脛(すね)の痛み−シン・スプリント

フィジオ セラピスト に聞こう

体の痛み改善法


脛(すね)の痛み−シン・スプリント


▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

だんだん寒くなってきましたね。冬はマラソンの季節ということで、最近ランニングを始めた方も多いのではないでしょうか?ランニングで誘発されやすいケガの1つに脛の内側の痛み、通称シン・スプリントがあります。ランニングを始めたばかりの時、距離や頻度を増やした時などによく起こります。脛の内側、くるぶしの上10センチから脛の一番太いところの間で発症しやすいようです。初期のころは、ランニングを始めた時や走り終わった時にのみ痛みを感じるので、運動を継続する方が多くいらっしゃいます。症状が悪化してくると、ランニングの最中、直後または翌朝起きた直後にズキンズキンとする鈍痛が出てきます。患部がとても敏感になったり、ゴリゴリと小さなコブが脛の内側に沿ってできているように感じたりもします。

これは脛の骨と筋肉をつないでいる骨膜が、ランニングによる荷重により炎症を起こしてしまうためです。発症要因として、ふくらはぎの柔軟性の不足、下半身の筋力不足によるショック吸収力の低下、急激なランニング量の増加、合わない、または古くなったシューズの使用、過度の扁平足などが挙げられます。また、この痛みを我慢して無理をしてしまうと脛の疲労骨折につながることもあり、回復にさらなる時間がかかってしまうこともあります。ですので、特に最近マラソンを始めた方で痛みがある方は、運動不足からくる痛みだと考え我慢するのではなく、早めにフィジオセラピーで受診するようにしましょう。


治療方法として、ふくらはぎの柔軟性不足にはマッサージや鍼で筋肉の硬直をほぐしていきます。自宅ではふくらはぎや太腿のストレッチを入念に行ってもらいます。治療中は、ランニングの頻度や距離を調整し悪化を防ぐとともに、スイミング、水中ランニングや、エアロバイクを行い、脚を休めながらも体調を管理し続けることで、ランニング再開時に再発しにくい体づくりを目指します。症状が進行している場合は一時的にランニングを4〜6週間ストップすることもあります。過度の偏平足が見られる時はテーピングをしたり、インソールを処方して、偏平足から来る脛の内側への負担を軽減することも効果的です。痛みが改善してくると、筋力強化のために下肢の筋トレを行い始めます。健康を維持するためのランニング、ケガなく楽しんで継続していきましょう。


 

奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。

 

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