藤田順三総領事インタビュー


在ブリスベン日本国総領事館・藤田順三総領事。東京都出身、1951年生まれ。

■ 着任インタビュー
在ブリスベン日本国総領事館

藤田順三 総領事

 外務省の国連政策課、スイスの在ジュネーブ国際機関日本政府代表部、在デンマーク大使館などを経て、7月15日からブリスベンに着任した藤田順三総領事。気取らないその素顔を本紙に語ってくれた。

ブリスベンへ就任してみて驚いたこと

 ブリスベンへ就任したのが7月と、真冬の時期でしたが、長くいた北欧の冬とは比べものにならないくらい暖かくて驚きました。暗く厳しいデンマークの冬では、太陽が出るとニュースになるほど。こちらでは、0度になるとニュースになり、全く逆でおもしろいですね。

 ブリスベンでは、冬といってもデンマークの夏に近く、過ごしやすくて本当にいいところだと思います。ここは、太陽が毎日きらきらと輝いて、冬でも花がふんだんに咲いていて、鳥の声がいつも聞こえていますよね。繁殖期以外の冬でも、その辺にいる普通の鳥までが素晴らしい声で鳴いていて、椿の横ではブーゲンビリアが咲いているというような、なんとも不思議な、独特の季節感がある街だという印象を受けました。

  これまでデンマークでは「今日は素晴らしい天気ですね」というお天気の話題から会話を始めることが多かったのですが、こちらでは毎日が素晴らしい天気なので、どうやって会話を始めたらいいのか、戸惑うほどです。服も、今までいたデンマークでは夏服なんてほとんど使いませんでしたから、ブリスベンの夏に着られるような服をこれから調達しなければいけないと思っているところです。

 オーストラリア、特にQLD州は、皆さんたいへんフレンドリーで仕事がしやすいところだと思います。明るい方も多いですね。気軽に声をかけてくださるし、オープンな雰囲気があります。また、在住の日本人の皆さんも、たくましく現地によく溶け込んでいらっしゃるので感心しました。それが、在住邦人の数がこれだけ多いのに、日本人の巻き込まれる事件が意外と少ない理由なのかもしれません。
 

さまざまな領事の役割を 果たしたい

 1976年から欧州での仕事が続き、デンマークは4回、スイスへは1回勤務しています。ここ15年くらいは、どちらかというと難民問題、安保理関係など、国連の仕事が中心となっておりました。

 日本領事館での領事の仕事というのは、まず領事事務、そして邦人保護の仕事があります。皆さんにお願いしたいのは、きちんと在留届を出していただきたいということ。こんなご時世ですから、いつどんな事件が起こり、巻き込まれるか分かりません。また、こちらで自然災害などが起こった場合、日本の親御さんやご親戚の方から問い合わせをいただくこともあります。オーストラリアは大きな国ですから、そんな時、在留届の出ていない方の状況を把握することはかなり難しくなります。また、在外選挙人名簿の登録もお忘れなく。

 そして大切なのは、オーストラリアでの滞在を終える時にも、必ず領事館に帰国届を出すことです。在留届を出したままで帰国してしまう方も多いようですので、気を付けていただくようお願いします。

 また、資源関連などの情報収集や邦人企業支援も大切な領事の仕事の1つで、QLD州政府や日本商社の関係者などからの情報収集に努めております。特に、日本での地震の後は、原発の問題もあり、QLD州の資源の問題は、石炭だけでなく積層ガスの扱いも含め、今後、一層重要になっていくものと見ております。日本とオーストラリアは、安全保障や核問題などの問題でも、親密な協力関係にあります。警察も、共同オペレーションなどを行ったりしているんですよ。貿易だけでなく、「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」などの日豪の共同事業も実施されています。

 それから、オーストラリアにおける日本のイメージ・アップを図ることも、大切な仕事です。例えば、地震の後は、もう日本全体がダメになってしまったというようなイメージを持っているオーストラリア人の方もいるので、そういったイメージの改善をしなくてはなりません。日本語のスピーチ・コンテストに出席したり、現地の高校などへもできるだけ多く訪問するようにしています。先日、日本語補習校の運動会に参加させていただきましたが、感動して帰って参りました。今後も、オーストラリアでの日本語教育を、できるだけ支援していきたいです。そして、オーストラリアと日本の良い関係を維持していきたいと思っております。
 

プライベートの時間も楽しみ

  毎日忙しくて、なかなかプライベートの時間というものがありません。週のほとんどは夜も食事などにお招きいただくので、たいへん勉強になるのですが、家に帰るとぐったりして寝てしまう、というような毎日です。いつかゆっくりできる時が来るのを楽しみにしています。

 日本食で好きなのは、酢の物やほうれん草のおひたしといったもの。ゴールドコーストの日本食材店で大葉も売っているのを見かけましたし、日本の食材がふんだんに手に入るので、たいへん嬉しく思っています。

 ただ、やはり長く外国生活を続けていると、日本に帰った時にカルチャー・ショックを受けることもあります。

 昔、ピンクレディーを知らなくて驚かれました(笑)。若者の言葉は特に難しいですね。最近では「スマホ」という言葉を知りませんでした。なるべく、日本の小説やアニメ、映画を見るようにはしているのですが。昔、千葉県側にある東京湾の谷津干潟によく行っていて、もともと鳥を見たりするのが大好きなんです。タスマニアから日本へやって来る渡り鳥などもいましたから、これからこの国で、そんな鳥たちに再会するのが楽しみです。そして、ここは本当に良い所なので、QLD州での生活をこれからも楽しんでいきたいと思っております。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る