フィジオセラピストに聞こう!/かかとの痛み-シーバー病

”フィジオセラピストに聞こう!体の痛み改善法”

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!


第70回 かかとの痛み-シーバー病

オーバーユースによる体の痛み4回目は、「シーバー病」(踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう))をご紹介します。先月号に引き続き、成長期に発症する痛みの1つで、かかとに出る痛みです。

痛みの出やすい年齢

女子が8~13歳、男子が10~15歳の成長期に発症しやすく、運動量の過多に応じて最長2年ほど痛みが断続的に続きます。その中でも発症率が高い時期は女子が8~10歳、男子は10~12歳の間で、走ったり跳んだりするスポーツを行っている子どもによく見られます。また、運動量の多い複数のスポーツを同時期に行っている場合は、特に起こりやすくなります。

原因と症状

参照:Essential Anatomy 5
参照:Essential Anatomy 5

成長期にはアキレス腱とふくらはぎという軟部組織よりも、すねの骨やかかとの骨が急成長するため、アキレス腱やふくらはぎの筋肉が張りやすい状態になっています。この状態で、走ったり飛び跳ねる動作を繰り返すことで、成長途中の骨とアキレス腱の接合部分にある、軟骨で形成された成長板に負荷が掛かり炎症を起こします。

この炎症が起こると、かかとが少し腫れて熱を持ち、足に荷重を掛ける度に痛みが出ます。特に朝ベッドから起き上がり歩き始める時や、座った状態から立ち上がり歩き始める時、長距離歩行の最中などに痛みが顕著に現れます。

状況に応じた痛みの対処法

シーバー病も、ひざのオスグッド・シュラッター症候群(17年7月号掲載)と同様に、疲労骨折などの深刻な症状に至ることはありません。運動量を管理して賢く痛みをコントロールしましょう。

オーバーユースの場合は、優先順位を決めて、痛みが出ない程度の運動量まで減らしましょう。

急性の強い痛みが出ている場合、かかとの熱や腫れが収まるまでの1~2週間は走ったり跳んだりという運動は完全に休止しましょう。その間は、プールなどの足に負荷が掛かりにくい運動を適度に行い、痛みが治まった時に運動をスムーズに再開出来るように準備します(アクティブ・レスト)。

また、成長期のふくらはぎは硬くなりやすいため、マッサージで筋肉をほぐすことも効果的です。そして、ランニングやジャンプをチェックし、フォームを整えるために必要な筋力の強化と、関節の可動域を広げることで再発を予防しましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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