トヨタは運命を感じた会社

人との信頼と尊敬が成功を生む
チャッツウッド・トヨタ・マネジング・ディレクター兼エクイティ・パートナー
イアン・マイヤーさん

 日本をはじめ、世界中で愛され続けている日本の大手自動車メーカー「トヨタ」。世界的には2012、13年(暦年ベース)の2年連続で、グループの販売台数が世界首位をマークしている。オーストラリアには、1957年に初めてランドクルーザーが輸入され、60年代から進出が本格化し今に至る。この快挙を成し遂げるには、車・サービスの素晴らしさだけでなく、それを生み出し、世に広める人々の情熱と努力が重要となる。オーストラリアでトヨタの素晴らしさを広めている人とはどんな人物なのだろうか。本紙は、長年トヨタに勤務し、現在はシドニー北部チャッツウッドのディーラーで、マネジング・ディレクターを務めるイアン・マイヤー氏に話を伺い、その素顔や成功の秘密に迫った。

トヨタは運命を感じた会社だった

マイヤー氏はシドニー生まれ。トヨタには1982年に、営業・マーケティング研修生として入社した。その当時、研修生は彼を含めて6人いたそうだが、研修開始後12カ月経つと、正社員として残っていたのは彼1人だけだった。マイヤー氏はトヨタに運命を感じていたという。

「34年間カンタスに勤めていた父から『仕事というのは、その会社とパートナーシップを結ぶようなものだ』と言われたことがあるのですが、研修を通してまさにその通りだと思い、『とても気持ち良く働ける職場だな』と感じました。マネジメントもそこで働く人々も素晴らしかったですね。それから10年にわたり、国全体の広告マネジャーや、フィールド・マネジャーなどを経験しました」

そして、マイヤー氏はトヨタのディーラーを経営してみないかとの提案を受け、シドニー・シティ・トヨタへと移る。2000年には、シドニー・シティ・トヨタとシドニー・シティ・レクサスのマネジング・ディレクターを務めるようになり、12年まで同ビジネスを成長へと導いた。国内においてのトヨタ・レクサス・ディーラーの中では2位に輝き、数々の賞を受賞している。

12年8月末、同氏はチャッツウッド・トヨタのビジネスを購入し、9月1日にマネジング・ディレクター兼エクイティー・パートナーとして経営をスタート。同店では、トヨタの新車と中古車などを取り扱い、予算や使用目的などにぴったりの車を提案しており、今ではシドニー最大級の店舗の中の1つとして知られている。

「ビジネスを始めた時には、既にロイヤル・カスタマーのベースが築かれていて、また以前の店舗のスタッフが付いてきてくれたので、とてもラッキーだったと感じています」

ビジネスでは人へ信頼と尊敬が大切

長年、類稀なるリーダーシップでトヨタをシドニーで広めてきたマイヤー氏。その人物を作り上げる過程で影響力を与えたのはどのような人々だったのだろうか。

「職場には尊敬できる人がたくさんいたので、とても幸せだと感じています。ですから、影響力を与えてくれた方は『1人だけ』というわけではなく、少なくとも4~5人はいました。また、トヨタ以外にも、ビジネスを展開するとても素晴らしい方々に出会うことができたことも大きいですね。それはお客様だったり、競合の企業の方だったり。それぞれの人の良さを見つけて、自分はどんなスタイルを取るべきかを学びます。人に会うことはとても楽しいですよ」

また、マイヤー氏は人への尊敬と信頼が、何においても大切だと感じたと話す。「困っている人の力になれば、自分が困った時には誰かが助けてくれるという、カルマを信じています。そして、ビジネスでは友人を作るべきだと思っています。すると、すべてのことがスムーズにできるようになります。この店舗に勤めてくれているスタッフの皆さんに対しても、友人として接します。中には15~20年間も働いてくれている人もいるのですが、家族の名前なども知っていますし、時には自宅に呼ばれて一緒にご飯をいただき、仲良くしています。トヨタの出版物の中に『ザ・トヨタ・ウェイ』というものがあり、その中にもあるのですが、トヨタのモットーの根源となるものには『信頼と尊敬』があります。そのことを念頭に、ビジネスを行っています」

現在オーストラリアではカローラが人気

現在、チャッツウッド・トヨタには、主にシドニーとノース・ショアの顧客が集まっている。中でもアジア人顧客が50%を占めており、日本人は約5%。同店では日本人スタッフのシュン・ナカムラ氏も勤務しており、サービスの質などを重んじる日本人に向けて、丁寧なコンサルテーションやサポートを提供しているという。

数あるトヨタの車の中でも現在とても人気があるのは、トヨタの代表的な乗用車の1つ、カローラ。外観や性能の良さ、車内スペースの広さ、低燃費、値段に対する価値などが高く評価されているという。マイヤー氏は、「若い方から家族を持つ方まで、幅広く愛用いただいています」と話す。また、近年注目を集めているハイブリッド・カーにおいても、プリウスなどの3種を同店で販売している。

広い国土を持つオーストラリア人の多くは、大型の車を好むのではないかと思われるが、ホールデンやフォードなどの大型モデルの人気は、燃費の悪さなどの理由から年々低くなってきているそうだ。

今後の抱負

最後にマイヤー氏に今後の抱負について聞いてみると、現状に満足せずにこれからも向上を目指したいと熱い思いを話してくれた。「私たちがこのビジネスを購入した時には業績が既に伸びており、国内のディーラーの中で成績が26位にランクインしていました。けれどもそれから2年が経ち、今では8位。この成績が達成できたのは、私たちが大切にしている競争価格、丁寧なサービス、そして透明性の3つがあるのですが、やはり何よりもこの会社にいる素晴らしい人々のおかげです」

仕事以外では、09年にVIC州で起きた山火事で家族を失った元兵士や、脳性麻痺をわずらう大人や子どもなどのためのチャリティー活動を積極的に行い、常に人のことを思うマイヤー氏。その温かく真摯な心が多くの人の心をも動かし、トヨタを成功へと導く力になっているのだ。


■チャッツウッド・トヨタ
住所:Cnr. Fullers Rd. & Pacific Hwy., Chatswood NSW
Tel: (02)9201-8888(営業部)、(02)9206-6966(サービス・センター)
Web: chatswoodtoyota.com.au

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る