ランニングの前に

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!


第50回 ランニングの前に

今月はいよいよ師走です。多くの方が新年の抱負に、健康のためランニングやジョギングを始めようと考えているのではないでしょうか。意気揚々と始めたものの、最初から飛ばしすぎてけがをしてしまっては、せっかくのやる気もしぼんでしまいますよね。そうならないために、簡単な2つのテストをして、体を整えてから臨んでみてください!

ランニングのけがの中で最も多いのが、ふくらはぎの肉離れとひざの痛みです。次のテストは、それぞれふくらはぎとひざ関節周辺の筋力・安定性をチェックする方法です。テストがそのままトレーニングにもなるので、問題があればそのまま筋肉を鍛えていきましょう!

A.25回片足かかと上げ

まずは、ふくらはぎです。シューズを着用し壁際に立ち、両手を壁に沿わせ(体重はかけない!)、バランスを取りながら、ひざを曲げてひざから下の足を後方に上げます。片足連続だとかかとが十分上がらない人は、両足交互にやりましょう。一番上げた状態で20秒止まれるようになったら、各足10回×3セット、そして15回×3セットと回数を増やします。20回×3セットができるようになったら、次は片足連続で行います。開始から6週間程かけて、10回×3セット、15回×3セット、20回×3セットと徐々に回数を増やしていくことが安全にトレーニングを行うコツです。成人女性で23〜25回、成人男性で25〜30回出来ると、ふくらはぎのけがの確率が格段に下がります。

B.まっすぐ片足スクワット

全身が見える鏡の前に立ち、片足でスクワットをします。ここで注意するのはひざ頭の動きです。まず、まっすぐに立ち、両手は骨盤に当て、片足を軽く浮かします。立っている側のひざを20〜30度曲げます。この時、回数よりも、股関節、ひざ頭、つま先の人差し指がいつも直線上にあることが重要です。下半身の筋力の低下や、強度のこわばりがあると、片足でスクワットした際、ひざ頭が内側に入り込んだり、股関節が外側に傾いたりしてしまいます。これではランニング中に効果的に体重移動ができず、関節に負荷をかけ過ぎ、ケガにつながりかねません。股関節、ひざ頭、足の人差し指の3点を直線に保ったままの片足スクワットができない方は、ランニングを始める前にフィジオセラピストの診察を受けることをお勧めします。

筋肉を活性化するトレーニングをして、硬くなった筋肉や腱をほぐす治療を受けることで、ランニングをしてもけがをしない体を作りましょう!


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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