バレエダンサーインタビュー

オーストラリア若手ダンサー・トップ6にランクイン

根本里菜さんインタビュー

 

 オーストラリア屈指のバレエ団「オーストラリア・バレエ」では現在、4人もの優れた日本人バレリーナが活躍している。3月末には、国内の若手バレエ・ダンサーの育成を目的として毎年行なわれている「テルストラ・バレエ・ダンサー賞」の最終選考6人に、東京出身でオーストラリア・バレエ団所属の根本里菜さんが選ばれ、国内外から注目を浴びている。本紙は、オーストラリアで踊ることについての魅力やバレエ生活などについて、根本さんに話を伺った。

 

海外でのバレエ修行、偉大な先輩との出会い

根本里菜さんは東京都で1991年に生まれ、バレエは3歳のころから始めた。体を動かすことや音楽が大好きで、母に連れられてバレエ教室に行ったところ、「これがしたい」と言ったのが始めたきっかけだった。そして2007年、高校を休学してバレエ留学のためバレエ先進国であるフランスに旅立つことに。2年間、留学生活を送った。

「最初は海外で踊ってみたいと思うことはなくて、ただただ踊るのが好きで続けてきました。けれども中学のころから次第に踊ることを職業にしたいなと思うようになり、留学を決意しました」

09年には、毎年スイスで行なわれる若手ダンサーの登竜門「ローザンヌ国際バレエ・コンクール」に出場し、プロ研修賞を受賞。イギリスの名門ロイヤル・バレエ団で、1年間研修を受けることになった。そして、世の多くのバレリーナたちが憧れる、当時の同バレエ団プリンシパル・ダンサー、吉田都さんとの出会いがあった。吉田さんは、根本さんがオーストラリア・バレエ団に入るきっかけを作ってくれたのだ。

「前々から、オーストラリア・バレエ団のDVDを見て良いカンパニーだな、と思っていたのですが、外部からのオーディションがなかったので入団をずっと諦めていました。けれども、吉田都さんが(オーストラリア・バレエ団の)芸術監督と知り合いだった上、お二方がローザンヌの大会でともに審査員を務めていらっしゃったこともあり、オーディションを受けることができました」

根本さんはオーディションを経て2011年、オーストラリア・バレエ団に入団。その機会を作った1人である吉田さんの影響は大きく、いつまでも憧れの存在だという。

「ちょうど吉田さんが退団される年に研修できることになり、一緒に舞台に立てたことが本当に嬉しかったです。間近で素晴らしいダンサーと踊れて、とても勉強になりました」

 

念願の「白鳥の湖」にも出演

オーストラリア・バレエ団に魅了され、入団を志願するようになったのは、同バレエ団でしか公演していないというグレアム・マーフィー版「白鳥の湖」に感銘を受けたからだった。

「オーストラリア・バレエ団は技術力も高いのですが、表現力も豊かだということが分かって、そのバレエ・スタイルが自分の目指すものに合っているなと感じました。表現を重視したバレエが踊りたかったのです」

現在、根本さんは群舞にあたる「コール・ド・バレエ」に属しており、出演する舞台数も多く、毎日多忙な日々を送っているが、バレエ生活はとても充実しているという。

「皆とてもフレンドリーですし、ここではたくさんのレパートリーを踊ることができます。ダンサーの技術力も高いです。フィジオセラピストなどによるサポートも充実していますし、ここで踊れるのはとても幸せだと感じています」

12年にはニューヨーク公演に参加し、念願のグレアム・マーフィー版「白鳥の湖」に出演することもできた。

「この作品を見て入団したいと思うようになったので、参加できてとても嬉しかったです。公演後はスタンディング・オベーションだったので、さらに感動して涙が出たことを覚えています」

 

体で音楽を奏でられるようなダンサーに

現在、オーストラリア・バレエ団のトップ・グループ「プリンシパル」の次に当たる「シニア・アーティスト」には、3人の日本人バレリーナが所属している。根本さんも先輩の活躍に励まされ、刺激を受けているという。

「同じ日本人の方々が海外のバレエ団で活躍して、たくさんの役を踊っているのを見て、とても尊敬しています。先輩方は、私が落ち込んでいる時に話しかけて励ましてくれたり、後輩である私たちをいつも気遣ってくれたりします。私ももっといろいろな役に挑戦していきたいです」

最後に日系コミュニティーに向けてメッセージをもらうと、「普段あまり観る機会がない方も、ぜひ1度気軽に観に来てください」と話してくれた。

今後の目標は、「体の隅々までを使って、音楽を奏でられるようなダンサーになること」。これからの舞台でどんな踊りを魅せてくれるか、とても楽しみだ。

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