下半身の冷えとむくみに効くツボ

第28回 下半身の冷えとむくみ

東洋医学の得意とする領域に、「不定愁訴症候群」があります。不定愁訴とは、頭痛、目まい、食欲不振、易疲労感など不調な感じはあるものの症状は一定しないので、このように呼ばれています。もちろんこの病名は現代医療におけるもので、このような症状の集合でくくるのは、比較的最近のことです。

東洋では昔から、血の病とか於血などと言い、女性には月経などによる血液循環の停滞が起こりやすい、と考えられてきました。女性の約70~80パーセントにあるといわれる、冷えを感じる体質との関連も深いとされます。

現代医学的に、通常このような疲労感や不定愁訴を感じる原因として、自律神経系の失調、ホルモン・バランスの低下、精神的なストレスなどを挙げることができます。

それに対し、体質的診断をすることの多い東洋医学では虚・実証、気血水毒などで分類していきます。虚実にも気の虚実、血の虚実というように分類していきますが、これは虚実×気血水の6種類しかないということではありません。この間には無数の段階が存在しており、それによって体質が決められるわけです。気の変動は、どちらかというとメンタルの要素が強く、血はフィジカルな要素が強い、と言えば少し理解しやすいと思います。水は体内の水分を総称しているもので、気のエネルギーとともに流れるため、気が何らかの原因で損耗してしまった場合、水分が貯留してしまい浮腫となって現れるのです。

気(生命エネルギー)の流れを回復させるには、心身両面に渡る生活習慣の改善が必要です。まず、好んで自ら競争の場に飛び込んだり、また争いに巻き込まれたりして消耗していないかを反省し、日常生活の中に心を落ち着かせる時間を努めて作るようにします。その上で、体が温まって機能調整が上手く行くよう根菜や豆類のスープなどで胃腸を調えていきます。

セルフ・ケア指圧は、気の廻りを増大させるのに最良の方法の1つです。心と身体は分かちがたいものです。これを常に行っていけば、身体を通じて心の気付きが増すことも実感として分かるようになります。

箕門(きもん):足を伸ばし大腿内側、膝蓋骨内上角より8横指上のやや凹む所。
三陰交:内踝(うちくるぶし)の上際から3横指上方。脛骨の後際。
太谿:足内踝の最高部の後縁から約半横指。動脈の拍動を触れる所。
委中:伏臥し足を伸ばし、膝窩の中央、動脈の拍動部。
承山:後下腿部の正中、アキレス腱を下から押し上げ腓腹筋のふくらみの下。
脾兪:第11、12胸椎棘突起間から約2横指外方。腎兪より約3横指上方。
腎兪:伏臥し、肋骨下端線と腰椎(第2、3)の交点より約2横指外方。
関元兪:第5腰椎と仙骨間の外方約2横指。
中極:臍の直下4横指。

印藤裕雄(いんどうひろお)
1991年北里研究所付属東洋医学総合研究所および間中病院東洋医学科を経て開業。2004-08年メルボルンの国立モナシュ大学日本研究センター客員研究員(伝統医療の研究および技術指導)。森ノ宮医療大学講師(東洋医学)。09年茨城県土浦市に、新しい時代ニーズに合った総合的東洋医療を目指し、東洋医療センターを開業。11年から東京での診療活動も開始。日本統合医療学会評議員、全日本鍼灸学会会員など。著書『癒しの芸術と科学‐身体・心・魂の調和』三恵社、『潜在能力の科学』など。コラム・診療についての質問は、facebook:hiroo.indo@facebook.comまたはwww.facebook.com/CentreForEasternMedicineJapanまで。

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