高血圧症の予防

ドクター印藤の「ここがツボ」

第31回 高血圧症の予防

日本や豪州など先進諸国は、超高齢化社会に入りました。約80年の人生を心身ともに健康で過ごすことが求められています。しかし、現実には健康的な人生の指標となる健康寿命は、平均寿命に比べて各国とも4~5年ほど短いのです。大変残念ですが大多数の人は、人生最後の数年間を何らかの病気が原因となって寝たきり状態で過ごしていると、統計上明らかになっています。

寝たきりになる最も大きな原因の1つに、脳卒中、脳出血や脳梗塞があります。身体機能をつかさどる脳の血管が動脈硬化により破れたり詰まったりして、栄養供給している脳細胞が死滅し、中枢神経マヒから半身不随や寝たきりへと移行してしまうのです。メンタル・ストレスや糖尿病、塩分や動物性脂肪の過剰摂取また遺伝素因などによって血管の内壁が老化し、高血症を進行させることが原因とされます。脳や心臓の血管病は、自覚症状の少ない病(サイレント・キラー)であるだけに、日ごろのセルフ・ケアは非常に重要なものとなります。

WHOでの正常値は近年是正され、収縮期血圧140・拡張期血圧90未満を正常(単位はミリ水銀柱)、それ以上は高血圧となりました。正常域の中でも至適・正常・正常高値と分類され、至適血圧(120~80)を超えると血管病にかかりやすくなることが世界的な調査で判明しています。

また血圧は、昼間に高く夜間に低いのが普通なのですが、逆に夜間に上昇するタイプ、また下がらないタイプも存在し、そういった人は心筋梗塞や脳卒中、腎不全になりやすいのです。

東洋医学的に血管疾患は、血の病として捉えられ深い病とされます。また中風(脳卒中の発作の後遺症、主に半身不随となる状態)という言葉も元々漢方からきています。そのほか、厥頭痛(のぼせて頭痛がする)、諸風頭眩(風邪によるめまい)など古代から高血圧から来る疾患は多くあったようです。これらから、頭痛頭重の自覚症状を慢性的に持っている人は、高血圧になっている可能性が高く、また、不眠傾向の続く人も注意が必要です。今回は、それらの症状緩和も含めて考慮し、ツボを取りました。

太陽:眉の外端と目尻の中間から約1横指後方の陥凹。
風池:後頚部、後頭骨乳様突起の下方、髪際部の陥凹。
人迎:前頸部、喉頭隆起の外方1.5横指。動脈拍動部。
肩井:鎖骨中央部の凹み(欠盆)から直上し、肩上部を押して固く響く所。
腎兪:肋骨下端線と腰椎(第2-3)の交点より約2横指外方。
曲池:肘を深く曲げて出来た皺(肘窩横紋)の端を探ると骨に触れ、押すと響く所。
足の三里:膝を立て、脛骨の前面外側を指で押し上げてゆき止まる所。強圧すれば響く。
懸鐘(けんしょう):下腿外側、外果(そとくるぶし)の上方3横指。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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