運動と認知症

フィジオ セラピスト に聞こう

体の痛み改善法


第40回 運動と認知症


▶▶▶フィジオセラピストは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医を紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

明けましておめでとうございます。2015年もどうぞよろしくお願いいたします。今年もみなさんが健康に過ごされますように。但し、ケガをされたり痛みを感じた際は我慢せずに早めに受診してくださいね(笑)。

 

運動が認知症予防に効果的

「ぴんぴんころり」が理想の逝き方だと言われています。生きている間は健康で質の高い人生を過ごし、ある日苦しまずに亡くなることをさす言葉です。この健康である状態とは、身体はもちろん、意識を自己でコントロールするために脳機能の健全性、更には精神的な充足感も含まれていると思います。

運動を行なうことでエンドルフィンが分泌され、気分が良くなることは既に広く知られています。近年の研究では、普段から運動をすることが認知症予防、特にアルツハイマー症で集中力の改善・維持に効果があると科学的に証明され、報告されました。

カナダ全土で行なわれた大規模な研究では、65歳以上の方に週3回、早歩きやサイクリングなどの有酸素運動を30分してもらい5年間追跡調査をした結果、運動をしたグループが認知症になる割合は運動をしなかったグループに比べて32パーセント低かったとの結果が報告されました。そのほか千名を越える規模のアメリカやヨーロッパの研究では5割減という結果も発表されています。脳トレなどの頭の体操と併せて有酸素運動、特に持久力を向上させる運動に取り組めば、認知症予防の効果はさらに高まると言われています。

そのほか、認知症予防の効果的な要素として、①果物と野菜の多いバランスの取れた食生活、②喫煙しない、③メタボリック症候群にならない、④社会交流を維持する、⑤うつ病は早期に治療する、⑥2型糖尿病、高血圧、高脂血症の場合は早期治療、などが挙げられます。

 

USE IT, OR LOSE IT

英語の諺に、「使わないとダメになる」という意味の“Use it, or Lose it”というのがあります。身体も頭も使わなければ退化していきます。3日坊主になってもいいのです。3日坊主も繰り返せば継続したことと同じですから、あまり厳しく考えすぎないで徐々に自分の生活リズムの中に運動を取り入れ、趣味の一環として楽しみながら健康維持をしていきましょう!


 

奥谷匡弘(おくたに・ただひろ)

シドニー大学理学療法学科卒業後、西オーストラリア大学で理学療法修士号取得。ダーリングハーストのセント・ヴィンセント病院で5年間勤務し、プライベート・クリニックでは財界の著名人などの治療に多く携わる。オーストラリア・フィジオセラピー協会公認筋骨格系理学療法士。
www.metrophysiotherapy.com.au

 

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