第8回 「犬も歩けば…」

慣用表現英語でDo You Know ?

日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?
オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授 池田俊一

第8回 「犬も歩けば…」

 前回、猫にまつわる慣用句を取り上げたので、今回はペットとして猫と人気を2分する犬にまつわる慣用句を取り上げてみよう。意外にも、人間の忠実な友とも言われる犬が、慣用句では、あまりいい意味で使われていないようだ。
例1 犬も歩けば棒に当たる。
Even a dog will bump into a stick when walking. / A flying crow always catches something. / Every dog has his day.
 この表現は、慣用句というより、「いろは歌留多」の一番始めのことわざとして知られているが、もともとは、物事を行う者は、時に禍いに遭う、という意味だった。それが今では転じて、何かを試してみると、思わぬ好運に出会うこともある、という喩えとして使われることが多いようだ。
例2 そんなものは犬も食わない。
Even a dog will turn up its nose at it.
 「犬も食わぬ/食わない」は、誰も好まない、誰も相手にしない、という意味で、次の表現によく使われる。
例3 夫婦喧嘩は犬も食わぬ。
Nothing is so unpalatable as a lovers’ quarrel. / One should not interfere in lovers’ quarrels.
例4 あの2人は、前から犬猿の仲だ。
Those two, they have been at loggerheads for a long time.
 「犬猿の仲」は、「犬と猿の仲」とも言う。 例5 それは、犬の遠吠えに過ぎない。
That’s merely a dog barking from afar at a sleeping lion.
 この「犬の遠吠え」は、臆病者が、陰では虚勢を張ったり、他人を批判または攻撃したりする態度を表している。また、「犬」には、慣用句ではないが、密かに他人の隠し事を嗅ぎ付けて告げる者という意味があり、「警察の犬」(= a police spy)や「権力の犬」(= those who faithfully loyal to the establishment/authorities)という風に使われる。

第8回  「犬も歩けば…」

 「犬は三日の恩を三年忘れない」と言われるが、我々も犬に見習って、3日で覚えたことを3年は忘れないようにしたいものだ。
(They say, “feed a dog for three days and he will remember your kindness for three years”. We should follow suit by not forgetting for three years the things that we learn in three days.)
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Email: nichigopress@gmail.com
件名:日本語・池田先生係

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