フィジオセラピストに聞こう!/足の親指、反っていませんか?

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第78回 足の親指、反っていませんか?

足の指から見る、下半身機能の低下

悪い例
悪い例
良い例
良い例

いすに座り、片足を前に出してください。その足のひざと足首をピンと伸ばしてから内転させ、更に親指の先にグッと力を入れて曲げることができますか? 自分からその親指の爪が見えないくらい力強くつま先をグッと握りしめることができた方は、十分な脚力を維持できていると言えます。しかし、「あまり強くつま先に力を入れられない」「親指の爪が見える」「足がつりそうだ」という方は脚力が十分ではなく、将来的に転倒しやすい傾向にあるので、今から筋力アップに励みましょう!

先程のテストは、TP(後部脛骨筋(こうぶけいこつきん))とFHL(長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん))と言う、土踏まずをサポートしている筋肉の強度を調べるものでした。土踏まずは歩行時に地面から伝わるショックを吸収する役割を担っていますが、それはTPやFHLなどの筋肉が行っています。しかし、現代の靴を履いた生活では、靴底が足の指の役割を担ってしまい、足先の力はどんどん低下してきています。

本来、裸足の状態で歩行や重たい物を持ち上げる時には、親指が地面を捉え、強く押すことができます。しかし、運動不足や長時間靴を履いていることによりTPとFHLの機能が低下し、弱くなると土踏まずで体重を支えきれなくなります。すると、土踏まずは低くなり平たくなってしまいます(扁平足)。TPとFHLが弱くなるとスムーズに歩けなかったり、足が疲れやすく、むくみやすくなります。また、ひざ関節、股関節に掛かる負担なども増えます。

最初にご紹介した脚力テストは、テストであると同時にTPとFHLの強化トレーニングの方法でもあります。利き足は大丈夫だが、もう片方は弱いと感じる皆さん、転倒予防には両足とも同等程度の脚力が必要です。テレビを見ながらやコンピューターをしながらでもできる簡単なエクササイズですので、こまめにたくさん行い、転倒しない体作りをしていきましょう。


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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