フィジオセラピストに聞こう!/育児中の手首や腕の痛み

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第76回 育児中の手首や腕の痛み

子育て中の皆様、毎日本当にお疲れ様です。お子さんが生まれてから数えきれない程に抱っこをされていると思います。あやしたり、授乳したり、これまで経験したことがないくらいの時間と頻度で上腕、手首、手全体を酷使されているでしょう。

子育て中に腱鞘炎になる方やひじの痛みを訴える方はとても多いです。とはいっても、育児が大変で自分のことは後回しにしているのが現状ではないでしょうか。

そこで、ちょっとしたポイントを心掛けて痛みやけがのない、子育てを楽しんでください。以下に手首・腕の痛みを防ぐ予防のポイントをご紹介します。

予防のポイント

【上半身】

手首に掛かる負担を軽減するためには上半身の姿勢を正しく保つことが大切です。肩甲骨は軽く引き、肩は耳の穴の下にくるように意識しましょう。

【ひじ】

ひじを長時間曲げているとひじの内側の神経が圧迫され、また、血流も低下するため痺れてしまいます。ひじを曲げた状態が続くようであれば、10分以内に一度ひじを真っすぐに伸ばし、手首を軽くストレッチしましょう。また、脇を締め、ひじが外に開かないようにしましょう。

【手首】

手首はたくさんの腱、筋肉、神経そして血管が指先につながる通過点です。また、手首は複雑な動きができるため、知らないうちに酷使してしまいがちです。特に手首を深く折り曲げ、赤ちゃんを包み込むように抱っこすると、手首への負担は大きくなります。手首を曲げた状態が長く続くと柔らかい神経や血管を圧迫してしまい、神経が炎症を起こしジンジンと痺れたり(手根管症候群)、屈伸によって腱を包んでいる腱滑膜が摩擦を受けたり(ド・ケルバン腱滑膜炎)してしまいます。
 手首は可能な限り真っすぐ維持しながら前腕で赤ちゃんを支えるように意識しましょう。

赤ちゃんの体重を支える持ち手は5~10分毎に左右を交代し、両腕を同じように使えるように意識しましょう。赤ちゃんの安全を最優先にしつつ、自分の体に負担が蓄積されないように気を付けましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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