日本語医療機関カーディアック・ダイナミックス(QLD)


日本で生まれ育ったGPと心臓の権威が1つのクリニックに

カーディアック・ダイナミックス
Cardiac Dynamics

明るく気さくなカルマカール先生は、日本生まれの日本育ち。カルマカール先生が在籍する「カーディアック・ダイナミックス」では、どんな病気も診察できる掛かり付け医(GP)と心臓の権威であるスペシャリストたちが強力なタッグを組んで、これまでにないユニークな診療を開始した。(文・写真=ランス陽子)

オーストラリアで病気やけがをした際に、何とも言えない心細い気持ちになった経験を持つ人も多いだろう。医療英語には専門的な用語も多く、日本とオーストラリアの医療制度の違いに戸惑うこともある。ましてや病気で気分の優れない時に、体の不調を細かく英語で医師に伝えるのは簡単なことではない。

そんなオーストラリア在住の日本人にうれしい、日本で生まれ育った医師と日本人スタッフ、技師が常駐しているクリニックが「カーディアック・ダイナミックス」だ。場所は、パシフィック・フェアからゴールドコースト・ハイウェイ沿いに少し南下した所にある、マーメイド・ビーチ。1997年から地元でも有数の心臓のスペシャリストとして診療を続けていた同院がこの度、GPのカルマカール先生を迎えて一般診療部門を新設した。

薬まで日本語でしっかりと説明

カルマカール先生に会うとまず驚くのは、先生の日本語レベルだ。ある程度話せるというレベルではなく、日本人同士で会話をするのと全く変わらないネイティブ・レベルの日本語で話すことができる。それもそのはず、カルマカール先生は昭和初期に日本でヨガを普及させたインド人の両親の下、東京で生まれ育ったからだ。「日本ではアメリカン・スクールやインターナショナル・スクールに通っていたのですが、やはり第一言語は日本語です。だから、オーストラリアに最初に留学に来た時も、語学学校でIELTSを勉強するところから始めたんですよ」と語る。その後、グリフィス大学とボンド大学で生物医学や医療を学び、ボンド大学の1期生として卒業したという先生。オーストラリア各地の病院の救急病棟や小児科で経験を積み、ゴールドコーストのハーバー・タウンで長らく診療していたが、この度同院へ移籍した。

左からレセプションの鈴木雅代さん、カルマカール先生、事務局長のスー・アドセットさん
左からレセプションの鈴木雅代さん、カルマカール先生、事務局長のスー・アドセットさん
技師の岩永卓也さん
技師の岩永卓也さん

「移籍した一番の理由は、この診療所が常に患者さんを第一に考えているすばらしいクリニックだからです。ここではどの先生も『患者さんが自分の兄弟や親だったら』、『家族だったらどんな風に対応するだろう』という気持ちを忘れずに、親身になって診療しています。通常、こういったクリニックでは先生同士が独立していることが多いのですが、ここではジェフリー先生率いるスタッフ同士がチームワークを大切にしています。そして、何といっても医療機器と先生たちのレベルが高いです。ジェフリー先生はゴールドコースト・メディカル・アソシエーションの元プレジデントですし、ロハン先生はゴールドコースト病院の心臓外科のディレクターで、なかなか巡り会える先生ではありません。でも先生は幼い頃から苦労して育ったこともあり、クリニックで1人ひとりの患者さんの助けになることをとても大切にしているんです」

また同院では医師たちを支えるスタッフとして、2人の日本人が勤務している。「日本語の電話予約を受け付けるレセプションの鈴木雅代さんは、以前は日本の高校で国語の教師をしていました。現在はこちらの医療現場で必要とされる資格であるソーシャル・ワーカーの学位を修得中で、誰かの助けになりたいという熱意があります。そして技師の岩永卓也さんは、日本でもフィジオセラピストとして医療に携わっていた経験豊富な人です」と話す。

メディケア保持者はキャッシュレスで診療

カルマカール先生はメディケア保持者であればバルク・ビリング、つまりその場での支払いが不要で診察をしてくれる。「私の娘が網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)という目のがんになったのが、医者になろうと思ったきっかけでした」。先生の娘は日本で治療を受けたが、日本では子どもへの麻酔を控えることが多く、痛みへのケアが積極的には行われていなかった。そのため、辛い経験をしてきたことも多かったという。そんな患者や患者の家族の気持ちが痛いほど分かる先生だからこそ「純粋に1人でも多くの患者さんの助けになれたらうれしい」と、バルク・ビリングを続けているそうだ。

またメディケアがなくても、海外旅行保険があれば保険での診療が可能。レセプションの鈴木雅代さんは、オーストラリアの大手保険会社での勤務経験もあり保険の知識も豊富だ。「日本人はつい遠慮してしまったり、情報を知らずに損をしてしまうことが多いようです。また、仕事中のけがはワーカーズ・コンペンセーションでカバーされるのですが、勤務先や保険会社がきちんと対応してくれないこともあります。どんなことでも、気軽に相談してみてください」と語ってくれた。

人間ドッグのような予防のための検査を

各種検査機器も充実
各種検査機器も充実

同院は元々心臓に特化したクリニックであったが、カルマカール先生が移籍したことで、全ての病気に対応できるようになった。明るく気さくな雰囲気の親しみやすい女医ということで、婦人科系の病気や子ども、高齢の患者なども増えている。治療方針だけではなく、薬の説明まで通訳なしで医師に日本語で直接説明してもらえるのは、やはり日本人にとって安心感が違うようだ。

また同院では一般の診療所とは違い、心肺機能や血管を検査する医療設備が調い、心臓の権威である医師の下で細かな検査を受けることが可能だ。そんな特徴を生かして、これからは日本で行われているような人間ドッグとオーストラリアの医療の強みを組み合わせた、病気予防のための検査も積極的に行っていきたいと話すカルマカール先生。「日本でも最近、総合医療や掛かり付け医が育ってきているようですが、やはりこちらのGPというシステムはすばらしいと思います。人間ドックでも、GPという総合的に健康を診察・管理できる医師が各検査の結果を見れば、ただ検査をして結果を伝えるだけではなく、迅速に治療を開始したり専門医の手配をその場ですることができます。もし何か健康に問題がある場合は、各種検査がメディケアでカバーされることも多いので、ぜひ気軽に相談してみてください」と話してくれた。

右からジェフリー先生、ロハン先生、カルマカール先生
右からジェフリー先生、ロハン先生、カルマカール先生

■ジェフリー・アドセット医師 Dr. Geoffrey Adsett
 1997年からこのクリニックを率いるジェフリー医師。過去にゴールドコースト・メディカル・アソシエーションのプレジデント、ピンダラ私立病院のボード・オブ・アドバイス、ファーマシー・コミティーのチェアマンなどを歴任。「日本人の患者さんもオーストラリア人の患者さんも、何も違いはありません。患者さんと一緒に病気を治していくことに、国籍や民族などは関係ないですからね。しかし、患者さんとのコミュニケーションはとても大切です。優れたコミュニケーション力を持つカルマカール先生に期待しています」

■ロハン・ジェイアシング教授 Prof. Rohan Jayasinghe
 グリフィス大学の教授でもあり、ゴールドコースト病院のカーディアック・サービスのディレクター。世界有数の心臓の権威でもあり、海外や日本でも技術指導や講義を行っている。「学会などで日本へよく行きます。日本はさまざまな物が高品質で、良い人が多いですね。この診療所の良さは、他の場所へ行かなくても1つのクリニックであらゆることに対応できるところでしょう。この診療所が日本人の皆さんの助けになればうれしいです」

■アンチータ・カルマカール医師 Dr. Anchita Karmakar
 日本でヨガを広めたインド人の両親の下、日本で生まれ育つ。日本流のきめ細やかな心配りと、インターナショナル・スクールで身に付けた国際感覚の両方をバランス良く持つ医師。GPとしてあらゆる病気を診察する。「GPとスペシャリストが同じ屋根の下で協力しながら診察を行う、大変ユニークな診療所です。一緒に働く日本人スタッフもすばらしく、親切で丁寧に対応します。とにかく患者さんが第一。それが何よりも大切です」



カーディアック・ダイナミックス
■所在地:Suite 8, level 1, 2431 Gold Coast Hwy., Mermaid Beach
■Tel:(07) 5578-6866、0499-053-001(日本語ダイヤル)、0499-053-113(日本語で通話またはテキスト・メッセージも受け付け可能)
■Web: cardiacdynamics.com.au
■Email: info@cardiacdynamics.com.au
■心臓、血管のスペシャリスト部門の他、GPによる一般診療部門では日本語でどんな病気も診察可能。メディケア保持者はバルク・ビリングで診察可、その他海外旅行保険にも対応

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