第3回:文字教育

Let's Learn Japanese

Let’s Learn Japanese
土曜校カリスマ先生の
日本語のツボ教えます

実際の教育現場から、日本語を学ぶコツを伝授

第3回:文字教育


第1回で取り上げたように、話し言葉と書き言葉の能力は必ずしも比例関係にあるとは限りません。書き言葉は意識的な訓練を重ねることで習得するものだからです。書き言葉習得の第1段階はインプット、すなわち読書などを通じて文字や文章に接することですが、子どもの年齢が上がるにつれて徐々に日本語の読書量も減少しがちです。さまざまな原因が考えられますが、最大の難関は何といっても「漢字」でしょう。
海外に住む子どもの場合でも、ひらがなとカタカナをマスターできるケースは多いのですが、漢字学習は一筋縄ではいかないようで、これは住む国を問わず、日本語(国語)学習における登竜門といえるかもしれません。教育漢字(小学校6年間で習う漢字)は1,006字ですが、その多くが複数の読み方をすることを考慮しますと、1,006通り以上の読みを覚えなければならないのが実状です。この膨大な数と、画数の多さや複雑な字形が「漢字は難しい」「覚えるのが面倒だ」というイメージを生み出し、漢字嫌いにつながっているようです。このイメージが先行していては、せっかく読める本でも手が伸びなくなりかねません。
そんなイメージを少しでも払拭できるよう、家庭でもできる文字教育のアクティビティーを紹介しましょう。教師研修会、インターネット、現地の日本語教育教材などから厳選・実践し、最も人気の高かったアクティビティーのトップ3です。
ひらがなエアロビクス(幼稚園〜小学校中学年向き)
小学生のころ、クラスで新出漢字を指で空中に書いて練習した記憶はありませんか ? あの全身バージョンが「ひらがなエアロビクス」です。頭、肩、肘、へそ、お尻などを使い、「1、2、3…」とかけ声をかけながら文字を空中に書きます。どうせやるならノリのいい音楽をかけて、エアロビクスの臨場感を演出しましょう。肩、肘、膝などはリズミカルに左右交互に行うと、エアロビクス顔負けのエクササイズになりますよ。そして、何といっても「お尻で書きましょう」は子どもたちが大喜びの遊び。ぜひお試しください。「ひらがなエアロビクス」はひらがな、カタカナ、画数の少ない漢字を練習するのに最適です。
漢字じゃんけん①
お題となる漢字を1字決めます。じゃんけんをして、勝った方がお題の漢字を1画書くことができます。1画書いたらまたじゃんけん。この繰り返しで、お題の漢字を先に書き上げた方が勝ちです。ただし、途中で筆順を間違えたら1画目からやり直しというペナルティーがあります。これは筆順のおさらいとしても有効なアクティビティーです。
漢字じゃんけん②
手のひらサイズの紙を10枚用意し、1枚につき1つの新出漢字を書きます。書き終えたらゲーム開始。じゃんけんをしますが、「じゃんけんぽん」の「ぽん」でグー、チョキ、パーを出すのではなく、お互いに持っているカードを1枚見せ合います。相手のカードを正しく早く読めた人が勝ちで、勝った人は相手の持っているカードを1枚もらうことができます。これを繰り返し、どちらかの手持ちのカードがなくなった時点でゲーム終了。制限時間を決めて、手持ちのカード数が多い方が勝者というやり方もできます。カードは小さすぎると相手に見えにくくなるので、トランプ大のサイズがいいでしょう。家にある裏紙を使えば、資源の節約・再利用にもなりますね。
次回は、日本語の読書、作文についてお話する予定です。


阿部圭志(あべ けいし)
プロフィル◎1997年よりシドニーで日本語教育に従事。カトリック系小学校、ニュー・サウス・ウェールズ大学、日本語たんけんセンター、インターナショナル・グラマースクールを経て、現在バンクスタウン・グラマースクール教職員。同年よりシドニー日本語土曜学校教職員を務める。

 

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