「映像×人間」のパフォーマンス集団SIRO-Aシドニー公演

「映像×人間」の世界的パフォーマンス集団SIRO-A 演出家cocoonaさんインタビュー

パフォーマンス、テクノ・サウンド、映像の融合を表現する仙台発の次世代型エンターテインメント集団、SIRO-A(白A)。近未来SFのようでありながら人間的な躍動感を強く感じさせる、そのカラフルで鮮烈なショーが1月10~29日にシドニーで初披露される。オーディション番組「America’s Got Talent」や日本国内外のフェスティバルへの出演などで反響を呼び続けるそのパフォーマンスの魅力を、SIRO-Aの演出家cocoonaさんにうかがった。(インタビュー=関和マリエ、写真=Paul Brown)

SIRO-Aとは?

──ステージ公演の他、NHK Eテレ(教育テレビ)「にほんごであそぼ」へのレギュラー出演など幅広く活動されているSIRO-Aですが、どんなグループなのでしょうか。

SIRO-Aは「映像」と「人間」を融合させたパフォーマンスをやっています。例えばプロジェクション・マッピングとダンス、影絵とコメディー、パントマイムを組み合わせるなどです。元々高校の同級生6人で、演劇、お笑い、音楽、アート、映像など、さまざまな表現活動をしていたところから始まり、2002年に総合パフォーマンス集団として結成。SIRO-Aの「白」はどんな色にも染まることができる色、「A」は匿名の、名前のない存在という意味で、幅広い活動を行いとどまることなく変化し続ける存在という意味で名付けました。

──SIRO-Aは演出家、サウンド・プログラマー、映像作家、DVJ(映像と音楽の演出者)、VJ(映像の演出者)、表現者と、総勢10人で構成されていますが、それぞれの役割とは?

演出家は、メンバー全員参加のブレーン・ストーミングで出てきた多様なアイデアを基に、作品のコンセプト、構成、表現の手法などをまとめます。サウンド・プログラマーは、パフォーマンスする楽曲の作曲と、ライブではDJ、デジタル機器での演奏も行います。パフォーマンスの映像制作を担当するのは映像作家で、ライブではVJとしてビジュアル・エフェクトのオペレーションをやります。更にSIRO-Aには複数の表現者(パフォーマー)がおり、ダンス、アクロバット、パントマイムなど、それぞれが得意なパフォーマンスを制作(振付)し、舞台上で表現します。
 メンバーそれぞれが異なった表現方法やバックグラウンドを持っているので、それらを創発させることを狙ってクリエーションしており、それぞれの相互作用や、既存ではない発想・表現を生み出すことを可能にしています。

──日本国内のみならず世界中で多くの公演をされていますね。

国内外ともに、公演と、企業のパーティーや式典でのゲスト・パフォーマンスがメインで、公演の場合は老若男女、年齢、性別、国籍を超えてさまざまなお客さんが来てくれます。海外のお客さんは音楽のライブのように歓声を上げながら盛り上がり、日本のお客さんは演劇を鑑賞するように集中して観てくれるなど、海外と日本ではステージ・パフォーマンスを楽しむスタイルが違います。そのため僕たちのパフォーマンスも公演をする国の鑑賞スタイルに合わせたり、その国の文化やトレンドを取り入れるなどのカスタマイズをしています。

海外公演で得てきたもの

SIRO-A演出家cocoonaさん
SIRO-A演出家cocoonaさん

──2015年にアメリカのオーディション番組「America’s Got Talent」に出演されたことでも知られ、その時のYouTube動画の1つは再生数が76万回を超えています。

出演が決まったのは放送の1週間前で、移動時間やリハーサル時間を考えると、制作・稽古時間は3日しかありませんでした。映像チームは不眠不休の超突貫工事で1回戦のパフォーマンス映像を作りました。実際にパフォーマンスが終わった後のオーディエンスの反応は凄まじく、スタンディング・オベーションがまるで地鳴りのようだったことを覚えています。アジア人として初の「ゴールデン・ブザー(その回の放送で、最も優れたパフォーマンスに贈られる賞)」を獲得し、SIRO-Aのパフォーマーはニューヨーク中で声をかけられ写真を撮られるようになるなど、非常にエキサイティングな体験でした。

──これまで特に印象的だった公演は?

初めての長期海外公演となった2011年のエディンバラ・フェスティバル・フリンジ(編注:スコットランドで毎年開催される世界最大の芸術祭)に出演した1カ月間です。僕たちのやってきたこと全てをぶつけたショーでしたが、ふたを開けてみると初日のお客さんは4人だけ。そこから必死に路上パフォーマンスやチラシ配りを繰り返し、さまざまなメディアに営業し、毎日朝から晩まで劇場内外でフル稼働で動きました。それにより少しずつお客さんが増え、新聞やテレビで取り上げてもらいレビューでの高評価も続き、最終的に公演のラスト1週間は毎日満員御礼に。その年のフェスティバルで特に活躍したパフォーマーに贈られる「Spirit of the Fringe」という賞も頂きました。あの時のスタンディング・オベーションは忘れられません。エディンバラ・フェスティバル・フリンジへの出演はSIRO-Aの海外展開のきっかけになりました。

「人間の力」を伝えたい

──「SIRO-A」という形態で表現したいもの、目指しているものとは何でしょうか?

国も年齢も超えて、誰が観ても楽しめるエンターテインメントを今後も追求していきたいと思っています。テーマは「テクノロジーと人間」。テクノロジーはとても速いスピードで進化・変化していて、特に今は第4次産業革命と言われるほど、スマホ、ドローン、AI、IoT(Internet of Things/モノのインターネットとの接続)など多種多様なテクノロジーが次々と生まれています。そんな時代に僕たちがエンターテインメントを通して表現したいのは、テクノロジーを用いつつも、「人間の力」なんです。たくさん頭を使ったアイデア、たくさん汗をかいて練習したシンクロという、人間の力。「テクノロジーってすごい」ではなく、「人間ってすごい」と思えるメディア・エンターテインメントが僕らの目指すところです。今後もテクノロジーを用いたデジタルな技術で、人間のアナログな素晴らしさを伝えたいと考えています。

──演出家であるcocoonaさんが今後挑戦していきたいことはどんなことでしょうか。

今まさに挑戦中なのが「英語」です。海外展開以降、海外のイベンターやクリエイターと一緒に仕事をする機会が増えました。そして今、日本では外国人の観光客や労働者がものすごい勢いで増えており、海外だけでなく日本国内の活動でも、ショーを作るにも見せるにも英語が必須。37歳からのスタートですが、現在勉強中です!

──今回が初のオーストラリア公演ですが、オーストラリアにどんなイメージをお持ちですか? そして今回の公演の見どころを教えてください。

『マッド・マックス』という素晴らしい映画が生まれた国という印象が強いですね。初めて行くのでとても楽しみです。今回の公演はSIRO-Aのベスト・セレクション的な内容で、そこにオーストラリアの皆さんに楽しんで頂けるような新しい要素をプラスしました。初めての人が見ても楽しめるエンターテインメントになっているので、ぜひ会場に遊びに来てください。お待ちしています。

◆鑑賞チケット・プレゼント◆
 SIRO-Aのシドニー公演1月13日(金)8PMのチケットを3組6名様にプレゼント。応募は日豪プレス・ウェブサイト(Web: nichigopress.jp/campaign)から、応募締切は1月8日(日)。


SIRO-A(白A)プロフィール◎「テクノサウンド」と「映像」そして「パフォーマンス」の融合を表現する次世代型エンターテインメント集団。2011年8月に世界最大の演劇祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」で1カ月の公演を行い、「Spirit of the Fringe 2011」受賞。ヨーロッパ、アメリカなどで公演ツアーを成功させ、15年にアメリカの人気オーディション番組「America’s Got Talent」に出場、セミ・ファイナリストに選出。既存のパフォーマンスの枠を超えた新しい表現を追及している

【公演情報】
■会場:The Concourse, 409 Victoria Ave., Chatswood NSW
■日程:1月10日(火)~29日(日)
■時間:日程により異なる
■料金:一般$29~99
■Tel: (02)8075-8111
■Web: theconcourse.com.au/siro-a

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