フィジオセラピストに聞こう!/糖尿病と運動療法

フィジオセラピストに聞こう 体の痛み改善法

▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

第79回 糖尿病と運動療法

糖尿病にとって、運動療法(エクササイズ)は食事療法と並ぶ治療の2大柱です。エクササイズすることで以下の4つの効果が期待できます。

  1. 1. 血糖値を下げる。
  2. 2. 体重が減る。
  3. 3. 血液の循環を良くする。
  4. 4.(最重要!)インスリンが効きやすい体になる。

運動開始当初は、効果がすぐに数値に反映されることはありませんが、運動を継続することで確実に改善されていきます。大切なのは継続できる、好きな運動を幾つか見つけ、それらを行うことです。しかし、糖尿病の状態によっては(合併症などにより)、運動制限や運動指導士の監視が必要な人もいます。まずは、運動しても良い状態かGP(General Practitioner=総合診療医)と相談してください。

どんなエクササイズが有効か?

スポーツ医学の世界的権威機関である「American College of Sports Medicine」によれば、有酸素運動と筋トレを両方行うことで、糖尿病予備軍や糖尿病患者に上記の4つの効果をもたらすと言われています。そして一度運動すると、4つの効果は2時間から最長で3日間持続されます。よって、2~3日おきにエクササイズし、運動を長期的に継続することが大切です。

有酸素運動では体全体の筋肉を使い、「ややきつい」から「きつい」と感じる有酸素運動を1回20~50分、週3回行い、1週間で合計1,000キロ・カロリー消費することを目指します。ウォーキング、自転車、水泳、軽いジョギング、ラジオ体操などから幾つか続けられる運動を選ぶと良いでしょう。

筋トレでは、体の大きな筋肉(太もも、臀部(でんぶ)、ふくらはぎや上腕、背中の筋肉)を鍛えると良いでしょう。こちらも「ややきつい」から「きつい」と感じる筋トレを週に2~3回行うことが効果的です。ジムなどに通われている場合は、有酸素運動と筋トレを同じセッション内で行っても構いません。

エクササイズで気を付けることは?

飲み薬(血糖降下薬)やインスリン療法などの薬物療法を行っている人は、エクササイズの最中に低血糖になる可能性があるためGPに確認しておくことが大切です。また、ジュースやキャンディーなど速やかに糖分補給できる物を常時携行しましょう。そして、食後3時間以内にエクササイズを行うようにすると良いでしょう。

糖尿病の治療、管理には毎日の全運動時間を増やすことが大切です。隙間時間を活用してできるだけ動くように心掛けましょう。その一歩が明日の健康につながります!


奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)
シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
Web: www.metrophysiotherapy.com.au

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