HSC日本語コースとは(第3回)

HSC日本語コースとは

HSC Japanese Course Q&A

HSC日本語コースとは(第3回)

HSC(ハイスクール卒業兼大学入学試験)日本語科目について理解を深めるための情報を、6回にわたりQ&A形式で紹介。
Q: 今年から実施される「Heritage Language Course」(継承語コース)について教えてください。

A: 2011年からHSCの言語コースの中に、ヘリテージ・ランゲージ・コース(以下HLコース)が開設されることになりました。今年11年生の生徒が対象です。
 これまで、日本語のコンティニュアーズ・コース(以下Cコース)の履修資格を認められなかった日系の生徒が、残された選択肢のバックグラウンド・スピーカーズ・コース では難しすぎるため、2コース間の“ギャップに落ちて”受講をあきらめるケースが多々ありました。HLコースは、そのギャップを埋めることを目的に、「日本語が使用される家庭で育ち、日本の文化につながりを持ち」、「すべてまたは大部分の正式教育は英語が指導言語である学校で受けている」生徒を対象に新設されました。
 大まかな難易度を、「コース終了までに認識し、使用できる」漢字数で示すと、HLコースでは507字が指定されています(※)。国語では小4までに640字の漢字を学習しますから、数はそれより少ないですが、リストアップされている漢字は日本の小学校の漢字リストと必ずしも同じではなく、漢字熟語も小学校レベルより高い語彙を求められています(賛同、国連、温暖化など)。小学生のころから日本語補習校や塾、家庭でかなり力を入れて勉強してきた生徒にとっては、取り組みがいのあるコースと言えるかもしれません。
 一方、現地校で教育を受けて育ってきた日系の生徒すべてが、しっかりとした日本語能力を身に着けているわけではありません。そういう生徒たちが、履修条件のためにCコースから除外され、かつHLコースも難しすぎて履修できずに、結局日本語を勉強する機会を奪われてしまう、ということも起こり得ます。
 子どもが自分の能力に合ったコースを選べないという現状は、HLコースが導入されても改善されないのです。
 HLコースは今年開設されたばかりであり、コース内容、受講者数、受講可能な学校などについて、不確定な要素が多くあります。例えば、現時点でコースを開設する教育機関は州内で1校、チャッツウッドにあるNSW州教育・訓練省運営のSaturday School of Community Languageしかありません。
 HSC日本語対策委員会では、HLコースが今後どのように運用されていくか、注目しています。
※ボード・オブ・スタディーズのウェブサイトhttp://www.boardofstudies.nsw.edu.au/syllabus_hsc/pdf_doc/heritage-japanese-character-list.pdfを参照


HSC日本語コースとは

HSC日本語対策委員会
2007年7月発足。HSCにおける日本語の履修条件の廃止を目指し、各種関係機関に対するロビー活動ならびに履修条件対象者や保護者向けの説明会を実施。日本語履修に関する相談も受け付けている。
西牟田佳奈(にしむたかな)
プロフィル◎日本企業の駐在員として3年間シドニー勤務。その後シドニー日本クラブ理事、副会長を務め、日系の子どもたちの日本語教育支援に携わる。HSC日本語対策委員会の設立当初より活動に参加。現在、翻訳業。

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