新ウェブ・サービス「シドニー・ラーメン・ガイド2018」始まる

新ウェブ・サービス「シドニー・ラーメン・ガイド2018」始まる

冬も本格化し、寒くなって来るとがぜん食べたくなるのが熱々のラーメン。シドニーではここ7~8年でラーメン店が急増ししのぎを削るようになった。贅沢ではあるが、これだけラーメン店が増えてくると出てくる悩みが店選びだ。日豪プレスではこれまでもシドニーのラーメン・シーンをけん引すべく、紙面でのラーメン特集やリアル店舗を巻き込んだラーメン・ツアーなどさまざまな企画を仕掛けてきたが今回はウェブ上にラーメン店のデータベースを作ることを試みる。当記事ではシドニーのラーメン・シーンを振り返ると共に日豪プレスの取り組みについて書いていく。 (文:馬場一哉)

シドニーのラーメン業界の動き

「ラーメン・ブーム」という言葉がシドニーで頻繁に聞かれるようになったのはここ10年ほどのことだ。それぞれ今でも行列店として知られるチャイナタウンのがむしゃら、タウン・ホール周辺の一番星、めんやシティ、ノース・シドニーの亮亭などがラーメン・シーンをけん引する中、2012年にはシティーの人気店ずんどやセルフ式のラーメン店てんこもり、更には日本から黒船・一風堂が進出してくるなど新店オープン・ラッシュが巻き起こった。

15年には日本のテレビ番組などにも出演経験がある有名ラーメン・シェフ、翁和輝氏がシドニーに進出するなど話題には事欠かないながらもラーメン店界隈の動きは次第に変化していく。引き続き新店は増え続けるが、動きとしては既存店舗の拡大が目立ち始めた。

日本から参入の一風堂や博多丸、また、キングスフォードで人気を誇るまんぷく、シティーで人気の弥榮、めんやシティ、また翁さんラーメンなど各店舗がそれぞれ同名、あるいは別名を冠した店舗を展開していった。また、既存の日本食レストランが新たにラーメンをメニューの売りの1つとして出すなどの動きも目に留まるようになった。例えばダーリングハーストにある焼き鳥店チャコバーはランチ・タイム、及び月曜の夜限定でラーメンを提供しているが日本人、ローカル双方から絶大な支持を集めている。

シドニーで流行るラーメンといえば主流はしばらく豚骨で、もちろんその人気は継続しているものの、昨今はメニューの多様化も顕著な動きとして見られる。スープの種類の多様化はもちろん、例えばつけめんといったラーメンから派生したメニューなどを出す店も増えた。

そしてここ最近の動きで言えば、例えば一風堂グループが西麻布や京都、名古屋で経営する焦がしラーメンで人気の五行のシドニー店や、鶏白湯をメインに掲げニュートラルベイにオープンしたとりいちなどコンセプト型の店舗の新規開店も目立つようになった。こういった動きからシドニーのラーメン・カルチャーが確実に進歩していることが見て取れるだろう。

他にも、チャイナタウンのフードコートに博多豚骨ラーメンのかえだま、とりいちの近くに翁氏プロデュース3号店目となる恵、新スポットとして人気のトラムシェッズ内のオーサカ・トレーディング、そして人気フレンチ・シェフとして名を馳せる犬飼春信氏がダーリングハーストにオープンさせた楽などラーメン店オープンの話題は事欠かない。

昨今、ローカルの新聞や雑誌、あるいはウェブサイトなどでラーメン店の紹介などといった特集が行われるケースも珍しくなくなった。それが意味することはラーメンはもはや一時的なブームの時期を乗り越え、既に1つの食文化として当地に受け入れられてきたということだ。

そのため、今後の新たな動きとして注目したいのは、日系発信ではないラーメン店の登場だ。日本人のラーメン・ファンには、正当進化の日本のラーメンを味わいたいという人も多いだろう。だが、日本のラーメンがローカルの人びとの工夫とエッセンスによってどのようにユニークな進化をするか、見守ることができるのもまた1つの楽しみ方と言える。食文化の進化、発展というのは思わぬシナジーから生まれたりするもの。例えばすしが世界で形を変えたように、多文化共生のオーストラリアにおいてラーメンもまた思わぬ進化を遂げる可能性がある。それを見届けられるのも海外に住んでいる者の特権と言えるかもしれない。

さて、そうしたチャレンジを既に行っている店がある。16年にニュータウンに登場したライジング・サン・ワークショップだ。2階建てのカフェ・スタイルの店だが、何と1階のフロア半分はバイクのワークショップ・スペース。バイクを眺めながら、コーヒーやラーメンを楽しめるという、サブカルチャー、アートの発信地とも言われるニュータウンにおいてもかなりユニークなキャラクターを持つ店である。

ライジング・サン・ワークショップのニック氏
ライジング・サン・ワークショップのニック氏
ニック氏が提供するチキン・スープ・ベースのラーメン「The Light」
ニック氏が提供するチキン・スープ・ベースのラーメン「The Light」

オーナーのニック・スミス氏は元々サリー・ヒルズのシングルオリジン・ロースターズの立ち上げにも携わったカフェ・カルチャーの中ではよく知られる人物。ニック氏はメニューにラーメンを入れた理由をシンプルに「ラーメンが人気になってきているから」と話す。以前からラーメン・マニアだった、などのバックボーンを持っていないニック氏が注目をしたという点からもラーメンが当地のフード・カルチャーに浸透してきていることが分かる。

ニック氏の作るラーメンは例えばピクルスされたしいたけがトッピングされるなど、アイデアもユニーク。特にメイン商品のザ・ダークネスのスープは豚骨ベースのスープにしいたけのダシの強い香りが溶け込んでいるなど、ここでしか味わえないものに仕上がっている。日本の豚骨ベースのラーメンを想像して食べると梯子を外される形になるが、好きな人にははまる味だ。ニック氏は言う。

「日本のラーメンをただ真似するというのは面白くない。自分の味にチャレンジしたい」

ニック氏のようなローカルのチャレンジャーがどんどん増えていくことを楽しみにしたいと思う。

シドニー・ラーメン・ガイドの取り組み

画像は制作中のイメージです
画像は制作中のイメージです

さて、こうしたラーメン・シーンの変化の中、ここ数年日豪プレスももちろんさまざまな取り組みを行ってきた。最初のきっかけは2013年に記者が2カ月にわたって書いた連載コラム「シドニーで一番うまい1杯はどこだ?」までさかのぼる。シドニーのラーメン業界をざっと俯瞰した内容で話題となり、そこから派生する形で「ラーメン特集」が毎年の恒例企画となった。

その後、例えばずんどとの合同企画として油そばを共同開発するなど、当時東京では流行っていながらシドニーにはなかったメニューの創出などにも取り組んだ。

また、17年にはシドニーのラーメン店を食べ歩き、豪華賞品獲得を競う「シドニー・ラーメン・ツアー」を開催。全18店舗に協力頂き、日本人だけではなくローカルの人たちも含めて1,000人以上が参加。人気イベントとして幕を閉じた。

そして18年、シドニーのラーメン・シーンを見続けてきた立場として、より便利に最新のラーメン情報をお届けすることを目指し、新ウェブ・サービスとして「シドニー・ラーメン・ガイド」を立ち上げることとなった。現在鋭意制作中ということで、詳細をお伝えすることはできないが、シドニー中のラーメン店のデータベースとなるようなサービスを目指している。7月中の公開を目指しているので、折を見て日豪プレスのウェブサイトを覗いてみて頂ければ幸いだ。

日豪プレスは今後もラーメン好きの皆様の大いなる味方として、逐次各種媒体を駆使してラーメン情報を発信していく。皆様のラーメン・ライフに幸あれ!

We love Japanese Noodle

「シドニー・ラーメン・ガイド2018」参加ラーメン店一覧

CBD
一番星

業界を支え続ける老舗店自慢の
担々麺ご賞味あれ

■Level 2, Galeries Victoria Building, 500 George St., Sydney ※ギャラリーズ地下、ボンダイ・ジャンクション店もあり ■(02)9262-7677 ■毎日11AM〜9PM

Macquarie
東京ラーメン

日本ラーメン100選にも選ばれた
絶品「ネギ味噌ラーメン」

■Macquarie Central, Waterloo Rd, Macquarie Park ※ホーンズビー、ブラックタウン店もあり ■(02)9888-5622 ■月〜水・金〜日9AM〜6PM、木9AM〜9PM、無休

CBD
麺処 翁さん

人気ラーメン・シェフ・翁さんが
手掛けた1号店

■Shop F1A, Sussex Centre Food Court, 401 Sussex St., Sydney ■(02)9281-0998 ■毎日12PM〜8:30PM

CBD
めんやシティ

ビジネス・パーソンが大挙して
押し寄せる人気店

■Shop2, 1 Market St., Sydney ■(02)9267-4649 ■月〜土ランチ11:30AM〜2:30PM、月〜水 土ディナー5:30PM〜9PM、木・金ディナー5:30PM〜9:30PM、日・祝休

CBD
もみじ

最強のコスト・パフォーマンスを誇る
絶品ラーメン

■Shop BE 303 Pitt St., Sydney ■(02)9283-3835 ■月〜金11AM〜2:30PM、土・日祝休

Glebe
らーめん ごくう

人気店「めんやシティ」の魂を受け継ぐ
学生に人気の名店

■30 Glebe Point Rd., Glebe ■(02)927-74649 ■火〜日ランチ11:30AM〜2:30PM、火・水・日ディナー5:30PM〜9PM、木・金・土ディナー5:30PM〜9:30PM、月・祝休

CBD
ラーメンずんど

研究を重ねたとんこつスープは
シドニーでも随一の味

■Ground Floor, 644 George St., Sydney ■(02)9264-6113 ■毎日11:30AM〜9PM

Neutral Bay
ラーメン恵 ニュートラル・ベイ

新たな激戦区ニュートラル・ベイで
翁さんが仕掛ける最新店舗

■Shop 4, 4-8 Waters Rd., Neutral Bay ■(02)8969-6126 ■月・火・木〜土12PM〜3PM、5PM〜9PM、日12PM〜4PM、5PM〜9PM、水休

Potts Point
Wok & Noodle Bar

キングス・クロスで不動の地位を築く
翁さんプロデュース2号店

■Cnr. Llankelly Pl. & Springfield Ave., Potts Point ■0456-734-209 ■毎日12PM〜3PM、6PM〜9PM

2018年6月25日現在(五十音順)

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