春のウエディング特集

 オーストラリアに短期滞在の予定が「運命の人に出会いそのままゴールイン」という話は少なくない。しかし、婚約を済ませ「さあ次は結婚式!」となった時、いったい何から準備をすれば良いのだろう? 日本とは形式が異なるオーストラリアの結婚式。これから式を挙げる人も、式に招待された人も、文化や慣習の違いで戸惑わないために、オーストラリアのウエディング事情を今回しっかり予習しよう。(編集・構成=小副川晴香)

オーストラリアのウエディング事情

キリスト教徒が国民の過半数を占めるオーストラリアでは、新郎新婦のどちらかが所属する教会で式を挙げるのが主流だ。しかし多文化社会化が進む同国では、結婚式のスタイルは多種多様。最近では、宗教にとらわれずビーチや公園、自宅などさまざまな場所で式を挙げるカップルが増えている。

オーストラリアには、政府機関の婚姻登記所にて婚姻登録を行う登記結婚(Registry Wedding)、教会で牧師または神父の立ち会いの下に結婚する教会結婚(Church Wedding)、マリッジ・セレブラント(結婚立会人)の立ち会いの下に結婚する人前結婚(Civil Wedding)がある。式はどこで挙げても良いが、公園など公共の場所を希望する場合は、カウンシルの許可が必要なので早めの準備が必要だ。

婚姻が成立するには、挙式の1カ月前にマリッジ・セレブラント、または牧師・神父と面談の上、結婚希望通知書を提出。そして結婚式当日に有資格者の前で結婚の誓いをし、婚姻証明書に新郎新婦および証人2人のサインをして、法的に婚姻が成立する。日本人の場合、これに加え、日本大使館または領事館に婚姻届を提出することで、日本でもこの結婚が法的に認められる。

結婚式当日の流れ

準備スタート

新婦は自宅や宿泊先のホテルまでヘアメイクさんに来てもらい、そこで準備をする。ブライズメイドも同時にヘアメイクをしてもらう。新郎新婦は別々に会場入りするのが一般的。

挙式

マリッジ・セレブラントもしくは牧師・神父の立ち会いの下、誓いの言葉を立てて婚姻証明書にサイン。式自体は30分前後で終了する。

披露宴(レセプション)

会場に移動し、ウエルカム・ドリンクやカナッペなどが振る舞われた後、コース料理を頂く。食事中は日本の披露宴のような余興は行われない。食事後にケーキ・カットやブーケ・トス、ダンス・パーティーなどが行われる。

日本とはここが違う!

◆準備は自分たちで行う

ウエディング・プランナーを雇うカップルもいるが、結婚式の準備はすべて自分たちで行う人が圧倒的に多いオーストラリア。式場の予約をはじめ、ケーキはケーキ・ショップ、ブーケはフローリストとそれぞれ別々のところに発注するので段取りが必要だ。

 

◆新郎新婦の付添人

海外ドラマなどで新郎新婦の横におそろいのドレスとタキシードに身を包んだ男女を見たことはないだろうか。彼らは新郎新婦に付き添って結婚式前から式が終わるまで2人のサポートをする役目を担う。新婦側につく女性は「ブライズメイド(Bridesmaid)」、新郎側につく男性は「グルームズマン(Groomsman)」と呼ばれる。ブライズメイドとグルームズマンは、主に新郎新婦の未婚の友人、親族の中から3~5人程度選ばれるのが一般的だ。ブライズメイドは、お揃いのドレスを着てブーケを持ち、見た目にも華やかに見えることから、最近日本でも徐々に人気がでてきている。

 

◆セーブ・ザ・デートを送る

結婚式の日程が決まったら、正式な招待状を送る前に「セーブ・ザ・デート(Save the Date)」と呼ばれるカードを、招待予定のゲストに送る。これは、「○月○日に結婚式をするので空けておいてください」という意味で、婚約したことをゲストにお知らせするもの。また、オーストラリアでは通常、結婚式に夫婦、パートナーなどペアで招待することが多い。

 

◆ドレスは当日まで新郎に教えない

ウエディング・ドレスはレンタルよりも購入するのが一般的だ。また、新郎と一緒にドレス・ショップに足を運びドレスを選ぶ人が多い日本と違い、オーストラリアでは結婚式当日まで、ウエディング・ドレスは新郎に見せない。ドレスは新婦の母親やブライズメイドと選ぶのが主流だ。

 

◆スタッグ・ナイト、ヘンズ・ナイト

オーストラリアでは、結婚式前に同性の友達と「独身最後のどんちゃん騒ぎ」をする習慣がある。新郎が男友達たちと集まるのを「スタッグ・ナイト(Stag Night)」、新婦が女友達と集まるのを「ヘンズ・ナイト(Hens Night)」と呼ぶ。パブやナイト・クラブに出かけて夜通し踊り明かしたり、自宅にストリッパーを招くなどして大いに盛り上がるのが一般的だ。

 

◆リハーサル・ディナー

結婚式の前日、新郎新婦両家の両親、牧師などの司式者、ブライズメイドやグルームズマンが集まりリハーサルを行う。その後、兄弟姉妹や親族、親しい友人を集めてセミフォーマルな食事会「リハーサル・ディナー(Rehearsal Dinner)」を開く。プレ披露宴と位置づけられるリハーサル・ディナーでは、両家やゲスト同士が交流を図り、翌日の結婚式へ向けて気分を盛り上げていく。

 

結婚式にはいくらかかるの?

結婚式にかかる費用

気になるのが結婚式にかかる費用だ。オーストラリアで結婚式を挙げると大体いくらぐらいかかるのだろうか。マーケットリサーチ会社IBISワールドが2011年に発表したデータによると、オーストラリアの結婚式の平均費用は3万6,200ドル(約340万円)だった。決して安くはない結婚式費用、今からしっかり貯金しておこう。

ご祝儀事情

オーストラリアにもご祝儀はある。新郎新婦が指定したデパートなどに行き、あらかじめ2人が登録した「欲しいものリスト」から、自分の予算に合わせてプレゼントを贈るのが主流だ。しかし最近では、プレゼントの代わりに現金やギフト・カードなどを贈る人も多い。現金だと相場はおよそ1人100ドルくらい。カップルの場合、まとめて150~200ドル包む人もいる。オーストラリアには引き出物の習慣がないため、現金を贈る場合でも日本に比べると安い。

コストを削減するには?

結婚式の準備を進めていくうちに「あれもやりたい、これもやりたい」と目移りし、いつの間にか予算オーバーになることは多い。では、結婚式の資金はどこから捻出すれば良いのだろうか?

オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の一般向け金融情報サイト「マネー・スマート(MONEY SMART)」が2013年に400人を対象に行ったオンライン調査では、結婚式のコストを抑えるために、①招待客の数を抑えた、②会場のデコレーションを手作りした、③自宅や友人宅のガーデンで式を挙げた、④平日に式を挙げた、などの回答が上位を占めた。また、予想以上にコストがかかったアイテムとして、写真、食事、会場装花代などが挙げられた。結婚式の予算に関し、「予算内に抑えた」と答えた回答者は43パーセント。一方、「予算をオーバーした」は35パーセント、「予算は決めなかった」が18パーセントだった。

結婚式のために十分な貯金を蓄えておくことはもちろん、結婚が決まった早い段階でパートナーと話し合い、「何を優先したいのか」を見極めたうえで準備を進めれば余分なコストを抑えることができるだろう。

結婚式までの段取り&スケジュール

結婚式の日程が決まったら、式に向けて準備することはたくさんある。式の約1年前から準備を開始するのが一般的だが、自分たちで1から結婚式の準備するのは予想以上に大変。段取りをしっかり立てて、最高の式が迎えられるようにしよう。

編集部員Hが体験したAUS挙式でのハプニング No worriesは危険!?

十分に準備をしたにもかかわらず、結婚式当日に思わぬハプニングに見舞われることはある。晴天の日にビーチ沿いのレストランで行われた披露宴。ビデオ上映の時、太陽光がサンサンと室内を照らしたため、スクリーンにビデオがほとんど映らなかった。今思えば、事前打ち合わせの際、レストラン担当者の「No worries!(大丈夫だよ)」という言葉を信じ、テスト上映をしなかったのが原因。しかし、長い結婚生活。そんなハプニングも後になってみれば笑い飛ばせるもの。

 期間の目安  準備すること  ワンポイント・アドバイス
1年前 式の日取り、予算、会場選び 人気のレストランはすぐ予約が埋まる。お目当ての会場があったら早めに予約を!
10~8カ月前 付添人の決定、ウェディング・ドレス選び ドレス製作には時間がかかる。余裕をもってオーダーしよう。
8~半年前 「セーブ・ザ・デート」カードを送る、ヘアメイク、料理、ケーキ、会場装花、音響、写真撮影などの発注先・担当者を決める どんな結婚式にしたいのか、具体的なイメージやテーマを担当者に伝えよう。
半年~4カ月前 ブライズメイド、新郎・グルームズマンの衣装選び、ハネムーンの予約 ブライズメイドのドレスは新婦が負担するのが一般的。
3カ月前 招待状の作成、結婚指輪の購入 大人だけ招待する場合は、招待状にひと言添えよう。
2カ月前 各担当者と最終打ち合わせ、招待状を送る 担当者と自分のイメージが食い違わないよう、事前の打ち合わせは入念に。
1カ月前 返信がない招待客に出欠確認、ドレスの最終フィッティング、スピーチの依頼 いよいよ挙式まで1カ月。ここが踏ん張りどころ。
2週間前 ブライズメイドなどと当日のスケジュール確認、ハネムーンの準備 細かい作業などは、ブライズメイドにも協力してもらい自分たちの負担を少なくしよう。
1週間前~数日前 エステ、ネイル・サロンに行く、当日必要なものを会場に搬入 準備に追われ体調を崩しやすい。睡眠はたっぷり取ろう。
数日前~挙式前日 当日の持ち物の最終確認 早く寝て当日に備えよう。

「ワタベウェディング」が日本語でトータル・サポート


ハンター・ベイリー教会(ワタベウェディング提供)

「結婚式まで時間がない」「どこから準備していいか分からない」など、準備に不安がある人はウエディング・プランナーを雇うことをお勧めしたい。ウエディング・プランナーは、カップルの意見や要望を聞きながら、それぞれの人にあった最高のウエディングをプロデュースする、いわば結婚式のスペシャリスト。しかし、オーストラリアで雇うとなると言葉の壁が不安ではないだろうか。

そんな時にお勧めしたいのが、挙式サービス大手「ワタベウェディング」傘下の「ワタベウェディング・オーストラリア」。同社は、ケアンズ、ゴールドコースト、シドニーに支店を展開し、オーストラリアでの挙式サービスを行っている。ウエディング・ドレス販売やヘアメイク、写真撮影など必要なものはすべて手配可能なので、挙式のアレンジがトータルにできるのが嬉しい。

また、同社にはウエディング・プランナーとウエディング・コーディネーターが常駐し、新郎新婦を全面的にサポートする体制が整っている。ウエディング・プランナーは、カップルが予約した内容に基づき、教会やカメラマン、ウエディング・カーなど各関係者とのスケジュール調整を行い、結婚式当日は彼らの仕事がスムーズに運ぶように全体を指揮する。

一方、ウエディング・コーディネーターは、式当日に新郎新婦に付き添ってお世話をするほか、ブライズメイドやグルームズマン、リング・ボーイなどを務める周りの人たちにも気を配り、撮影にベストな位置や動き方、笑顔の作り方まで説明してくれるので、オーストラリアで初めて式を挙げる人や日本から来る家族、友人にも心強い存在と言える。

国際結婚が増えている中、オーストラリアと日本の両国で結婚式を挙げるカップルが増えている。既に日本で婚姻届を提出したものの、オーストラリアの教会で式を挙げたい人もいるだろう。


セント・メアリー・ウェイバリー教会(ワタベウェディング提供)

今回お話を伺ったワタベウェディング・オーストラリアのシドニー店の担当者は、「オーストラリアでは入籍済みのカップルを対象に挙式を行ってくれる教会は少ない」と話す。しかし、同社が提携している教会は、既に入籍済みの人に対して特別に式を行ってくれるほか、通常は信者か結婚講座を受講しないと式を挙げられない教会が多い中、牧師・神父と1~2回の面談するだけで式が挙げられるとのこと。同社のサービスはオーストラリア在住の日本人にも人気が高く、年間150組のカップルが利用している。

オーストラリアで現在できるウエディングは、教会ウエディング「Web婚」と写真撮影を行う「Photo婚」。シドニーでは、南半球一高い尖塔をもつ由緒ある旧英国式教会の「ハンター・ベイリー教会」や手入れの行き届いたガーデンのある旧英国式スタイルの教会「セント・メアリー・ウェイバリー教会」が人気である。

また、ウエディング・ドレスを着てオペラハウス前やガーデンなどで写真撮影を行う「Photo婚」はオーストラリア在住の日本人のみならず、ハネムーンを兼ねて日本からオーストラリアに来るカップルからのニーズも高いそうだ。

日本からワタベウェディング・オーストラリアを利用するカップルが増えているという。約半年前に日本のワタベウェディングの店舗を通じて挙式を行った、大阪府堺市在住の中谷様ご夫妻もその1組。「短時間の挙式や撮影だったが、『こうすればよかった』などの後悔も一切なく、家族とともにこの日をハッピーに迎えることができた」と話していたそうだ。日本のウエディング・プランナーと現地スタッフが連携し、日本で準備してきたことをスムーズに実現できるのもワタベウェディングならでは。日本人スタッフが挙式に同行するので、英語に不安がある人も安心だ。

     マニュエル様&マイ様ご夫妻          中谷様ご夫妻           渡邊様&ヴェロニカ様ご夫妻

船上ウエディングは「キャプテン・クック・クルーズ」にお任せ

オーストラリアらしい結婚式を挙げたいのであれば、船をチャーターして船上ウエディングはいかがだろうか?

オーストラリアの老舗クルーズ会社「キャプテン・クック・クルーズ」では、クルーズ・ウエディングが人気だ。シドニーに船を14隻所有する同社では、ゲストの人数に合わせて10人から700人まで収容できるパーティーが可能と

いう。挙式、披露宴はもちろん、スタッグ・パーティーやヘンズ・パーティーもできる。

また、同社では料理やアルコールのほか、船内のデコレーションやチェアー・カバーなどの装飾、ケーキ、マリッジ・セレブラントの手配など、カップルの希望や予算に合わせて幅広くアレンジができるのも人気の秘訣だ。

クルーズというと「値段が高い」というイメージがあるが、40人乗りの船を貸し切って披露宴を行った場合、3時間のクルーズ、ビュッフェ料理、アルコール込みで1人当たり平均価格が102ドルとリーズナブルな価格設定も魅力的。

キャプテン・クック・クルーズの平林氏によると、航路はオペラハウスやハーバー・ブリッジが見えるシドニー湾を中心としたエリアが人気だが、「桟橋がある所なら乗船が可能」とのことで、ミルソンズ・ポイントやワトソンズ・ベイなどからも乗船できるという。

寒さの厳しい冬が終わり、頬をなでる海風が心地良い春は、まさにウエディングのベスト・シーズン。シドニー湾の美しい夜景をバックに、特別なひとときを特別な人と過ごしたい人にはぜひクルーズ・ウエディングがお勧めだ。

プロに聞くウエディング写真

結婚式で欠かせないのがウエディング写真。オーストラリアでウエディングの写真撮影をしてもらう時は、どんなことに注意すれば良いのだろうか。シドニーでプロのカメラマンとして活躍する小針クリストファー氏にお話を伺った。平日はサラリーマン、週末は本業のカメラマンと2足のわらじを履く小針氏は、カメラマンとして8年のキャリアを持つ。フレンドリーな人柄が印象的だ。

小針氏が重視しているのは、式前の打ち合わせ。最低でも2回は打ち合わせをし、「どんな写真を撮ってもらいたいか」など、入念にヒアリングを行うことで、その人の個性やカラーを引き出していくのだという。日本で育ち、オーストラリア在住歴も長い小針氏は、日本とオーストラリアの文化や風習の違いを熟知。そのため、日本人のお客様に対しても、さまざまなアドバイスを提供することができるそうだ。

「明るく楽しくハッピーに」がモットーの小針氏。スタジオ写真を重視する日本と違い、オーストラリアでは自然体の写真が好まれるという。だからこそ「カメラマンとの信頼関係がカギ」なのだとか。挙式当日は、アシスタントとともに式の準備段階から写真撮影を行うそう。新郎新婦のみならず、親族や友人のちょっとした表情も見逃さない。写真撮影を行いながら新郎新婦とともに「1つの物語を作り上げていく」ことに情熱を注いでいる。

小針クリストファー氏
1996年来豪。TAFEで写真学を学び、ウエディングを中心に、家族写真、日系媒体、レストランなど幅広い分野でカメラマンとして活動中。クライアントの国籍もさまざまで、多くが口コミによる依頼である。

取材協力<五十音順>

キャプテン・クック・クルーズ
(担当:平林氏)
Tel: (02)8238-6721
Web: www.captaincook.com.au
Email: japan@captaincook.com.au
小針クリストファー氏
Tel: 0400-77-1255
Web: www.ckobariphotography.com.au ※メンテナンス中
ワタベウェディング・オーストラリア
(シドニー店)
Tel: (02)9264-8777
Web: www.watabe-weddingaus.com

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