うことで、きっとさまざまなパフォーマンスの向上にもつながるでしょう。

普段から身体をフルスペックで活用できるようにメンテナンスすることは、ケガの予防にもつながります。将来にわたって健康的に過ごすために、痛みがない状態でも一度、自分の体をいろいろ点検してみてください。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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