【新年恒例企画】回顧と展望2016/平野修一(日豪ビジネス)

新年恒例企画 回顧と展望2016
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日本貿易振興機構(ジェトロ)
シドニー事務所長 平野修一
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日豪ビジネス

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日本貿易振興機構(ジェトロ)シドニー事務所長 平野修一

日本貿易振興機構(ジェトロ)
シドニー事務所長

平野修一

プロフィル◎2014年6月から現職。直前はジェトロ本部(東京)で海外調査部調査企画課長として同部を取りまとめ。豪州勤務は2度目で2001〜2006年3月までメルボルンで調査業務などに従事。海外勤務は今回で3カ所目。愛知県名古屋市出身。

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日豪双方向でビジネスの動きが進展

新春のお慶びを申し上げます。

豪州は石炭、鉄鉱石、天然ガスをはじめとする天然資源や観光資源に恵まれた国ですが、近年、資源の分野のみならずほかの分野においても豪州の強み、市場の特徴に注目して事業展開を図る日本企業が増えてきているように思います。

日本と豪州はこれまで資源を中心に経済面、産業面、双方で成熟した関係を長年にわたって築いています。日本はオーストラリアにとって輸出では中国に次いで2位、輸入では3位、またオーストラリアは日本にとって輸出10位、輸入3位の貿易相手国となっています(2014年データ)。オーストラリアから日本に入る主要貿易品目は石炭、液化天然ガス、鉄鉱石などの天然資源や牛肉、小麦などの食料であり、一方、日本からは自動車を中心とした高付加価値製品を輸出しています。このようにオーストラリアから一次産品を日本に輸出し、日本からは工業製品を輸出するという相互補完的な関係が続いていますが、最近は投資面での変化が見え始めています。

例えば、ユニクロ(ファーストリテイリング)や無印良品(良品計画)など小売大手、一風堂(力の源カンパニー)、やよい軒(プレナス)をはじめとした外食チェーンなどのサービス産業の進出が増えているように、投資分野では資源だけではなくほかの分野にも広がりを見せています。

15年には日本郵便の豪物流大手トール・ホールディングスの買収、日本生命保険の、豪銀行大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)傘下の生命保険子会社MLC買収など大型案件も目立ちます。両社ともオーストラリア企業との「協業」をステップとして、さらなる海外展開を図っていく方針です。

そのほか、日本の建築設計事務所・日建設計がオーストラリア国内で業界売り上げ3位を誇る大手建築設計事務所・バカン社への出資・業務提携、クラレによるバイオマス由来のバリアフィルム事業を展開するプランティック・テクノロジーズ社の買収、広島の精米機メーカー・サタケによる穀物サイロ・メーカー・デニーズ社の買収、三菱樹脂とビクトリア州政府が組み実現させた太陽光利用型植物工場の完成など幅広い分野で「新たな相互補完」を築く動きが続いています。

オーストラリアは先進国で唯一24年連続の経済成長を達成しており、移民受け入れも積極的に行い長期的な人口増加を続けている国です。富裕層の人口も全人口の6割程度まで拡大しています。そういった背景からオーストラリアに新規参入や事業拡大する日本企業には内需志向の小売りや外食産業をはじめとした企業が増えているのでしょう。

こうした市場としての魅力に加え、オーストラリア企業が有する技術、ネットワークなどを活用して第3国での事業展開も視野に入れた「協業」の動きは今後さらに増えていくと思われます。

一方、オーストラリアから日本への投資案件をみると、これまで進出が多くみられるICT分野に加え、15年に入り、豪州で人気のメキシカン料理店、グズマン・イー・ゴメズが日本に進出しました。また、西オーストラリア州ベースのドライブスルー型コーヒー店、マズバズも埼玉県越谷市に1号店を出し、12月19日には鳥取県にドライブ・スルーの1号店をオープン予定です(記事執筆時点)。また、ダスキンは豪州で人気のパイ専門店、パイフェイスのライセンスを取得後、15年10月~11月にかけて日本国内で2店舗をオープンするなど、外食分野でもオーストラリアからの進出が相次いでいる状況です。

さらに、日本でのパンケーキブームの火付け役となったレストラン、ビルズの最近の動きをみると、日本のパートナーと組み、他国にも相次いで出店しています。同店の最初の海外進出先は日本ですが、同店は日本で得た知識や経験などを他国への事業展開にも役立てているようです。

15年は、日豪双方向でこれまでにあまり見られなかった分野でビジネスが活発化したと年といえるでしょう。16年以降も日本企業とオーストラリア企業は、新しい視点に立つことによって、まだ知られていないビジネスチャンスを発見し、実現していけるのではないかと思います。

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