HSC Japanese Course Q&A
HSC日本語コースとは(第5回)
HSC(ハイスクール卒業兼大学入学試験)日本語科目について理解を深めるための情報を、6回にわたりQ&A形式で紹介。
Q: 私には日本人の親がいますが、大学受験の時、日本語を科目として選択できますか ?
A:
NSW州ではハイスクールの11 年生と12年生で受講する科目が、 大学受験科目となります。受講 科目として日本語を選択する際、本人や親の 国籍や出生地、生い立ちは問われないことに な っ て い ま す 。し か し 、日 本 語 を 含 む ア ジ ア 4 言語については「Beginners」「Continuers」 「Heritage」「Background Speakers」の4コー スがあり、Background Speakersコース以外に は「eligibility criteria(履修条件)」があります の で 、志 望 コ ー ス の 履 修 条 件( 1 )を 満 た さ な い とそのコースを受講することはできません。各コースの履修条件は以下の通りです。
| Beginners | 中等教育で受けた日本語の授業が100時間以 内。日本語に関する知識は全くないかほとん どない。3カ月以上のホームステイなど日本 での実質的な経験がない。 |
| Continuers | 日本語が指導言語である学校で小学校1年生 以上の正規教育を受けたことがなく、過去10 年間に3年以上日本に住んだことがない。ま た教室外で日本語バックグラウンドを持つ人 と、日本語での持続的な会話をしない(2)。 |
| Heritage | 10歳以降、日本語が指導言語である学校で正 規教育を受けていない。 |
| Background | 履修条件なし。 |
(1)HSC日本語対策委員会による仮訳。(2)「日本語での 持続的な会話」は原文ではusing the language for sustained conversation with someone with background using the language.
履修条件の詳細はBoard of Studies NSW のサイトを参照 Web: www.boardofstudies.nsw.edu.au/syllabus_hsc/lang- eligibility-criteria.html
日本語の授業時間数や正規教育を基準とし た履修条件は、国籍や出生地は問われないも の で す が 、C o n t i n u e r s コ ー ス の 「 教 室 外 で 日 本 語バックグラウンドを持つ人と日本語で持続的 な 会 話 し を て い な い 」と い う 条 件 は 、親 の 国 籍 や出生地が関わる条件です。日系以外の生徒が 家庭をはじめとする教室以外の場で日本語を常 時話す機会があることはほとんど想定し得ないからです。
オーストラリアで生まれ育ち、今まで特に日本 語の勉強はしていなかったものの、親が日系で あるため家庭で日本語を話している生徒は、現 行の履修条件の下ではContinuersコースの履 修資格はないとみなされます。このような生徒 はHeritageコースの履修条件は満たせますが、 同コースの内容はかなり難易度が高く、家庭で 日本語を話しているだけでは難しすぎる場合が 多いため、日本語履修を諦めざるを得ない生徒 が出ています。
名目上は親の国籍や出生地は問わないとされ ていますが、間接的には問われることを留意す る べ き で し ょ う 。ま た 、履 修 資 格 の 有 無 は 校 長 が 判 断 す る こ と と な っ て い ま す の で 、早 め に 校 長 と 相 談 を し 、選 択 科 目 を 決 定 す る こ と が 大 切 です。

©Sydney Symphony
嶋田典子(しまだのりこ)
プロフィル◎HSC日本語対策委員 会代表。シドニー在住。JCS日本 語学校シテイ校の運営副代表を務 めた時にHSC日本語コース問題を 知る。2007年のHSC日本語対策委 員会設立から参加し、当初より代 表を務める。本職はオーケストラ 団員でバスーン奏者。
Email: hsc.taisaku@live.jp
Web: http://hscjapanese.web.fc2.com/index.html
