第13回 「釈迦に説法」

慣用表現英語でDo You Know ?

日本語の慣用表現
        どう言うの
英語で Do You Know ?
オーストラリア国立大学
アジア研究学部日本センター准教授 池田俊一

第13回 「釈迦に説法」

 4月。桜が満開になる季節。4月8日は、一般に「花祭り」と呼ばれる、お釈迦様の誕生日を祝う行事が行われる。今回は、そのお釈迦様にまつわる言い方を見てみよう。
例1 えっ、あの人に将棋のおもしろさを説いたんだって? あの人、プロの棋士だよ。そりゃあ、とんだ釈迦に説法だったね 。
What? You tried to convince him of the joy of playing shogi? You should have known he is a professional shogi player. Ah, that was a real case of “teaching your grandmother to suck eggs”, wasn’t it?
「釈迦に説法」という表現は、何かを良く知っている人に、そのことをさらに教えようとする愚かさ、不必要さを表す。「釈迦に経」とも言う。
例 2 ははは、ここで俺がこんなことをしているなんて、お釈迦様でもご存じあるめえ。
Ha, ha, ha, even the omniscient Buddha would be surprised that I’m doing this sort of thing here.
 似たような表現に「お釈迦様でも気がつかない」がある。
 また、失敗して物をだめにすることを「おしゃかになる」(prove [turn out, end in] a failure; be no good) と表現するが、これは駄洒落が由来だという説がある。江戸の鍛冶職人の隠語として、あぶり過ぎて鈍ってだめにしてしまった金物に対して、江戸っ子訛りで「しがつよかった(火が強かった)」→「四月八日だ」→釈迦の誕生日、というつながりで成立したとされる。

慣用表現英語でDo You Know ?

例 3  事故で車がおしゃかになった。
My car was written off by the accident.
例 4 しまった、またおしゃかが出た。
Oh, dear, there’s another waste.
 もう1つ、何かに一所懸命に取り組む様子を「しゃかりきになる」と表現するが、語源が「お釈迦様」に関連があるかどうか、定かではない。
例 5 そんなにしゃかりきになって頑張らなくてもいいんじゃない?
There is no need to put yourself under so much pressure, is there?
 今回は、読者の方々に「釈迦に説法」? (Perhaps all you readers already knew about this topic?)
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件名:日本語・池田先生係

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