子どもたちの夢を育む

Heritage Language
継承日本語教育を考えよう

子どもたちの夢を育む

シドニーで暮らす日系の子どもたちに日本語教育を提供しているJCS(Japan Club of Sydney)日本語学校3校は、毎年教員研修会を開いています。

今年は第1回目の研修会が3月24日にシティ校で開催され、各校から先生方や学校運営役員が集まり、有意義な話し合いが行われました。その中で強く感銘を受けた教育実践をご紹介します。 シティ校の朝倉先生は、日本の小学校でも教鞭を執られていた経験豊かな先生です。今年の初めにクラスの子どもたちに「自分は価値があると思う程度」について質問したところ、全員が半分以下の価値しか感じていなかったとのこと。100%価値があると言える子にしたいという指導実践のお話でした。

オーストラリアの教育の中でも、子どもたちの育てたい力の1つとしてセルフ•エスチームが挙げられます。これは自尊心ということで、日本の総合的な学習の時間で育てたい態度でもあります。「肯定的に自分を認め、自分の長所を認める、自分の目的やビジョンを明確にする、目標と将来計画を立てる、成功をイメージ化し実行する、フィードバック意見を取り入れる」という流れで実践していきますが、この研修会でお話してくださった先生の日常の実践が、まさにこの自尊心を育てるというものでした。

「子どもたちは可能性のかたまりで、どの子も将来なりたいものになれるよ」という強いメッセージを子どもたちに伝えていらっしゃるのです。子どもたちにこれを浸透させ、思い込ませることが大切とのこと。そのためには「こうなりたい、こうありたい」ということを明確にし、口に出して言えるようにすること。その強い気持ちが可能性につながること。そしてそのための思考を働かせるようにすること。また、保護者や教師など周りの大人たちがその可能性を狭めることなく、褒めて自信を持たせること。親や教師の理想像を押し付け、型にはめるのではなく、子どもの願いを受け入れ、ともに夢を実現できるように努めること、などをお話しくださいました。

日本語学習についても、何を目標に学習しているのかを子どもたちにはっきり認識させるために「お母さんと日本語で話したい」から「日本で仕事ができるくらいの日本語力を身に着けたい」までの7段階でアンケート調査を行ったところ、ほとんどの子どもたちが7を選んだのだそうです。目的をはっきりとさせることにより、今の学習がどこにつながっているかが見えてきて、将来の夢にもしっかりと繋がっていき、学習も自ら進んで取り組めるようになります。 先生のこんな活動の中で育った子どもたちは将来、しっかりとそれぞれの夢を実現させ、日本とオーストラリアの架け橋となってくれることでしょう。


 

継承日本語教育を考えよう

JCS教育支援委員会
シドニー日本クラブ(JCS)会長、担当理事、日本語学校代 表者により構成され、JCS日本語学校3校の運営支援、継承 日本語教育の研究・普及に努めている。日本語スピーチコ ンテストや「継承日本語」に関するワークショップを開催

シーハン宏子(しーはんひろこ)
プロフィル◎文部省の派遣でシドニー 日本人学校教師を3年間経験。その後、 地元の小学校、ハイスクールで日本語 指導。現在、JCS日本語学校NB校で継承 語としての日本語を指導。IHシドニー 日本人コンサルタント・講師

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