フィジオセラピストに聞こう!/10代の前ひざの痛み

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!


第69回 10代の前ひざの痛み

オーバー・ユースに由来するけがの3回目は「オスグッド・シュラッター症候群」(通称オスグッド)をご紹介します。これは、ランニングやジャンプ、スクワットをたくさん行うスポーツ(サッカー、バスケットボールなど)をする成長期(8~15歳)に発症しやすい前ひざの痛みです。

参照:Essential Anatomy 5
参照:Essential Anatomy 5

オスグッドは、ひざのお皿からすねに伸びている腱が接合部で炎症(骨端炎)が起きることで生じます。女子では8~13歳、男子では12~15歳ごろに高い頻度で発症します。また、男子の方が発症率が高く、それは男子の成長期が女子よりも数年遅く12~15歳となり、この年頃はスポーツの練習量も強度も増しているためだと考えられます。

スポーツに一生懸命のあまり、いつの間にか発症することが多く、前ひざの下部分がプクっと腫れ、触ると痛みがあります。治療しないからといって疲労骨折などの症状へ悪化することはありません。しかし痛みが強いため、自分のベスト・パフォーマンスを行えなくなります。また、成長期が過ぎると痛みは自然に落ち着きます。

オスグッドは、痛みのある時期に運動量と痛みを賢く管理し、オーバー・ユースを避けながら社会生活をいかに楽しむかが鍵となります。以下に、オスグッドによる痛みの対処法の目安を記します。

① スポーツを幾つも同時期に行っている場合は、優先順位を付けて運動量を抑えて管理し、痛みの出ない適量を見つける

② 太ももと、もも裏の筋力は2:1が最適ですが、筋肉バランスが崩れている場合は、太もも、もも裏、そしてふくらはぎの筋肉をストレッチやマッサージでほぐし、筋肉のバランスを整える。

③ 筋肉バランスを整える筋トレを行う。

④ 局所が腫れて熱を持っている場合は、アイス・マッサージを5~10分行う。

⑤ テーピング、サポーターやインソールを用いてフォームを整え、パフォーマンス環境を整える。

オスグッドは成長期の数年間、運動量に比例して断続的に生じる慢性疾患です。成長期の多感な時期に痛みを感じながらも、学校のクラスメートや、スポーツ・チームのチームメートと同じように生活していかなければならないという、プレッシャーとストレスがあります。そばにいる家族はその状況に理解を示し、必要なサポートをしてあげましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る