視力の改善

 

第23回 視力の改善

地球に生命が誕生したのは、約38億年前と考えられています。その頃の生物は単細胞の細菌でした。そして約6億年前に脊椎動物の祖先にあたる動物が進化してきました。

最初に発生した眼は、光を感じて興奮する細胞の集まりが頭部付近に集まっていたという単純なものでした。その後、魚類の出現によって生存競争が激しくなり目の構造も急速に進化しました。餌となる生物を見つけたり、捕食者から逃げたりするために、視覚機能の発達は大変有利に働いたと考えられます。実際、マグロや鯛などの眼を人間と比べても、基本的な構造は全く同じなのです。

視覚機能は、大まかに言って眼の光調節をする瞳とレンズ、眼球内部にあって光量と波長を弁別する網膜の視細胞、その情報を電気信号に変換し視覚情報とする神経機能(視神経、視覚野)に分かれます。目に異常を感じる、というのは、この中のいずれかに機能的あるいは器質的問題が出ている証拠です。視覚情報は、外部から受け取る刺激の80パーセント以上を占めると言われるほど重要です。

よく見られる視力低下には、レンズの屈折率が変化しなくなり像を結ばなくなる近視や遠視、レンズの濁りによる白内障などのほか、目の維持調節を行う自律神経系の異常が原因に挙げられます。実は、パソコンのディスプレイを長時間一定の距離のまま見続けるのは、目にとってはかなりの負担になり、慢性疲労からくる視力低下を招きやすくしています。

東洋医学的観点からすると、目は心の窓=心であり、また肝臓胆嚢機能とも関係が深いとされます。実際に眼を凝らして集中するというのは、かなり神経を消耗する作業です。古代の人たちも、眼の重要性は十分に知悉していたと考えられます。

眼の異常に対するツボ治療には、攅竹(さんちく)、太陽、風池、晴明が一般に用いられます。また上半身調整を合谷、肩井、中脘、郄門(げきもん)穴で行います。

栄養欠陥も視力低下の原因となります。ブルーベリーに含まれるアントシアニン、人参やトマトのベータカロチンは、網膜の色素代謝を助けて疲労回復させるので積極的に摂取するといいでしょう。

攅竹:眉毛内端、眉弓内側の陥凹部を押すと痛む所
太陽:眉の外端と目尻の中間から、約1横指の陥凹
風池:後頭部の筋肉(僧帽筋)と頭骨の接合部外側(天柱)の外約1横指。後頭骨下際の凹み
晴明:内眼角(目頭)の内方10分の1横指(約2ミリ)の陥中
合谷:親指と人差し指を開き、骨の接合部前面。押すと良く響く陥凹部
肩井:肩甲上部、乳頭の直上。按じると丸硬いものに触れる所
中脘:胸骨の下端と臍の中間。へその上5横指
郄門:前腕部前面ほぼ中央。腕関節横紋から肘へ向かい約5横指

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

 

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