膠原病(こうげんびょう)の症状緩和

ドクター印藤の「ここがツボ」

第52回 膠原病(こうげんびょう)の症状緩和

バクテリアなどを除けば、人を含め全ての動物は多細胞生物です。単細胞生物との違いは、発生から細胞分裂を行い分化というプロセスを経て、細胞組織に分業を行わせ効率的な代謝を行うことを可能にしている点です。そのためには、体勢を維持するための器官や内臓を必要とします。脊椎動物の哺乳類でいえば、①筋肉骨格など構造系②器官内臓など代謝系③神経系及び免疫系のネットワーク機能系に大別されます。

これらは、ただそこにあるだけで体を構成することはできません。組織や内臓器官同士を糊づけて固定し、外へ飛び出さないようにする必要があります。結合組織や繊維などはその役割をするものです。その主成分は、特殊な形に変化したたんぱく質のコラーゲンで構成されています。

普通それらの組織は、自己として認識されていますから、免疫系から異物として排除されることはないのです。しかし何らかの原因で、免疫抗体の異常な活性化がなされ、組織内臓への攻撃を起こすことにより発病します。代表的な病気として挙げられるのは関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、シェーグレン症候群、ベーチェット病など多岐にわたります。

近年これらの難病に対し、病の元になる免疫異常と自律神経系との関係性に注目が集まっています。この両者は、普段の状態では各々独立して機能を営んでいます。ただ、緩やかな影響を双方で与え合っており、それが生体恒常性の維持(ホメオスタシス)になっています。病的状態の時もその影響性のために自律神経症状の悪化(めまい、頭痛、息切れ、動悸、疲労感、血行障害など)を起こすのです。

現代医療では初期において効果を上げますが、病気の長期化につれて薬害に悩むようになります。東洋医療による生体システムの調整は、自律神経などのネットワーク機能の相互安定を図ることに適していますので、症状の安定化にはかなり有効です。睡眠を良く取るように気を付け、心身の安定化を図るために瞑想などのリラクゼーション法も取り入れることが、全身状態の改善につながります。

天柱:後頭部の筋肉(僧帽筋)と頭骨の接合部外側。按じて痛む所。
肩井:鎖骨中央の窪み(缺盆)から直上し、肩上部を按じ痛む所。
膻中:仰臥して左右両乳頭の中間。胸骨部正中。
中脘:へそと胸骨下端との中間。臍の直上4横指。
天枢:へその左右3横指。
関元:へその下約4横指。
腎兪:伏臥位で肋骨下端の線と腰椎(第2、3)の交点より約2横指外側。
血海:膝を伸ばし、膝蓋骨内角の上方約3横指。強圧すれば痛む。
照海:内果の下端より半横指下の凹み。強圧すれば痛む。


印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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