オーストラリア・ダンス・シーン最前線「7 VICES」

7 VICES

オーストラリア・ダンス・シーン最前線

「7つの悪徳」を7人の振付家が演出
若き日本人ダンサーの活躍に注目

人間の7種類の悪徳をテーマにしたダンス作品『7 VICES』が9~10月、オーストラリア国内5都市で公演される。ゴールドコーストなどでのオーディションで選ばれた、若き日本人ダンサーたちも出演する注目のパフォーマンスだ。

磨き抜かれたダンスは見どころが満載
磨き抜かれたダンスは見どころが満載
『7 VICES』のポスター
『7 VICES』のポスター

ダンスを愛する人たちの間で今話題になっているのが「ダンス・エディトリアル」という、ダンスに関するさまざまな企画・活動を行う“プラットフォーム(プロダクション)”だ。主催者はダンサーであり事業家のシャノン・スー。ダンス・スタジオをはじめ、ダンスに関する多くのビジネスを手掛けると共に、主としてウェブサイトを通じてダンサー、振付家などダンスに携わる人びとをつなげ、支援する活動を展開している。

そして今回企画されたのが『7 VICES』という名のダンス作品。7つの悪徳─怠惰、高慢、嫉妬、大食、憤怒、貪欲、色欲─を通して人間のリアルな感情を描き出し、それぞれの「悪徳」の演技を7人の女性振付家が担当する。9~10月にシドニー、ゴールドコースト、メルボルン、セントラル・コースト、キャンベラの5地域で巡回公演される予定だ。

「Protégés」(フランス語で「子分」「被保護者」「お気に入り」などの意味)と呼ばれる14~17歳の若手ダンサーたちが主演を務めるのもこの公演の特徴。先日上記5地域で開催されたオーディションでは、才能あふれる若いダンサーたちが出演者に選ばれた。振付家と同様、Protégésにはそれぞれ担当の「悪徳」が決められており、振付家がメンターとなってダンスの指導に当たる。

そして今回、3人の日本人ダンサーがオーディションで見事選ばれた。ゴールドコーストから宗田波夏(そうだはな)さんと望月香凛(もちづきかりん)さん、シドニーからは松田憧祈(まつだあいる)さん。3人は9月のゴールドコースト公演に出演する。

美しく才能あふれるダンサーたち
美しく才能あふれるダンサーたち

主催者のシャノン氏は「オーディションでは多くのダンサーたちに出会えて感動しました。今回のショーでは互いを受け入れ合い、たたえ合うことの大事さが、さまざまなダンス・スタイルや容姿のダンサーたちによって表現されます。さまざまな文化的背景を持つダンサーが出演者としてそろうのは、私にとって本当に重要なのです。特に、振付家の1人ユキノ・マクヒューが日系人であることを考えると、多くの日本人ダンサーがオーディションを受け、選ばれたのはすばらしいことです」とコメント。

そのダンサー兼振付家のユキノ氏も「私もゴールドコースト出身者として、2人のすばらしい日本人ダンサーが地元ゴールドコーストから選ばれたことを、とてもうれしく思います。これからの若いダンサーたちには、形だけでなく心から動けるダンサーになってもらいたいと思っています。日本人は勤勉で、日本文化を感じさせる気合の入ったエネルギーを持っています。私はそういったダンサーたちと仕事ができることを、とても楽しみにしています」と語ってくれた。

『7 VICES』ゴールドコースト公演
会場:Somerset Theatre, Somerset College(Somerset Dr., Mudgeeraba)
日程:9月10日(土)
時間:4PM、8PM(2回公演)
料金:一般$55、団体(10人)$500
Web: danceeditorial.com/7-vices*公演詳細やチケット購入方法は、ウェブサイト参照

INTERVIEW

ゴールドコーストでの公演でProtégésを務める
3人の日本人ダンサー(「ダンス・エディトリアル」サイトより)


宗田波夏(そうだはな)さん
● ダンス・スタイル:ジャズ
● 所属スタジオ:ダンス・フォース
● 今回の役:貪欲
● メンター:Billie Casey-Jabore

「今までの私のダンス・キャリアは、とてもすてきな経験ばかりです。すばらしい振付家の皆さんとダンスに取り組むことが大好きで、ダンス競技会やダンス・スクールの雰囲気はいつも最高だから! 友達皆とダンスをして、一緒に成長していくのは、いつだって楽しいものです」

――合格を知った時、どんな気持ちでしたか。
「選ばれたこと、このすばらしい機会に参加できることに感謝でいっぱいでした。一緒にいた友達も皆喜んでくれました」

――最初に誰に伝えましたか。
「連絡を受けた時、ダンス・スタジオにいたダンスの先生の二コラ・ウェルズです。」

――なぜオーディションを受けたのですか。
「もしこの作品に参加できればとても良い経験になると思ったし、たくさんの友達と時間を過ごせるだろうと思ったからです」

――何を一番楽しみにしていますか。
「さまざまな仲間と舞台に立つこと、そして観客の皆さんに、私が本当にやりたいことを披露することです」

――あなたにとってダンス・エディトリアルとは。
「大きな機会を与えてくれた大事な存在であり、そして私たちが多くの人から刺激を受け続けるために重要。ダンス業界にとって大切な存在です」

――自分のユニークな点を3つ教えてください。
「高所恐怖症であること。とがったものを向けられるのがすごく嫌いであること。爬虫類が嫌いなことです」



望月香凛(もちづきかりん)さん
● ダンス・スタイル:コンテンポラリー
● 所属スタジオ:ローンチ・パフォーミング・アート・センター
● 今回の役:怠惰
● メンター:Yukino Mchugh

「7歳の時にダンスを始めました。最近ではヴァリアントというヒップ・ホップ・グループに参加。ミュージカル『ヘアスプレー』では主役を演じ、また『ワン・ナイト・オンリー』という作品にも出演しました。ダンスはパラダイス・パフォーマーズ・アカデミー、ダンス・テクニック、そして現在ローンチ・パフォーミング・アート・センターで学んでいます」

――合格を知った時、どんな気持ちでしたか。
「言葉が出ませんでした。ダンス・スタジオにいた友達も皆喜んでくれました。とても幸せでしたが、同時に決心の時だと感じました。100倍必死にやらなければならないと思いました」

――――最初に誰に伝えましたか。
「ダンスの主指導の先生ミシェルです。先生は私と同じくらい喜んでくれました」

――――なぜオーディションを受けたのですか。
「もっと経験を積みたかったからです。オーディションは人生で最高の経験でした」

――――何を一番楽しみにしていますか。
「多くの振付家と新しい経験ができることと、新しい友達が作れることです。また、さまざまな人たちとダンスをしてステージで輝けるようになりたいです」

――――あなたにとってダンス・エディトリアルとは。
「若いダンサーがこのような作品に参加できる機会を作っていて、とてもすてきです」

――――自分のユニークな点を3つ教えてください。
「首を触られるのがとても苦手で、触られると縮み上がります。ジャスティン・ビーバーのファンです。黒くて長いソックスを履いてダンスします」



松田憧祈(まつだあいる)さん
● ダンス・スタイル:ヒップ・ホップ
● 所属スタジオ:エボリューション・パフォーマンス・センター
● 今回の役:高慢
● メンター:Shannon Hanrahan

「ダンスを始めたのは6歳の時。ブレイクダンスからヒップ・ホップ、ジャズ、バレエ、コンテンポラリー、そしてタップ・ダンスを習いました。『コッペリア』と『ザ・シルバー・ローズ』に出演。2012年にはジュニア・ジャスティス・クルーのメンバーとして、ジャスティス・クルーと共演しました。現在、リズム・ディビジョンというタップ・グループに所属しています」

――PPDC(プロ・ダンサーを目指す人のための集中コース)に入ったのはなぜですか。
「ダンスの知識を広げ、自分の力を伸ばしたかったことと、すばらしい振付家たちの指導の下、10週間で多くのことを学びたかったからです」

――PPDCで好きだったところは。
「新しい友達を作れたこと。そして毎週日曜に、皆とダンスをして一緒に学べたことです」

――選ばれた時、どんな気持ちでしたか。
「とても興奮し、何が起きたのかよく分かりませんでした。天にも昇る心地でした」

――何を一番楽しみにしていますか。
「新めて会う振付家に自分(の才能)を限界まで伸ばしてもらえること。また、すばらしいキャストの皆さんと演技できるのが待ち遠しいです」

――あなたにとってダンス・エディトリアルとは。
「世界に歩み出す前に、ダンス業界の知識を広げてくれる大きな存在で、自分の前に何が立ちはだかっているかを知ることができ、世界に歩み出す準備期間を与えてくれます」

――自分のユニークな点を3つ教えてください。
「パイロットになりたいこと。タップ・ダンスが大好きで、どこに行っても足でリズムを取ってしまうこと。アディダスの大ファンであることです」

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