【新連載】ここがツボ─肩こりに効くツボは?

 

肩こり

皆様、お久しぶりです! 連載休止から4年、編集長からの勧めもあり、寄稿を再開することになりました。またどうぞよろしくお願いします。

さて今回は、第1回でも取り上げた「肩こり」です。なんだ、肩こりか…という方も多いと思いますが、意外と奥は深いのですよ。私のクリニックでも肩こりを訴える患者さんは、病気を問わず80%くらいはいらっしゃいます。それというのも肩こりの症状は、汎(はん)適応性症候群*としての可能性が大きいからなのです。

1. 筋肉・骨格など体質的に肩こりを起こしやすい人が、2. ライフ・イベントの変化(例えば肉親・友人など不幸)や不規則労働などにより肉体的、精神的疲労に陥り、3. 加齢などによる身体要因(頚けいつい椎変形、内臓機能)の悪化とともに、4. 交感&副交感神経バランスの乱れの拡大という悪循環をなす、と考えられています。

これを放置しておくと、症状の悪化とともにほかの病気へ転化することもありますから、早め早めのケアがとても重要なのです。

まず、頸を前後左右に傾けてみます。すると伸展される方向によって、痛みが走ったり、逆に凝り感の軽快する方向があります。最も違和感のある方向が強いコリのある所ですから、その付近を探して圧痛など反応の強い所から自己治療するとよいでしょう。

後ろに反応のあるようなら、大抒(だいじょ)、肩外兪(けんがいゆ)、膏肓(こうこう)、天宗(てんそう)、天柱(てんちゅう)、側方にコリが強いなら、肩井(けんせい)、天牖(てんゆう)、斜角(しゃかく)を取り、上半身の調整に四瀆(しとく)をとればさらに効果的です。

コリを自然に解消させてゆくコツは、急がないこと。中ぐらいの圧で痛みを生じない程度が最良です。なお運動不足や栄養欠陥(過剰)も肩こりを生じさせる原因になりますので、環境のチェックも必要です。


*汎適応性症候群:生体が、ストレッサーに晒され続けた時に起きる一連の反応で、ストレッサーの種類にかかわらず共通症状を呈することを言う。警告期、抵抗期、疲はい期の3段階を経過し、肩こりは警告期反応に分類。

 


大抒:頸を左右に回旋し頸最下部を第7頚椎、その下第1、2胸椎間の両傍2横指。
肩外兪:肩甲骨の内側角の骨際。
膏肓:肩甲骨内側骨際の中央付近。
天宗:肩甲骨のほぼ中央で、按じて強く痛む筋中。
天柱:後頭部の筋肉(僧帽筋)と骨の接合部外側。
肩井:鎖骨中央の窪み(欠盆)より直上し、肩上部を按じて固く響く所。
天牖:耳後の丸い骨と筋肉付着部(胸鎖乳突筋)の後方。
斜角:欠盆と肩井の中間で、頸根を強圧すると痛む所。
四瀆:肘頭から約5横指手首方向、橈骨尺骨間の筋間を押して響く所。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。
コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまで。

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