出会いから婚姻・育児・離婚まで最新事情をお届け!国際結婚特集2018①

出会いから婚姻・育児・離婚まで最新事情をお届け!国際結婚特集2018

最良のパートナーと出会い結婚することは、人生の大きな節目となり、その後のお互いのライフ・ステージを大きく変えるほど影響をもたらす出来事の1つになるのではないだろうか。グローバル化が進む近年では、異なる国籍を持つ者同士の婚姻率が年々高まっていると言われている。そこで本特集では未来の国際結婚カップルに向け、オーストラリアにおける国際結婚の動向やビザに関する情報を始め、実際に婚姻した人の体験談やバイリンガル教育、もし離婚となった場合の法律などについて紹介する。(文=石井ゆり子)
取材・協力=Australian Visa & Education Pty Ltd/中澤英世さん(移民申請代行業者登録番号:0213098)

「国際結婚」にあこがれを抱く人は多いかもしれないが、同じ出身国のパートナーとの結婚よりも、乗り越えなければならない壁が数多くあるのが現実だと言えるだろう。例えば、文化の違いや言葉の壁、宗教の問題や子育てなどだ。しかし、そうしたさまざまな試練を2人で乗り越えるからこそ一層パートナーとの絆が深まり、国際結婚だからこそ得られる幸せな日々を過ごすことができるのではないだろうか。

日本人がオーストラリア人のパートナーと一緒になる場合、オーストラリアで長期的な滞在を可能にする上で避けて通れない問題の1つにビザが挙げられるだろう。同国では結婚という形にとらわれず、デファクト(事実婚)のカップルも多く見られる。そこで必要なのがパートナー・ビザだ。

パートナー・ビザ申請には、結婚している証拠として結婚証明書が必要となる。また、デファクトの場合は夫婦同然の関係であることを証明する書類が求められる。結婚はオーストラリアの法律によるものだけでなく、日本の法律での結婚でも適用される。前者の場合は「Marriage Certificate」、後者の場合は戸籍謄本が証拠書類となる。

デファクトの場合は、12カ月以上同棲していることが規定とされる。従って、いつから一緒に住み始めたのかを何らかの書類などで明確にしなければならない。例えば2人名義での賃貸契約書などである。州によってはデファクトの証拠として、「Relationship Certificate」を発行してくれる所があり、その場合は必ずしも12カ月以上同棲していなくても、結婚の場合と同じようにパートナー・ビザの申請が可能だという。その他に、2人の関係(結婚・デファクト)の証明として、それぞれから宣誓書、証人からの宣誓書、共同名義の銀行口座、電気・ガスなどの公共料金の請求書、2人で行った旅行の証拠、写真などが挙げられる。

パートナー・ビザ申請は、実際には2種類のビザを同時に申請する仕組みになっている。それぞれ「ステージ1(Temporary)」と「ステージ2(Permanent)」と呼ばれ、ステージ1でのパートナー・ビザ保持者には、1つ条件が付いている。それは申請時から約2年間で、もし離婚したりデファクトを解消した場合、ステージ1で取得したビザがキャンセルされるというもの。ステージ1のパートナー・ビザ取得後、しばらくすると移民局よりステージ2審査の通知が届く。ステージ2での審査は2人の関係が現在も続いているかを調べるものだという。2人の関係を示す共同名義の書類など、必要書類を提出することになる。ステージ2での審査が終わると、ステージ1で課されていたキャンセル条項は外され、条件の付かないパートナー・ビザが発給される。

申請料はステージ1、2同時申請で7,160ドル(2018年12月1日現在)。審査期間は、ステージ1で約1年半から2年ほど掛かり、ステージ2では、最近更に長く掛かると言われている。

越えなければならない壁や、覚悟をしないといけないことがたくさんある国際結婚には、同国籍を持つ者同士の結婚と全く違った喜びや楽しさも数えきれないほどあるだろう。幾多の壁を一緒に乗り越えたからこそ深まる絆、それにより築かれる家庭は尊い。これからも、国境を越えかけがえのない存在の人に出会う人たちは増え続けるのではないだろうか。


オーストラリアで国際結婚するとなった場合、長期的な滞在を可能にする上で必要となるビザの問題。近年同国では、パートナー・ビザの審査が厳しくなってきているという。ビザの取得に当たり専門家に相談するメリットを始め、申請に必要な書類や費用などを含む最新事情について、ビザ・移民法政府公認アドバイザーでもあるフェニックス法律事務所の清水英樹弁護士に話を伺った。

——弁護士事務所やビザ・エージェントなどの専門家を通してパートナー・ビザ申請を行う利点を教えてください。

昨今、パートナー・ビザ申請に限らずオーストラリアにおけるビザ申請は全般的に審査がより厳しくなってきています。ビザ申請を代行する専門家は、申請に必要な書類や情報の提出だけでなく、最新の移民局の審査傾向を基に、どのような点について気を付けなければいけないか、提出書類だけでは説明しきれない補足説明も移民法に則って行うことになります。専門家は移民局がどういった書類や情報を求めているのかを正確に把握しているだけでなく、どういったプレゼンをするのが印象良く見えるのかといったことも熟知していますので、個人で申請を行うより認可を得られる可能性は高まると考えられます。

——専門家にパートナー・ビザ申請手続きを依頼する場合、どれくらいの費用が掛かりますか。

2018年12月1日現在、パートナー・ビザ(サブクラス820/801、309/100)の申請料は7,160ドルになります。それ以外に諸経費としてNAATI公認翻訳家による英語以外の書類の翻訳代(文字数や枚数によって翻訳代は異なる)、健康診断(365ドル前後)、AFPオーストラリア犯罪証明書(42ドル)、専門家にビザ申請の代行を依頼する場合の代行手数料(専門家による)が挙げられます。

——パートナー・ビザ申請の前に準備しなければならない必要事項はありますか。また、準備段階から申請、そしてビザが下りるまでの具体的な必要日数についてお聞かせください。

パートナー・ビザは、婚姻関係またはデファクト関係にあるパートナーが、オーストラリア国籍または永住権、もしくは特定のニュージーランド国籍保持者である場合に諸条件を満たすことで申請が可能なビザです。

パートナーと婚姻関係にある場合、オーストラリアでの婚姻証明または国外における公的な婚姻証明が必要であり、パートナーとデファクト関係にある場合、基本的にビザ申請日からさかのぼって12カ月以上、デファクト関係が継続していることを証明できなければいけません。デファクト関係とは、いわゆる、事実婚関係にあるという解釈になりますので、単に彼氏と彼女の関係にあるだけではデファクト関係にはなりません。経済的にも社会的にも夫婦同然の関係であることをさまざまな書類をもって証明できる必要があります。移民局は、基本的に提出された書類からのみ2人の関係が真剣で真面目なものなのかどうかを判断するため、提出できる書類はあればあるほど良いということになります。なお、デファクト関係による申請の場合で、西オーストラリア州並びに北部準州以外にお住まいの場合、州政府に対し2人の関係を登録することができます。

現在、パートナー・ビザ申請において、デファクト関係をもって申請する場合で2人の関係を州政府に登録している場合、デファクト関係が継続している証明は12カ月以下であっても良いとされています。以上のことから、婚姻関係にあるのかデファクト関係にあるのかにもよりますが、どの程度の書類をいつ頃までにそろえられるのかによってビザ申請のタイミングが変わります。

2人の関係を証明する書類には以下のようなものが挙げられます。

  • 共同名義の動産、不動産、銀行口座
  • 連名での賃貸契約や銀行口座、光熱費や通信費などの請求書
  • 互いを受取人とする保険やスーパーアニュエーション
  • 連名での招待状やレター
  • 住所が同じであることが分かる書類(運転免許証、銀行やその他機関から届くレターなど)
  • 2人で参加したイベントや旅行などの記録
  • 2人の関係を知る親族や知人からの法廷宣誓書
  • 2人からの法廷宣誓書など

また、パートナー・ビザは2段階(暫定→永住)申請となっており、現在、審査に掛かる期間の目安は以下のようになっています。

  • サブクラス820/801(国内申請):21~26カ月(暫定)、18~24カ月(永住)
  • サブクラス309/100(国外申請):13~17カ月(暫定)、17~25カ月(永住)

永住権の申請は、最初の申請を行った日から2年が経過し、その時点で暫定ビザを保持している場合に可能という理解であり、暫定ビザが下りてから2年後というわけではありません。永住権の申請には、暫定ビザが下りて以降、2人の関係がまだ継続していることを上記で挙げたような書類の更新版をもって同じように証明してく必要があります。従って、永住権が完全に下りるまでは2人の関係を証明できる書類は全て保管しておくことが重要です。

——何らかの理由でパートナー・ビザが却下された場合、再度申請することはできますか。

再申請の可能性については、却下された理由によって変わりますので、一概に不可能とは言えません。国内申請の場合で、却下理由に対してきちんとした言い分があり、その説明並びに証明ができる場合、指定された期限内に「AAT – Administrative Appeals Tribunal」と呼ばれる申し立ての申請を行うことが可能です。新たにパートナー・ビザの申請を行う場合には、却下された状況がクリアになっているかどうか、そしてパートナー・ビザ申請の条件を満たす証明ができるかどうかによって、国外からの申請は可能かもしれません。ただし、現実問題としてパートナー・ビザ申請費用が7,160ドルという比較的高額な申請費用ですので、再申請も経済上軽はずみに選べる選択肢ではないかもしれません。

——今後予想されるパートナー・ビザの動向についてご意見をお聞かせください。

単に婚姻証明があればビザが下りるといった時代ではなくなりました。今後ますます審査は厳しくなることが予想されるため、いかなる書類であっても2人の関係を示す書類は全て提出できるように心掛けておくと良いでしょう。また、既に施行されていますが、スポンサーとなるパートナーの審査も厳しくなってきています。主な理由はDVの被害に苦しみ救済を求める申請者が急増しているためです。そのため、現在スポンサーによる犯罪証明提出が義務付けられており、今後、ビザ申請者本人によるビザ申請の前に、スポンサーとなるパートナーのスポンサーシップ申請並びに取得が事前に必要となるとも言われています。

——これからパートナー・ビザ申請を行う人へのアドバイスをお願いします。

まずは、何よりも専門家からのアドバイスを得ることです。パートナー・ビザ申請では、ある程度決まった書類の提出はあるものの、2人の関係を証明できる書類はどのようなものでも有効であり、提出できる書類はあればあるほど移民局への心象は良くなります。現在のビザ申請料は7,160ドルと決して安くはありません。2人の関係が真剣で真面目な関係であるにもかかわらず、移民局が求める証明がきちんとできかなったがためにビザ申請を却下されてしまっては、もともこもありません。専門家を通す分費用はかさみますが、最終的に永住権の取得ができるまで3~4年掛かること、ビザ申請が却下された場合のビザ申請料の返金がないことなどを鑑み、コンサルティングの時点から専門家を通してビザ申請を検討されるのが良いでしょう。

清水英樹( しみずひでき)
QLD州弁護士、ビザ・移民法政府公認アドバイザー(MARN9900985)。「フェニックス法律事務所」筆頭弁護士所長の他、移民ビザ専門コンサルティング会社「GOオーストラリア・ビザ・コンサルタント」、各種不動産売買手続き専門法律事務所「ConveyancingHome QLD」を経営


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