来豪独占インタビュー
MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO
豪州でファンク旋風巻き起こす
60〜70年代のアメリカの黒人音楽、ファンク。それを追求する日本のバンド「マウンテン・モ カ・キリマンジャロ(MMK)」が2011年12月末〜12年1月14日、2度目の豪州ツアーで再来豪し た。09/10年の初来豪から2年の歳月を経て開催された同ツアーでは、QLD州、NSW州、VIC州な どで行われた音楽祭やライブ・ハウスを回った。また1月13日には、セカンド・アルバム「Uhuru Peak」の一般発売を豪州でも開始した。豪ツアー第2弾の中盤戦を終えたMMKのギタリスト “Bobsan”に、彼らの音楽性や今回のツアーの様子などについて聞いた。
ファンクを貫き通す
MMKは埼玉県出身のメンバー6人で 2007年に現在の編成になった、楽器のみ のインストゥルメンタル・バンド。「ザ・ ミーターズ」や「ジェームズ・ブラウン」 たちがヒットした60〜70年代のブラック・ ミュージックの“シブイ”サウンドを、ギ ター、ベース、ドラム、トランペット、 テナー・サックス、オルガンが生み出す。
近年、大規模野外音楽フェス「フジ ロック・フェスティバル」をはじめ、日本 各地のライブ・シーンで音楽活動を行って いるほか、オーストラリアなどの海外で も活動している。
MMKが目指す音楽性ーー。それは「ソ ウル・ミュージック的な“エンターテイメ ント”の要素と、ロックの“爆発的なエネルギー”が融合されたもの=ファンク」だと Bobsanは言う。その心まで響く重厚なグ ルーブや、キレのあるビート、熱い即興 パフォーマンスは、2009/10年の豪ツアー でも多くの人を魅了した。
「最近は日本の音楽業界でもR&Bなどの 黒人音楽が浸透してきていますが、オー ストラリアではそれ以上に、黒人音楽を 含めたルーツ(民族)音楽が受け入れら れていることを、前回のツアーを通して 感じました」とBobsanは当時を振り返 る。その盛況ぶりから、今回のツアーで はワンマン・ライブも行うことができたと いう。
日本でもオーストラリアでも、昔から ポップスが絶大な人気を誇るが、一方、 ニッチな音楽ジャンルでファンクを貫き 通す彼らには、「ただ流行の音楽を聞き 流すのではなく、音楽を心から楽しんでほしい」という強い思い があるそうだ。
その点で、彼らは“生 のサウンド”を追求して おり、CDまでもが本番 一発で収録されているほ どのこだわりがある。さ らにライブではCDに収 まりきらないような、わ くわくするパフォーマン スで、例えファンクを知 らない人でも体が勝手に リズムを取ってしまうく らい、音を楽しむ要素が 詰まっている。
観客のエネルギーに応えたい
今回のツアーでは、音 楽を楽しむのに加え、観 客には日本のアーティス トの底力のようなものを 感じてほしいとライブ開 始前に本紙に語ってくれ たが、実際に感触はどう だったのか。
「お客さんの反応はダイ レクトで、パフォーマン スする側も楽しかったです。ウッドフォード、ピーツ リッジ、クーラムなどへ行っ てきたのですが、どこへ行っても皆音楽が 好きなんだなぁっていうのが伝わってくる んです。ばか騒ぎしているような(笑)」
MMKの音楽は、ブラック・ミュージック が元になっているが黒人色は強過ぎず、 多民族多文化なオーストラリアに住む 人々にも広く受け入れられやすいグルーブを持ち合わせているようだ。
「もともと僕たちはロック・バンドをやっていたので、そういうニュアンスがまだ 残っているのだと思うんです。良い意味 で、黒人音楽とニュー・ロックをミクス チャーできているんじゃないかなって」 第2回目となる豪州でのツアーでは、会 場の観客から熱いインスピレーションも 得られたそうだ。
「ライブでは僕たちからだけじゃなく、 お客さんからもエネルギーをぶつけてく れる感じがひしひしと伝わってきて、自 分たちでもすごいパフォーマンスができ ているなって感じられました。お互いに 引っ張り合って高みに向かっているよう な感覚を覚えましたね」
2年前のツアーと比べてどんな違いを感 じたのだろう。
「最初のツアーの時は、まだ何も分から ない状況だったんですよ。今回は、最初 からだいぶ楽しんでツアーをこなせまし た。特に何が違うかというと、自分たち 自身かな。実際に日本ではまだまだな状 況でしたが、最初のライブの時からお客 さんの反応はすごく良くて『あぁこんな に反応してくれるんだな』って、前回は その反応を受け止めるだけで精一杯だっ たんです。
それで今回はそういうところも分かっ ていたので、もっと何をしていったらい いのか、もっと良くしていくにはどうし たらいいのかっていうのを考えて、こちらからももっとお客さんに対してレスポ ンスできるというか、もっといいエネル ギーを発散できたんじゃないかなと思い ます」
ライブはパブやライブ・ハウスなどで行 うことが多く、今回の豪ツアーでも夜に パフォーマンスすることがほとんどだっ たそうだ。そんなMMKのある1日につい て伺うと、「ライブがある日は、皆午前 中に起き出して、のんびりして、夕方か ら動き出す感じですね(笑)」と陽気な Bobsan。
今回のツアーでは、毎日のように長距 離の移動やライブがあり、忙しい日々が 続いていたそうだが、オーストラリアに 暮らす人々や自然に癒され、「ライブの 時にはもう何もかもふっきれた状態で臨 めた」という。
最後にオーストラリアに暮らす日本 人やファンに向けてのメッセージをい ただいた。
「本当に、こんなに良い国に住んでいて うらましい限りです。こうやって日本の アーティストがオーストラリアでツアー をする状況は、なかなか少ないと思い ますので、“日本人でも海外で通用する” というわけではないですが、僕たちでも ちゃんとできているっていう状況を誇り に思っていただけたらと思いますし、こ れからも頑張っていきます。また次の機 会に、実際ライブに足を運んでいただい て、思う存分楽しんでいただけたら何よ りです」
MMKは、1月13日発売の「Uhuru Peak」に引き続き、同月末には、日本で カバー・アルバムを発売予定。また4・5月 ごろには、オリジナル・サード・アルバム の発売も予定している。
次回の夏の音楽祭シーズンにもぜひ来 豪し、ライブ・ハウスをファンキーなグ ルーブで揺れ動かしてほしい。
■マウンテン・モカ・キリマンジャロ
Web: www.kilimanjaro.jp
Facebook: www.facebook.com/mmkilimanjaro
*Youtubeでは、NSW州ピーツリッジの音 楽祭で行われたライブの様子がアップされ ている。パフォーマンスを見逃してしまっ た人は「Mountain Mocha Kilimanjaro Live at Peats Ridge 2011」で検索。
