パーキンソン病

 

第27回 パーキンソン病

21世紀に日本や豪州など先進諸国は、超高齢化社会に入りました。少し前まで人生50年と言われていたものが、80年90年という長い人生を全うしなければならない時代になってきたのです。

日本人の平均寿命は、乳幼児の死亡率が高かった明治時代初めで20歳代でした。その後、栄養状態の向上と衛生環境の改善が、死亡率の劇的な低下に寄与しました。研究の進歩によって、高齢者に必要な栄養素がより正確に分かってきたことも大きいようです。

ともあれ、以前より倍近い長さの人生をどうやって充実させていくかは、非常に重い問題の1つとして個々人に課せられています。いつまでも若々しく健康でありたい、と願うのは自然な感情です。そう思うことによって高齢でも社会活動を続けられる、と言うプラスの面もあります。しかし、この考えを検討してみれば、老い=成熟の過程を拒否している、と言えないでしょうか。

生老病死という言葉があります。人は誰でも年をとると病気がちになり、健康問題を抱えるようになります。また、生まれつきの病気もあります。科学では、これを克服するための新薬や新しい治療を開発してきました。しかし、人の持って生まれた寿命を変えるまでには至っていません。いくら見かけを若く見せることができても、中身は徐々に老化してゆくのです。

パーキンソン病は65歳以上で約1パーセント、80歳以上で約10パーセントの割合で発症し、中枢神経に進行性変性の起きる病気です。最初は安静時の筋肉の震えからはじまり、次第に筋肉の硬直や姿勢不安定などが徐々に進行してゆきます。原因は不明で、遺伝が関係している可能性もあります。現代医療では薬物治療が主体ですが、日常におけるセルフ・ケアは必須です。

日常活動はできるだけ維持し、運動も積極的に行い、転倒を防ぐよう行動の気付きを高める必要があります。図に挙げたツボは、症状の改善ばかりでなく心身機能の調整という役割もあります。人は病という受け入れがたい現実を受け入れ、それによって心の成長を促すこともできるのです。

太衝:足の第1、第2趾(中足骨)間の後端、拍動を触れる所。
陽陵泉:下腿部外側、腓骨(ひこつ)頭の突起の前下際。
足の三里:膝を立て、脛骨の前面外側を指で押し上げて行き止まる所。強圧すると響く。
内関:前腕部前面、腕関節横紋中央から肘方向へ3横指。
曲池:肘を深く曲げてできた皺(肘窩横紋)の端を探ると骨に触れ、押すと響く所。
翳風:耳垂と後頭骨の乳様突起との間。口を開けると大きく凹み押すと響く所。
膻中(だんちゅう):胸骨正中の凹み、左右両乳頭の間。
中脘:臍と胸骨下端との中間。臍の直上4横指。
天枢:臍の左右3横指。
曲骨:下腹部正中、恥骨結合の上際。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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