【QLD】気になる「あの人」に注目!オーストラリアで活躍中の日本人にインタビュー①

気になる「あの人」に注目!オーストラリアで活躍中の日本人にインタビュー

「人に歴史あり」という言葉があるように、成功、失敗、喜び、悲しみなどたくさんの経験を重ねて作り上げられているものが人それぞれにある。環境や境遇が違っても1人ひとりが歩んできたストーリーを聞くことは自分自身の人生においても大きな糧になることも多いだろう。本特集ではオーストラリアを中心に活躍をする5人にインタビューし、過去、現在、そして未来について語って頂いた。

心理カウンセラー&メンタル・ヘルス・アドバイザー
Chisakoさん

人生に疲れた時、誰かに話を聞いて欲しい時、日本人カウンセラーの存在はとても心強い。Chisakoさんのカウンセリング・ルームでは、ほとんどのクライアントが日本人、または日本人をパートナーに持つ人だと言う。どんなに時間が掛かろうと決して諦めずに勉強を重ね、より良いカウンセリングを提供するために自身を追求し続けてきたChisakoさん。クライアントの本当の笑顔が見たいと言う彼女に、ブリスベンでカウンセリング・ルームを営むに至った経緯や、カウンセリングに対する思い、今後のビジョンを伺った。

クライアントの本当の笑顔が見たくて

常に自身を追及してきた

「クライアントの本当の笑顔を見られた時に、私自身も元気をもらえるんです」と話すのは、ブリスベンで心理カウンセラー&メンタル・ヘルス・アドバイザーとしてカウンセリング・ルームを営んでいるChisakoさんだ。

オーストラリアに住んで17年、カウンセリング・ルームを開いて5年になるChisakoさんだが、ここまでの道のりは一筋縄ではいかなかったと言う。

クイーンズランド大学で約2年、昔から興味を持っていた心理学を学んだが、当時まだ小さかった子どもの育児や家事との両立が難しく、必要な単位を取るのに通常よりもかなり長い時間を要したそうだ。家族に負担が掛かることも度々あったため、何度も挫折しそうになったという。それでも最後まで諦めなかったChisakoさんは、後に武蔵野大学の通信制コースに編入し、認定心理士として必要な単位を全て取得して大学を卒業した。そして子育てが落ち着いた2013年に自身のカウンセリング・ルームを開いたのだ。

やっとの思いで開業したカウンセリング・ルームだったが、3年ほど経ったころ、自身のカウンセリング・スタイルに限界を感じるようになった。カウンセリングを始めたころにはまだ少なかった日本人のサイコロジストも増え、自分の存在意義を深く考えるようになったのだ。元々考え過ぎる性格だというChisakoさんは、「本当は良くなっていないのに、クライアントが気を遣って良くなったふりをされていないだろうか?」「治らないと申し訳ないと思い、無理をされていないだろうか?」と毎日のように悩んでいたという。代金をもらってカウンセリングをすることに自信が持てなくなり、予約が入るのがうれしい反面、怖くもあった、と当時を振り返って語る。

そこで自分自身をもっと深く追求する行動に出たのだ。さまざまなセミナーなどに通う中で出合った「YSメソッド」のお陰で、パズルのピースが埋まるように楽になれたという。YSメソッドとは、従来の心理療法とは異なり、自身の心理の核心部まで掘り下げて、本当の自分に出会うことを目的としたカウンセリング法だ。どんな心理療法も、ベースになる心の状態が整っていなければ無意味だとChisakoさんは言う。その効果を身をもって体験し、自身のカウンセリングにもこれを取り入れた。そして、他のカウンセリング・ルームにはない強みを見つけたことで、悩むこともなくなったのだ。

クライアントの笑顔が見られた瞬間が幸せ

Chisakoさんが、カウンセラーとして最もやりがいを感じる瞬間は、「クライアントの本当の笑顔が見られた時」だという。

カウンセリング・ルームに訪れるクライアントのほとんどが、始めは表情が硬く、笑顔が見られたとしても作り笑いであることも多い。悩みを抱えている上に緊張していれば、表情がこわばってしまうのは当然のことだ。しかし、カウンセリングを重ねるうちに気持ちが解きほぐされ、ふとした時に心からリラックスした笑顔が見られると、Chisakoさん自身も元気になれると言う。クライアントの気持ちを一番に考えるChisakoさんにとって、作り笑いでも、気を遣って良くなったふりをしたわけでもない、「本当の笑顔」が一番の活力になるのだ。

ヒーリング・ミュージックが流れるリラックスした雰囲気のカウンセリング・ルーム。安心してカウンセリングを受けられる
ヒーリング・ミュージックが流れるリラックスした雰囲気のカウンセリング・ルーム。安心してカウンセリングを受けられる

今後のビジョンについて尋ねると、「現在カウンセリングとは別の活動として、終末期の緩和ケア・サポートのボランティアに関わっており、(そこで知り合った同士たちと共に)日本から遠く離れた土地に暮らす日本人が、人生の最後に母国語である日本語で受けられるサービスや、普段の生活の中で皆が気兼ねなく集まれる“集会場”のような施設を作りたいです」と話してくれた。また、カウンセリング・ルームについては、更により多くのクライアントの役に立ちたいと言う。まれに批判的な声を聞くこともあるそうだが、その声に負けてしまっては救われるはずの人が救われない。そんなことがないように、全ての悩める人の窓口になりたいと力強く語ってくれた。

Chisako(河合ちさこ)◎クイーンズランド大学から武蔵野大学に編入後卒業。教養学を学ぶも、元々興味を持っていた心理学に転向する。オーストラリア在住17年。2児の母。2013年にブリスベンでカウンセリング・ルームを開業。自身のカウンセリング方法に限界を感じていたころに出合った「YSメソッド」によってスタイルを確立する。心理カウンセラー&メンタル・ヘルス・アドバイザーとして活躍中。

Kokoro Brisbane(こころの悩み相談室 in Brisbane)
■住所:Unit 8AS / 96 Wilkie St., Yeerongpilly, QLD ■Tel: 0423-062-664 ■Web: www.kokorobrisbane.com ■営業時間:予約状況によるため応相談、不定休


Beenleigh Road Medical Centre General Practitioner
小林孝子先生

日本人の「General Practitioner(以下、GP)」で、女医の小林先生は常に「自分が患者だとしたらどう思うか」を考える。人はそれぞれ、さまざまな考えを持ってクリニックを訪れる。そんな人びとの気持ちを大切にしたいと考えているからだ。将来のことも考え、後進の育成も熱心に行っている。更にオーストラリアにいる若い日本人はもちろん、来豪前の人たちに向けた予防接種の重要性やコンドーム着用の徹底、性感染症のチェックなど、自分の身を自分で守るための触れにくい重要な問題に対して注意を喚起させる活動にも取り組んでいる。

オーストラリアを訪れる日本人へ、
女医として情報発信

オーストラリアで医師になるまで

小林孝子先生はブリスベン郊外のサニーバンク・ヒルズにあるビーンリー・ロード・メディカル・センターでGPとして勤務し、特に小児や女性の健康、メンタル・ヘルスに詳しく信頼されている医師だ。また女医として、女性にとってデリケートな問題も日本語で相談できるので、遠くから受診に訪れる人も多い。

かつて日本の病院で臨床医として忙しい日々を過ごしていた中でシドニーへ留学した同じ医局の先生に、後継者としてオーストラリアへの留学を誘われたことが来豪のきっかけ。外国へ留学するというめったにないチャンスに二つ返事で引き受けたという。

留学先では10年以上経験のある臨床医でも学生扱いされるような環境で、戸惑うことが多かった。「当時は言われたことをやるよりも、自分をアピールすることの方が、大切だということが分かっていませんでした。オーストラリアでは他の人がどう思おうと、自分のやりたいことや創造性を人に伝えることが大事です」と振り返る。

現在のご主人と出会い、結婚について両親から反対されたが、オーストラリアで医師免許の取得を条件に結婚を認めてもらったという。その後、医師免許を取得するため情報を集め始める。英語の教科書を1から勉強し直すが、試験は「ふるい分けて落とす」ため合格率が低く、何度もチャレンジした後、ようやく医師免許を取得したのだ。

病院で働くためには、普通の医師というだけではなかなか雇ってもらえなかったという。小林先生は、「勉強も大事ですが、これがやりたいというメッセージを人に伝えることでコネクションを作り、積極的にオーストラリアの社会に入って行きました。プレッシャーはありましたが、不思議と諦める気持ちはなかったです。いつも助けてくれた子どもたちや主人に感謝しています」と語る。

日本人へ向けて、そして将来のこと

オーストラリアは、日本と医療に対する考え方や環境が異なり日本人にとっては何かと不便だ。すぐ病院に行っても診てもらえなかったり、入院日数も短く、人間ドックもない。また日本人のサイコロジストやフィジオセラピスト、薬剤師なども少なく、オーストラリア人医師からのケアに不安を感じる人もいるだろう。

「オーストラリアは基本的に予防できる病気は自分で予防しようという国です。予防接種やスクリーニング検査を積極的に奨励しているのに対し、日本は病気にかかったら良い医療を提供するという国なので、病気になると多くの検査をします。

オーストラリアは多民族国家なので、日本人社会のように皆同じことを言いませんし、言わずに分かってくれる人は少ないです。違うことをいろいろな人が言います。

自分が病気の時、相手に理解してもらえないことはとても不安です。そんな時は日本語の話せる医師に相談しましょう。大抵のオーストラリア人医師は正しいことをしていますが、日本人のような接し方を知りません。仲良くなって相手に自分のことを知ってもらいましょう。この国はコミュニケーションがとても重要です」と話す。

マイ・ヘルス基金の活動で使用しているSTD(性感染症)予防に関するパンフレット
マイ・ヘルス基金の活動で使用しているSTD(性感染症)予防に関するパンフレット

小林先生はGPとして勤務する傍ら、マイ・ヘルス基金を設立し来豪する日本人へ向けて想定外の妊娠や性感染症の問題を啓蒙する活動も行っている。

これらの問題は話題にすることが難しく、日本の専門医もあまり行っていない。しかし、はしかの流行や梅毒の増加などの問題はオーストラリアにも影響を及ぼしかねない。来豪前の予防接種や性感染症のチェック、コンドーム着用の徹底など、自分の身は自分で守ることを注意喚起したいという思いから、セミナーを開催したりフェイスブック(「My Health Brisbane and Gold Coast」で検索)で情報発信などを行っている。

今後は、オーストラリアへの恩返しとして医学生や後進のGPの教育を続けたいと考えている。高齢化が進み、オーストラリアに住む日本人が増える中で複数の日本人医師が必要とも考えている。

「日本の若い医師で、オーストラリアのGPに興味を持っている方には、クリニックの見学を大歓迎します。日本のケア・システムに新鮮な風を吹き込むお手伝いをしたいです」と抱負を語ってくれた。

小林孝子(こばやしたかこ)◎日本で内科医として勤務。オーストラリアの医師免許を取得し、ゴールドコースト・ホスピタル、マーター・ホスピタルなどに勤め、8年前よりビーンリー・ロード・メディカル・センターでGPとして勤務。子どもと女性の健康やメンタル・ヘルスに詳しく、日本語で受診できる女医として高い信頼を得ている。日本の性教育の遅れなどから、オーストラリアを訪れる日本の若者に向けて、予防接種の重要性、性感染症のチェック、避妊の徹底などを啓蒙するためにマイ・ヘルス基金を設立し、セミナーやウェブサイトなどで情報発信を行っている

Beenleigh Road Medical Centre
■住所:565 Beenleigh Rd.(Cnr. WynneSt.), Sunnybank Hills QLD ■Tel: (07)3345-9166 ■Web: beenleighroadmedical.com.au/ ■Email: tk_medical@outlook.com ■Facebook: 「My Health Brisbaneand Gold Coast」で検索 ■診療時間:月~金7:30AM~5:30PM、土8AM~12:30PM、日・祝休、(小林先生勤務時間)月~水・金9AM~4PM、木9AM~1AM、土・日・祝休


カズコ・ぺリューさん

日本人のズンバ・インストラクターとしてゴールドコーストで活躍中のカズコ・ぺリューさん。明朗快活なキャラクターのカズコさんが指導するズンバは、日本人のみならずさまざまな国籍の生徒から圧倒的な支持を得ている。自身が主宰するズンバのクラス“Zumba with Kaz”では、ハイ・カロリー燃焼のメニューが組まれていることが特徴で、踊りのうまい下手は関係なく、とにかく楽しくズンバを踊ることをモットーにしている。カズコさんのズンバとの出合いや同クラスの人気の理由など話を伺った。

夢中で踊る楽しさを体験できるズンバ・ウィズ・カズ

とことんはまったズンバとの出合い

カズコさんとズンバとの出合いは、今から8年前、ズンバ・フィットネスがアメリカからオーストラリアに上陸し、はやり始めたころだった。ズンバ・フィットネスは今年、誕生から10周年を迎える。ズンバを体験するとあっという間にその魅力にはまり、虜になったという。ただ、幼少から“踊る”ことが常に身近にあったカズコさんにとって、この流れは必然と言えるものだった。

幼いころからクラシック・バレエを習い続けていたカズコさんには、短大卒業後に就職した保険会社で多忙な生活を送る中でも、常に心のどこかで“踊りたい!”という気持ちがあったという。5年間勤めたOL生活からフランスのバカンス会社、クラブメッドへ転職するきっかけも、リゾート内のエンターテインメントの1つとして、踊ることができるステージ・ショー部門があるからだった。その願いが叶って、毎晩ショー・タイムに出演してステージで踊ることができた。

その後、同じ職場で働いていたフランス人のご主人と結婚して退職。1998年に夫婦でオーストラリアへ移住してからは、妊娠と出産、子育てに追われ家庭中心の生活が続いたという。ようやく、子育てから少し手が離れた2010年、自宅近所にズンバのクラスを見つけ、試しに参加してみたところ“これは面白い!はまってしまう”と実感したそうだ。週1回だけ通うはずだったクラスは、2回、3回と通う回数が増えていき、いつの間にか毎日通うようになってしまったという。

「エネルギーを発散してラテン音楽で踊る爽快感と、全てを忘れて“無”になれるズンバの魅力にとことんはまってしまった」と笑ってカズコさんは語る。

平凡に歳を取りたくない!

毎年いつものように家族でお祝いをする、ある年のカズコさんの誕生日のこと。カズコさんには、それまでとは違う決意があった。「これからは、普通に歳を取りたくない!」と家族に宣言。それまではインストラクターの下でズンバを踊ってきたが、自分がインストラクターになって踊ろうと決心したのである。

早速トレーニングに参加して、ズンバ・インストラクターのライセンスを取得した。カズコさんが心底はまったズンバの魅力である、ラテン音楽に身を委ね楽しく踊るのみならず全てを忘れて夢中になれる感覚を1人でも多くの人に味わって欲しいと、クラスを持ち始めた。

そして今年は、コモンウェルス・ゲームの開幕式でサーファーズ・パラダイス・ビーチをイメージした約6分間のグループ・ダンス・パフォーマンスに出演した。ボランティアのダンス・パフォーマーの書類選考とオーディションを受けて、年齢、人種もさまざまなパフォーマーたちと数日間に及ぶ長時間のリハーサルをこなし、晴れの舞台に参加できたことは貴重な体験だったという。これから先も、平凡に歳を重ねるより、チャレンジし続ける生き方をしたいとカズコさんは目を輝かせる。

Zumba with Kazで踊ろう!

生徒と一緒にジャパン&フレンズ・デーのイベントに参加
生徒と一緒にジャパン&フレンズ・デーのイベントに参加

カズコさんにとって、ズンバは“生きていて良かった!”と自らの「生」を実感できる掛け替えのないもの。カズコさんがインストラクターを務める“Zumba with Kaz”は、経験やうまく踊れる踊れないは一切関係なく、とにかく楽しく、気持ち良く踊ってカロリー燃焼することを目標にしているクラスだ。ウォーム・アップからクール・ダウンまで1時間ノン・ストップのクラスでは、牛丼1杯分の約700キロ・カロリーを消費できる。

また、いつも新鮮な感覚で踊れるように2カ月ごとに新しい曲と振り付けが加わるので、常連の生徒だけでなく、男性も含め初めて参加する人たちにも人気がある。予約は必要ないので、友人同士、家族や夫婦で一緒に下記のクラスに参加してみよう。

カズコ・ペリュー◎川村女子短期大学卒業後、明治安田生命の本社営業部に5年間勤務。その後、フランスのバカンス会社クラブメッドに転職、3年勤務。“天国に一番近い島”として人気となったニューカレドニアに配属された際、そこでシェフとして働いていたフランス人のご主人と出会い結婚し退職。1998年に夫婦でオーストラリアへ移住。2010年に初めて体験したズンバに魅了され、15年にズンバ・インストラクターの資格を取得。現在、ゴールドコーストのロビーナとウォロンガリーでズンバのフィットネス・クラス“Zumba with Kaz”を毎週開講している

Zumba with Kaz
■会場:67 Mudgeeraba Rd., Worongary(マジラバ・ショー・グラウンドから1分)、Robina State High School, 1 Investigator Dr., Robina(ロビーナ・ホスピタル横)■Tel: 0414-662-917 ■Web: kazukop.zumba.com ■Email: kazukopey65@me.com ■Facebook:「Zumba with Kaz」で検索 ■レッスン開催日:毎週木10:30AM~11:30AM(ウォロンガリー)、毎週土9AM~10AM(ロビーナ)


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