ぎっくり首

フィジオ セラピスト に聞こう

体の痛み改善法


第39回:ぎっくり首


▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

普段はオフィスでデスク・ワークをこなし、週末になると家事や身体を休めるために時間を費やし、運動の習慣は無し。つい先日、このような日々を過ごしていた友人が運動を始めようと思い立ち、準備運動にジャンプをしました。3回跳んだ後、「あっ!」と叫ぶと痛みで血圧が下がり、顔はみるみる蒼白になっていきます。いったい何が起こったのでしょう?

そのまま首を押さえ、動けなくなった彼。いわゆる“ぎっくり首”になっていました。ジャンプによるケガと聞くと足のケガを想像することが多いですが、首をケガされる人もかなり多いのです。

ジャンプの着地の時には身体のさまざまな筋肉や関節に衝撃がかかります。今回は、普段の崩れた姿勢のせいで首の筋肉が弱っているところへジャンプの着地時に頭(5〜6キログラム)の重さの衝撃が加わり、首の筋肉の肉離れ、関節の圧迫により炎症が起きてしまったのです。

 

すぐに治療を開始することが早期回復のカギ

最初の2〜3日はとても痛みが強く、首をほとんど動かすこともできない場合もあります。この間は安静にし、患部を暖めたり(逆に熱を持っている場合は5〜10分単位で冷やし)消炎剤や痛み止めを服用して痛みを軽減させます。同時に、痛みが許す範囲で首を動かすことが早期回復の鍵になります。

タオルを首回りに巻くだけでも、緊張した筋肉が安心し、動きやすくなるので有効です。

痛みがある最初の数日間に治療を開始することで、3〜4日目には80〜90パーセントまで回復することができます。当初の筋肉の痙攣が治まり、痛みも落ち着いてくると、次は患部や周辺筋肉の強張りが気になり始めます。これは患部の筋肉の動きを周辺部が補おうとするために起こります。この強張りを関節のモビライゼーション、マッサージ、ドライ・ニードリングなどで緩和し、回復を促進します。

痛みが治まった後、首周辺の筋肉を強化するためのトレーニングを行うことで再発予防に繋がります。

極端なケースでは、くしゃみが引き金になることもあります。ぎっくり首になったことがある人は首回りの筋肉がかなり弱っている証拠です。既に痛みがなくても、今後のためにもしっかりとリハビリを行い、再発しない身体作りを行いましょう。


 

奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

 

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