豪州のクリスマス・年末年始の過ごし方

豪州のクリスマス、年末年始の過ごし方▶▶▶

クリスマス・ギフト・ガイド▶▶▶


オーストラリアのクリスマス、年末年始の過ごし方

オーストラリアは多国籍な人々で構成されているため、クリスマスの過ごし方はバラエティ豊か。とはいえ、クリスマス一色に彩られていく街の様子を見れば分かるように、誰にとっても1年で一番大事な行事の1つであることは間違いない。本特集では、あらためて、オーストラリアでのクリスマスとお正月の過ごし方、そして、もらってうれしいクリスマス・プレゼントのトレンドを紹介する。取材・文=空閑睦子、小副川晴香

クリスマスは日本の「お正月」?

12月に入るとクリスマス前の週末には、各地の公園などで教会が主催する「Carols in the Park」というイベントが行われていることが多い。地元の人たちはデッキチェアやピクニック・マットを持参して皆思い思いに楽しむ
12月に入るとクリスマス前の週末には、各地の公園などで教会が主催する「Carols in the Park」というイベントが行われていることが多い。地元の人たちはデッキチェアやピクニック・マットを持参して皆思い思いに楽しむ

オーストラリアで迎えるクリスマス、年末年始が日本と違う点は、何といっても“夏”ということだろう。寒くないクリスマスや年末年始は、日本とはまた違った気分が味わえる。もっとも、クリスマスの到来を街の彩りの変化で最初に知らされるのは、日本もオーストラリアも一緒だ。

11月中旬頃から、オーストラリアの街にはクリスマス・ツリーが飾られ始める。スーパーマーケットではクリスマス関連の商品が棚を占領し始め、少しずつクリスマス気分が高まっていく。そして12月になるとさらに本格的なクリスマスの装飾があちらこちらで施されるようになり、クリスマス・ムードは一気に加速する。

NSW州の公立学校は、12月半ばには1年間の最終学期である第4学期が終了する。大学や大学院の多くはそれ以前に既に講義が終了しており、学生・生徒たちはいよいよ、途中にクリスマスと年末年始を含んだ、長い「夏休み」を迎えることになる。

サンタ・クロースと写真が撮れるイベントはショッピング・センターを訪れる家族連れに大人気
サンタ・クロースと写真が撮れるイベントはショッピング・センターを訪れる家族連れに大人気

暦の上では、12月の休日(パブリック・ホリデー)は、25日クリスマス、26日ボクシング・デー、28日(2015年の場合の代休日)の3日だけだが、“かきいれ時”の小売業・飲食業などを除き、一般企業でも、クリスマスの1週間ほど前から年明けまで夏休みになるところが少なくない。

オーストラリアに到着したばかりの人、または旅行客が注意しなければならないのが、クリスマス当日の12月25日。オージーたちは家族で過ごすのが通例。お店も軒並み休みになるので、買い物は24日までに済まさないといけない。加えて25日になると、飲食店も営業するところが少なく、ちょっと外食というわけにはいかなくなる。スーパーマーケットは25日だけでなく26日も休業のところが少なくないので注意が必要だ。さしずめ日本でいうところの「静かなお正月」の印象だ(映画館など一部のエンターテインメント施設や、都市部の飲食店などは営業している)。

多忙を極めるクリスマスの準備

クリスマスのテーブル・セッティング例。左にあるジンジャー・ブレッド・クッキーや右上にあるクリスマス・クラッカーもパーティーの定番。両方で引っ張り合い、ポンという音とともに、中からおもちゃが出てくる
クリスマスのテーブル・セッティング例。左にあるジンジャー・ブレッド・クッキーや右上にあるクリスマス・クラッカーもパーティーの定番。両方で引っ張り合い、ポンという音とともに、中からおもちゃが出てくる

クリスマスを迎えるにあたり、さまざまな準備が必要だ。12月に入るとスーパーマーケットやデパートなどは、営業時間を通常よりも長く設定するところが増える。クリスマス直前の週末などはどこの店も大混雑。ちなみに、クリスマスぎりぎりに駆け込んで準備の買い物をすることを「ラスト・ミニット・ショッピング」、買い物をする人を「ラスト・ミニット・ショッパー」と呼ぶそうだ。

①クリスマス・ギフト
 プレゼントは、相手が希望するものを贈るのが慣例だが、直接「何が欲しい?」と聞くのではなく、相手との普段の会話の中からさりげなく聞き出してギフトを選ぶのがスマート。
 何人くらいの人に贈るかでもちろん変わってくるが、クリスマス・ギフト代はけっこうな出費になり、いつも総額500ドルくらいになるという人も。

②クリスマス・ツリー
 11月くらいからクリスマス・ツリーを飾る家庭もある。ツリー用の生のモミの木を使う家庭も多い。

③クリスマス料理
 ターキーの丸焼きやロースト・チキン、ハムを食べるという人が多い。また季節が夏ということもあり、シュリンプ・カクテルや生牡蠣など、火を使わないシーフード料理を好む人もいるそう。

(左)お菓子の家のキットを使って作った「ジンジャー・ブレッド・ハウス」もクリスマスの定番、(右)ツリーには雪を表すものがないのも、夏にクリスマスを迎えるオーストラリアならでは
(左)お菓子の家のキットを使って作った「ジンジャー・ブレッド・ハウス」もクリスマスの定番、(右)ツリーには雪を表すものがないのも、夏にクリスマスを迎えるオーストラリアならでは

日本ではクリスマス・ケーキというとだいたいケーキ台にクリーム、そしてイチゴという組み合わせがポピュラーだが、オーストラリアでは、「クリスマス・プディング」や焼きメレンゲ・ケーキの「パブロバ」など、あまり日本で見ないものも広く好まれている。

クリスマス・プディングは、イギリスの伝統的なクリスマス・デザート。日本人が想像する「プリン」とは違う。ドライ・フルーツやナッツがたっぷりと入った茶色い蒸しケーキだ。

パブロバとは、オーストラリアではポピュラーなデザートで、焼いたメレンゲの上に、生クリームやフルーツをトッピングしたもの。ゼリーをトッピングしたり、仕上げにパッション・フルーツの果肉を乗せたりするのがオーストラリア流とか。

これらのデザートの材料をそろえ、最初からすべて手作りをする人もいるが、パブロバもクリスマス・プディングともにスーパーマーケットで土台が売られており、後は飾り付けだけで簡単にクリスマス・ケーキを作ることもできる。さらにジンジャー・ブレッド・クッキーもクリスマスの定番だ。

クリスマス当日はプレゼントから

オーストラリアの家庭では、箱の隅に名前が書かれたクリスマス・プレゼントがツリーの下に置かれ、25日の朝、自分の名前が書かれたプレゼントを開けるのが本来のやり方。一方、友達同士のパーティーなどでは、くじ引きでプレゼント交換をしたりするなど、ゲーム感覚で楽しむ人も多い。

ホーム・パーティーが主流だが、誰かの家1カ所でパーティーをするだけでなく、例えば付き合いの長いカップルの場合は、午前中は彼氏の家族と一緒に、夜は彼女の家族と一緒にというような過ごし方をすることもあるそう。また毎年持ち回りで親戚の家で過ごす人や1日の中で複数の親戚の家を訪れるなど、パーティーを“はしご”する人もいる。

また夏のオーストラリアらしく、ビーチでバーベキューをしてクリスマスを過ごすという人も少なくない。

ボクシング・デーはショッピング・デー

12月25日の翌日26日の「ボクシング・デー」はセールが開始される。お目当ての商品を買いに店の前は行列が出来る
12月25日の翌日26日の「ボクシング・デー」はセールが開始される。お目当ての商品を買いに店の前は行列が出来る

クリスマス翌日の26日は、「ボクシング・デー」だ。名前の由来は諸説あるが、「教会が貧しい人への寄付のために設置したクリスマス・ボックスを開ける日」という説と、「クリスマスに働いた執事や使用人たちに、翌日休暇をあげ、残り物のご馳走やプレゼント、ボーナスなどをボックスに入れて渡した日」という2つをよく聞く。

現在のボクシング・デーは、デパートやショッピング・センターなどが、1年に1度の大売り出しをする日である。多くの商品の値段が一気に安くなるのだ。まだ薄暗い早朝、オープン前からバーゲン品を求める人で店の前はいっぱいになり、その様子はテレビや新聞のニュースにもなる恒例行事だ。この日のために貯金をしているオージーもいるという。またこのバーゲンはしばらくの間続く。

クリスマス・プレゼントは返品できる

プレゼントと一緒にレシートも付けるようにしている人も少なくないそう。レシートがあれば、もらった人は、もし気に入らなかったらお店に行って交換や返金してもらえるという、実に合理的なアイデアである。

26日はスポーツ観戦でも盛り上がる

26日はスポーツ・イベントも多い。代表的なものに、「シドニー・トゥ・ホバート・ヨット・レース」とメルボルン・クリケット・グラウンドで開催される「ボクシング・デー・テスト」があり、いずれも大いに盛り上がる。

大みそかとお正月はどう過ごす?

12月31日は、オーストラリア各地で花火大会などのイベントが開催される。例えばシドニーでは、夜9時から始まるシドニー湾での花火大会が有名。昼間から場所取りも兼ね、ワインや食べ物持参で過ごしているグループを見かける。また、各地のナイト・クラブやパブ、ホテルのレストランなどでカウント・ダウン・パーティーが開かれる。大みそかは家族で過ごすよりも、友人同士やカップルで過ごし、そして翌日の1日は家族と過ごし、新年を祝うという声をよく聞くが、あながち間違いではなさそうだ。さしずめ「来る年をお祭り騒ぎでとことん盛り上げるのがオーストラリア流」といったところだろう。

おそばにお雑煮、おせちが食べたい

オーストラリア在住の日本人の中には、大みそかにはNHKの紅白歌合戦を見ながら、年越しそばを食べ、元旦にはお雑煮とおせち料理を食べ、日本にいる時と同じように新年を祝う人もいる。

日本食材が入手できるアジア系スーパーマーケットも増え、もちや乾麺のそば、みりん、しょうゆ、出汁の素などが手軽に手に入る。例えばアーターモンにあるラッキー・マート(Lucky Mart)では、年末年始用にそば、もち(鏡もち、お雑煮用)が販売される。

「寿限無&新ばし」の手打ちそば。職人の技、味へのこだわりは、ファンを魅了して止まない
「寿限無&新ばし」の手打ちそば。職人の技、味へのこだわりは、ファンを魅了して止まない

また、漫画『美味しんぼ』にも登場したシドニー唯一の手打ちそばの専門店「寿限無&新ばし」では、大みそかには持ち帰り用の生そばの予約も受け付けている。タスマニア産のそば粉を使い、打ち上げたそばは、そば通をうならせる。

おせち料理を提供している日本食レストランもあるのでチェックしてみよう。また「Sushi E」の浦伸之料理長が「日本の味を味わってほしい」という思いから限定100個という限られた数でおせちを作るのも見逃せない。「年越しにはやっぱりそばでないと!」「お正月には本格おせちとお雑煮で過ごさないと年が明けた気がしない」という人にはぜひ堪能してほしい。


豪州のクリスマス、年末年始の過ごし方▶▶▶

クリスマス・ギフト・ガイド▶▶▶


新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る