家庭教育は感化の教育

子育てから学ぶ

Family Education 子育てから学ぶ
家庭教育は感化の教育

 わが子を見ていて、上の子が弟妹を叱るその言葉遣いや声のトーンが、日ごろの自分の口調そのものだと、ぎくりとされたことはありませんか。「子は親の姿を演じる名優である」という言葉がありますが、親の姿が知らず知らずのうちに子どもの心に刷り込まれてゆくためです。幼児のままごと遊びにはその家庭の様子が見事に表現されていて、まさに子は親の姿を演じる名優と言えるでしょう。
 私が初めて家庭教育の大切さを痛感したのは、17年ほど前に「子どもに学ぶ家庭教育講座」に参加した時でした。そこで、子どもの姿から学び、自己反省をしているお母さん方の姿に接し、自分は教師として子どもの心が見えていただろうかと自問するようになりました。
 昨年11月にはシドニーで「子どもに学ぶ家庭教育講演会」を開催し、東京家庭教育研究所より丸山貴代所長さんを講師にお招きしました。講師さんの赤裸々なご自身の子育ての反省に多くの人が共感し、感動しました。
 私たちは、優しく思いやりのある子に育ってほしいと願って子どもを育てます。でも、優しい心とはどんな心でしょう。心は形に見えるものではないため、言葉で教えることができません。思いやりの心で人に接するとはどういうことか、親の姿を通して見習わせていくしかありません。これを感化の教育といいます。この感化の教育を表したものに、孔子の教えから生まれた「庭訓の教え」があります。
 それは、
庭を掃きながら、庭の掃き方を教える。
謝りながら、謝り方を教える。
あいさつをしながら、あいさつの仕方を教える。
返事をしながら、返事の仕方を教える。
 というものです。
 素直な子に育てたいと願うのならば、親がまず素直な心で人と接する姿を子どもに見せてやることが大切です。努力する子に育てたいと願うのならば、努力する親の姿を見せることです。家庭教育の秘訣は、「百の言葉よりも1つの実行」であり、「親の姿が教育の本道」なのです。


蓑和良江(みのわよしえ)
プロフィル◎大塚セミナー・オーストラリア、シドニー日本語土曜学校勤務。シドニー家庭教育サークル・スタッフ(毎月勉強会を開催)。愛知教育大学卒業後、公立学校勤務を経て1995年来豪

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