オーストラリア モトGP観戦ガイド

さらにパワーアップしたモンスター・バイクの戦い

オーストラリア 
モトGP 2012 観戦ガイド

2012年モトGPの第17戦オーストラリア・グランプリ(GP)が10月28日、メルボルンの南にあるフィリップ島で開催される。地元オーストラリア出身の世界チャンピオン、ケーシー・ストーナーの最後の年など話題が多い今回のレースの見どころを紹介する。情報は9月19日現在

オージー・ライダー、ストーナーの活躍に期待

昨年、2度目の年間世界チャンピオンに輝いたケーシー・ストーナー(ホンダ)は、今年も中盤までは好調を保った。昨年は、オーストラリアGPを含め10勝350ポイントを挙げ、2位のホルヘ・ロレンツォ(スペイン、ヤマハ=3勝260ポイント)、3位アンドレア・ドヴィツィオーゾ(イタリア、ホンダ=無勝228ポイント)に大差で優勝した。3勝を挙げたダニ・ペドロサ(スペイン、ホンダ)は、レース中の転倒により4戦無得点が響き4位に終わった。


豪州GP6連勝の期待がかかるケーシー・ストーナー(写真提供=ホンダ)

2012年のモトGPでは、ストーナー、ロレンツォ、ペドロサの3強の戦いとなっている。

ストーナーは第2戦スペインGPをはじめ4勝。ロレンツォは第1戦カタールGPを含めて6勝。また出遅れたペドロサだが、7月のドイツGPから3勝し、上位に食い込んできた。9月16日の第13戦サンマリノGPまででは、ロレンツォが1位270ポイント、ペドロサが2位232ポイント、ストーナーが3位186ポイントという順位となっている。

ストーナーは、8月の第11戦インディアナポリスGP(米国)の予選で転倒し、右足くるぶしのじん帯を損傷。決勝には参戦し4位の成績を収めたが、決勝レース後、外科手術を行った。このため次のチェコGPを欠場。9月中の復帰は現在のところ厳しい状況だ。10月の日本GPからの参戦が期待される。


ダニ・ペドロサ(左)とホルヘ・ロレンツォ(写真提供=ヤマハ)

総合ポイントで1位のホルヘ・ロレンツォ(写真提供=ヤマハ)

今年10月に27歳になるNSW州出身のストーナーは、2007年に当時17歳のアドリアーナと結婚、今年1月には長女アレッサンドラちゃんが誕生し、充実したレース生活を送っていた。しかし今年5月、2012年シーズンを最後に引退し、13年以降は参戦しない意向を発表している。

レースに熱意を感じなくなったことが理由としているが、度重なるレギュレーションの変更、スズキやカワサキの撤退、自身の健康問題などが重なった結果の決断と言われている。地元オーストラリアでの反響は特に大きいものの、「残念だが、ストーナーの決断を大事にしたい」など好意的な意見が多い。

今年のフィリップ島でのレースがストーナーのオーストラリアのファンに見せる最後のレースとなる。ストーナーは07年からオーストラリアGPを5連勝中である。最後となる今年のレースでも優勝して有終の美を飾ってくれることだろう。

F1グランプリでもマイケル・シューマッハ、キミ・ライコネンなど数年のブレークの後で復帰して活躍している選手もいる。いつかストーナーの雄姿を再び見られることを切に期待している。

モトGPのエンジン排気量がアップ

今年からエンジン排気量が、これまでの800ccから1,000cc4ストロークへと大きく増加した。最大排気量1,000cc、最大4気筒、最大シリンダー・ボア81mmのエンジンが新しい規定である。

1,000ccエンジンは、大きなパワーを生み出し、強烈な加速と直線での高速が魅力だ。ストーナーのデータでは、カタールGPでは昨年の最高速324km/hに対して今年は331km/h、スペインGPでは昨年280km/hに対し285km/hを記録している。300kmを超える最高速は、実は4輪のF1グランプリとほとんど変わらない。高性能エンジンを得意とするホンダやヤマハの日本勢には望むところだろう。


ケーシー・ストーナー(写真提供=ホンダ)

高速や難しいコーナーリング、オーバーテイク時のバトルと、観客にとってはよりレースの魅力が増す。しかし一方では、モトGPライダーにとってはより過酷なレーシング・コンディションとなる。

ぎりぎりの環境の中でのこのスピード・アップは大きな変化をレースに与える。例えばより早いタイミングでブレーキをかけることが要求されるようになる。また、大きなエンジンを積むわけだからもちろん重量は増加する。マシンによって異なるが4〜5キロは増えることになる。

燃料タンクは昨年と同じ21リットル。燃費が気になるところだが、F1グランプリと違ってガス欠せずに走り切れるためピットインはない。


大会を彩るグリッド・ガールズの美女競演も見逃せない

日本人ライダーはモト2・モト3に参戦

日本人ライダーだが、昨年までは青山博が参戦したが、今年は残念ながらモトGPでの参戦はない。モト2クラス(600ccエンジン)には中上貴晶と高橋祐紀、モト3クラス(250ccエンジン)には藤井謙汰が参戦している。レーシング・テクニックではモトGPより難しいといわれるこのクラスで活躍する、彼ら日本人ライダーをぜひ応援しよう。

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■観戦に適した服装

観光地として名高いフィリップ島は、メルボルンから140キロ南にある。ペンギン・ツアーやコアラの生息地として知られ温暖なイメージがあるが、“咆ほうこう哮する南緯40度”と呼ばれるバス海峡から冷たく強い風が吹き付けるため、想像よりも寒さが厳しい。警備員などを務める地元の人の服装は、完全な真冬用防寒具で身を包んでいる。

また、雨が降ると会場周辺はかなりの悪路となるので、冬用のレイン・ジャケットや長靴、また観戦時に会場で広げるビニール・シートなども準備しておくこと。晴天の場合は、もちろん日焼け止め、サングラス、帽子をお忘れなく。

 

■会場までのアクセス

メルボルンからはシャトル・バスが運行している。市内フェデレーション・スクエアからフリンダース通りをラッセル通り方面に行くとバス乗り場がある。運行時間は曜日によって違うが、決勝戦当日は朝6時45分と9時半の2便が運行している。料金は大人往復37ドルなど。

メルボルン空港から会場まで毎朝10時に1便だけ直行バスが運行されている。料金は大人60ドルなど。

鉄道でシティのフリンダース駅、サザン・クロス駅からストーニー・ポイントまで行って、フェリーボートでフィリップ島へ渡る方法もある。本数が限られているので遅れないこと。片道37ドルなど。

 
■イベントも多数開催

会場では各種イベントが行われるが、目玉はやはりライダーたちによるサイン会だろう。26・27日に行われ、ストーナーなど世界のトップ・ライダーの直筆サインが入手できる。朝8時15分から9時までに所定の場所に並んで整理券をもらうこと。

決勝戦のある28日の午前中は、9時過ぎからスーパー・バイク・レースやモトGPのウォームアップなどが行われる。 午後12時25分からは、モトGPライダーのパレードがある。1時からはモト3クラス決勝レース(23周)、2時20分からはモト2クラス決勝レース(25周)と続き、4時からモトGP(27周)がスタートする。

 
■フィリップ島や周辺の観光も

せっかく会場を訪れたなら、自然がふんだんに残されているフィリップ島やモーニントン半島、ギップスランドで、1、2泊して雄大な自然を楽しみたいところ。

フィリップ島の有名なリトル・ペンギンのパレードは、周囲がまっ暗になったころに始まる。コアラやアザラシの保護地なども近い。

フィリップ島のホテルが取れない場合はモーニントン半島がお勧めだ。オーストラリア最大の生垣迷路のアシュコムメイズや、断崖絶壁の絶景ケープ・シャンク、メルボルンっ子の避暑地、フリンダースなどを巡ってみるのもいいだろう。

■2012 AirAsia Australian Motorcycle Grand Prix
日程:10月26日(金)〜28日(日)
会場:Phillip Island Grand Prix Circuit, Cowes VIC
料金:一般$45〜、グランド・スタンド$285〜、VIP$900〜
Web: motogp.com.au


文=イタさん(板屋雅博)ジャーナリスト。
日豪プレスのコントラクト・フォトグラファー。AFL、テニス、ゴルフ、F1、サッカー、競馬などメルボルンのプロ・スポーツをメインに取材、撮影。メルボルンの情報・歴史が盛りだくさん「メルボルン百景(melhyak.web.fc2.com/)」も更新中。

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