永住だからできる、オージー流自然体の子育て

2004年7月タイ、バンコク近郊のワニ園で(筆者注:トラはぬいぐるみではありません ! )

オレ流男の子育て
毎回異なる子育ての先輩が新米パパにアドバイス。

永住だからできる、オージー流自然体の子育て



 平日の午後7時。親子3人そろっての夕食。我が家のありふれた光景だ。時々思う。もし今も、日本でサラリーマンを続けていたら、こんなことが年に何回できただろう ? ほぼ毎日、こうして家族そろって夕食をとるということは、何物にも換えられない我が家の財産だ。これこそが、17年前、夫婦でメルボルンに移住してきた目的だったと言っても過言ではない。
 50歳になっても平社員。夫婦共働き。汲々の生活。その代わり、こういう当たり前の
時間が普通にとれる。これが本当に貴重だと思う。
 娘は生後6カ月目から保育園に預け、共働きを続けている。平日昼間は親と過ごす時間が少ない娘だったが、その分社交的になったと思うし、余計家族との時間を大切にするようになったと思う。
 子育ての方針などは特になかったし、父親の役割など考えたこともない。家事も子育ても、夫婦で分担してきた。
 とはいえ、ある程度の役割は決まっていて、オージーの父親が当たり前にやることを、私もひと通りやった。娘が生まれてすぐは、入浴や、深夜の授乳は私が担当した。その後も、シャワーに入れる、歯を磨く、寝る前に絵本を読むといったことは私の役目だった。小学校の送り迎えのうち、半分以上の迎えは私がやった。現在娘は14歳、Year 8になるが、今でも娘のお弁当を作るのは私の仕事だ。
 こうして私は、父として、日本にいたら、まずできなかった貴重な体験を目いっぱいさせてもらった。親にさしたる苦労もかけず、ここまで順調に育ってくれた娘に感謝する気持ちでいっぱいだ。
 娘は小学校から、近くの私立学校に行かせている。入学後に、詐欺のように学費を吊り上げられ、ますます苦しい我が家だが、一応その投資は成功している。カリキュラムはしっかりしていて、不安を感じることはない。良い友人に恵まれ、毎日楽しそうに学校に行く。これが何より、私たちの励みとなっている。
 オーストラリアの学校は、学業の成績だけが良くても、人間として評価されない。特に娘の学校は、スポーツ、音楽、演劇などに力を入れている。今も娘は10月に公演予定のミュージカルのリハーサルに通い、暇さえあればピアノとクラリネットの練習をし、飽きれば本を読みあさり、コンピュータで遊ぶ。そして大好きなフランス語の宿題に余念がない。
 また、この学校はキャンプが過酷なことでも有名で、女の子といえども、重い荷物を背負い、毎日何キロも歩かされる。宿営地に着くと、まず穴を掘ってトイレを確保する。5日間のキャンプ中、まともにシャワーを浴びられるのは1回なんていうのもざらだ。ドロドロに服を汚し、強烈な匂いをさせて帰って来る。
 文句たらたらの娘を横目に、思わずにんまりする父親である。日本では考えられない、バランスのとれた教育。これを思えば、高い学費も苦にならない。


根本雅之
プロフィル◎東京都出身。大学卒業後、コンピュータ・メーカーに10年間勤務。永住ビザを取得し、1991年5月メルボルンに移住。現在Quest SoftwareにQAエンジニアとして勤務。またサイド・ビジネスとして、メルボルン在住日本人のためのパソコンなんでも屋「Nemolade IT Services」を運営中。

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