着任インタビュー柳沢陽子ブリスベン日本国総領事

着任インタビュー
爽やかな新風を吹き込む 柳沢陽子ブリスベン日本国総領事

在ブリスベン日本国領事館にこの度着任した柳沢陽子総領事。
オーストラリアと日本とを結ぶ架け橋としての役割を担う総領事館に、力強くも爽やかな新風を吹き込む存在となりそうだ。

9月21に着任した、柳沢陽子総領事。親しみやすく、気さくな笑顔が印象的だ。「南半球の季節感に慣れるのにまだ時間がかかっています。今こちらは春だというのをふと忘れてしまって、まだ夏が終わったばかりのような気がしてしまいます。春といっても、もう夏と変わらないような天候ですし。到着した日の気温は34〜35度ほどもあり驚きました。ただ、温度が高くても湿度は低いので、本当に過ごしやすい所だと実感しています。天気が良いと、気持ちも明るくなって、何だかこの国に歓迎されているような嬉しい気持ちになるものですね」

 

オーストラリアと日本の絆


PROFILE
在ブリスベン日本国総領事館 柳沢陽子(やなぎさわようこ)総領事東京都出身、千葉県育ち。一橋大学法学部卒業後、外務省入省。先任地にはドイツ、オーストリアなどドイツ語圏が多く、専門は国際法と核および大量破壊兵器の不拡散。趣味はクラッシック音楽鑑賞。特に、アルフレート・ブレンデルなどのピアノ曲を好む。

これまでの赴任地には、ドイツやオーストリアなど、ヨーロッパのドイツ語圏が多かったという。さまざまなことに携わってきたが、主な専門は国際法や核・大量破壊兵器の不拡散の分野だった。

「オーストラリアは日本とのつながりがたいへん緊密な国です。ヨーロッパなどの国と比べると、閣僚レベルの会合も頻繁ですし参加する閣僚の数もたいへん多く、経済関係では日豪の合同委員会なども盛ん。このアジア太平洋地域で価値観を共有する国です。資源の輸出入などにおいても、お互いの国がお互いを必要としています。

また、英語圏ですから英語を勉強するために留学しに来る日本人の方も多いですし、オーストラリアでは小学校から日本語を勉強している方も多くたいへん嬉しく思います。

両国には既に強い絆がありますが、北海道のスキー・リゾートを訪れるオーストラリア人観光客が増加した例のように、その関係をさらに深めるポテンシャルはまだまだあります」

9月後半にはQLD州のキャンベル・ニューマン州首相がちょうど日本を訪問していて、行き違いだったという柳沢総領事。

「日本との貿易の盛んなQLD州では、国家レベルだけではなく、州レベルでも日本との関係を深めています。日本としては今後も協力関係を維持し、さらに太いパイプでつながっていきたいと考えています。

80年代〜90年代と、日本からオーストラリアへの観光がたいへん盛んな時代がありましたが、その後の日本経済の停滞もあって、現在は以前のような日本人観光客の数は期待できない状況です。ただ、最近日本でもようやく海外へ出ていく若者の数が増えてきたという声も聞かれ始めています。

ここは英語圏という強みがありますので、英語を勉強したいという方にぜひオーストラリアに来てほしいと思います。若い時に海外生活をしてたくさんのことを経験し、いろいろな人がいるということを知るのは大切なことですから。そういった意味でも、オーストラリアはたいへんポテンシャルのある場所だと思います」

 

オーストラリアの印象

まだ着任したばかりの総領事にとってのオーストラリア、そしてQLD州の第1印象とはどんなものだろうか。

「ここはサンシャイン・ステートと呼ばれるだけあって、たいへん明るくて、お会いする方はどなたも大らかですね。裏表がなく、非常に気持ちの良い方が多いように思います。

ただ驚いたのは、物価が高いこと。ヨーロッパで生活していた時と比べても、物価が高いように思います。しかしそれはよく考えてみると、非常に恵まれた国だということかもしれませんね。先進国であって、治安も安定している。景色などもたいへんきれいで、なおかつ資源があり恵まれた国です。もう少し落ち着いたら、ぜひ州内をもっとあちこち見て周りたいです」

どこで買い物をしても、レジの人や店員がフレンドリーで親切なことにも驚いたという。

「実はオーストラリアというのは、核の不拡散の問題などでもたいへん熱心な国なんです。自分たちのところだけ良ければよい、という態度ではなく、日本と協力しながら現実的な道はないかという協議を、もうかなり前から外務大臣レベルで続けてきています。国際社会でも非常に重要な役割を着実に果たしている国です。

そういった国レベルでの緊密な協力関係を支えるために、机上の討議だけではなく、QLD州でも、人と人との個人レベルの協力関係から強めていかなくてはなりません。これからも一層この協力関係は強まっていくでしょうし、このアジア太平洋地域の将来のためには日本とオーストラリアの協力関係がたいへん重要です。総領事としてもたいへんやり甲斐のある地域だと感じています」

 

総領事の仕事

私たちが知る領事館とは、各種手続きのために利用する場所というイメージが強い。在留邦人の保護や外交事務などを行うということを理解はしていても、総領事の仕事というのがどんなものなのか、われわれ一般人にはあまり馴染みがない。

「私が考える総領事の一番の仕事というのは、その地域でできるだけたくさんの地元の方にお会いして、両国の関係を深めることです。私の場合はここブリスベンだけではなく、QLD州の経済界の方や文化に関係する方、日本語を教えている方、そしてこちらで暮らす日本人の皆様との会合に出かけるなど、できるだけたくさんの方にお会いしたいと考えています。そして、日本が何を考えているのかということを理解していただくような発信を行ったり、経済協力などのための情報を双方に提供して橋渡し役となっていけたらと思います。

今月はQLD州日本商工会議所などに出かけたり、州総督主催の日本についての講演会や、日本語補習校の運動会に伺う予定です。もともと、運動会などを見るのは大好きなので楽しみにしています。

また、QLD州は埼玉県と姉妹都市なのですが、来年は姉妹都市締結30周年を迎える記念の年でもあります。

両国の間で日本とオーストラリアの絆のために尽力している方がたくさんいらっしゃるので、心強いです。私もそういった人々の助けになるようなことができればと考えています」

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